これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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目からウロコのおすすめ本

09/08
2025

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『いまこそ、本物のサステナビリティ経営の話をしよう』 山口 周×磯貝友紀著

派手な蛍光ピンクのカバー。
そして2人の著者の写真も添えられ
“あなたの会社のビジョン、本気度が問われる時代です。”
という副題も添えられていた。
タイトルの“本物のサステナビリティ経営”
というフレーズもあり手に取ってしまったわけだが…

山口 周氏の書籍には、気づかされることが多い。
“はじめに”を読んだだけでも
このところ私が“Grab the Flow, Go with the Flow!”
すなわち“時流をつかみ、時流に乗れ!”であり、
“環境適応能力”の重要性に重きを置いて
発信していることが見透かされているようなのだ。

ということで、自分のビジネスを時代の流れに合わせながらも、
時流に流されてはいけない“経営哲学の重要性”を
この書籍を通じて紹介したい。
以下は、その“はじめに”に書かれていた
この書籍が発信したいだろうポイントを集約してみた。

【“変わるもの”ではなく“変わらないもの”を追求する】

ビジネスの変化が激しい現代において、
企業が持つべき最も重要なものは、
その先を見据えた動じない哲学。

不安定な外部環境、すなわち政府の政策、社会の風潮、
メディアの論調等の変化に直面しても、
“自分たちは何者で、何のために行動しているのか”
という哲学を明確に持ち続ける姿勢。
すなわち企業の存在理由を見失わないことが求められる。

このような揺るぎない企業理念は、
単に変化に対応するための手段ではなく、
社会の中で企業が果たすべき役割や責任を明確にし、
長期的な信頼を築く基盤になるという。

【チェックリストを超えたサステナビリティの実践】

サステナビリティや
DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)、
ESG(環境・社会・ガバナンス)といったテーマは、
単なる“チェックリスト”ではない。
これは企業の存在意義そのものであり、
“どのような未来を実現したいのか”という
ビジョンの表現なのだ。
単なる形式的な取り組みにとどまらず、
企業の使命と未来像を示すものであるべきもの。

真のサステナビリティの統合は、深い倫理観を伴い、
長期的な視座によって支えられている。
企業にとってこれは、経済的成功を超え、
社会全体の幸福を実現するための倫理に基づく行動が不可欠。
超長期的視点とグローバルな視座の重要性を語っている。

【あらためて“外から学ぶ”ことの重要性】

これまでと同じように優秀な人々が、
同じように一生懸命に働いているように見えるのに、
なぜ、日本の経済的地位は、ここまで急速に低下しているのか。
少なくとも、この20年続けてきた思考・行動様式を
改めない限り、低下は止められないだろう。

過去の歴史を俯瞰すると、ある国が停滞から復活し、
反転攻勢に出るときには、
“外から謙虚に学ぶ”という共通のパターンがある。
過去の歴史をみても“外から学ぶ”ことを怠るようになった文明は
ことごとく衰退しているという。

↓ ↓ ↓

いかがだろうか。
確かに、日本の多くの企業は“環境対策=コスト”
という認識に縛られている。
“石坂産業”の取り組みを“ビジ達”では度々紹介しているが、
まさにサステナビリテイはもはやコストではなく、
未来の競争力の源泉なのだ。
“本物のサステナビリティ経営”を
いくらかでも理解していただけただろうか。

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山口 周氏の書籍には気づかされることが多い

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目からウロコのおすすめ本

08/18
2025

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どのページを開いても、面白い! 『ざんねんないきもの事典』の狙い。

→本はどのページから開かれても面白くなければならない
→子供(読者)と親(購入者)の両方にアピールする
→子供が不完全に覚えても書店で見つけられるタイトルを目指す
(さすがのマーケティング!)

毎日電車に乗っていると、その見かけも行動も
ちょっと“ざんねんな人”と思うことも多いが…
今回は『ざんねんないきもの事典』の話。

【ざんねんなゾウ→大きすぎて毛を失う】

「地上最大の動物であるゾウ。
その巨体で、ライオンも追いはらえます。
でも、そのために多くのものを失いました。

まず毛。
大きいほど体に熱がこもりやすくなります。
そのため体温が上がり過ぎないように、全身つるっぱげです」

先日、あるテレビ番組で『ざんねんないきもの事典』シリーズや
『わけあって絶滅しました。』シリーズなど
ユニークな切り口で話題の書籍を手掛ける編集者
金井弓子さんの話を聴いたのだ。

この人気シリーズ、出版されてからもう10年になるというが、
そのタイトル含め、読者の心を掴む“面白い”を追求し、
本の隅々まで意図を込めて、
理論的に説明できる本づくりをしてきたという。

まさにマーケティングをしっかり考えての
必然的大ヒットだったのだ。
読者の心を掴む“面白い”の追求であり、
本の隅々まで意図を込めての詳細を以下に紹介してみた!


【金井弓子流ヒット本の法則】

その1 ◆どのページも面白くする

→本はどのページから開かれても面白くなければならない
子供は本を真ん中から突然開くことが多いため、
開いたページが面白くないとすぐに興味を失ってしまう。
そのため、どこを切っても同じ絵柄が出る“金太郎飴”のように、
どのページにもインパクトを持たせることが重要。


その2 ◆“面白い”と“ためになる”の両立

→子供(読者)と親(購入者)の両方にアピールする
子供向けの本は、読む子供と購入する親が
異なる特殊なジャンルである。
そのため、子供が“面白そう”と感じる要素と、
親が“子供のためになりそう”と感じる実用的な情報の
両方を盛り込む必要がある。

例えば、子供が惹かれるような面白いタイトルをつけつつ、
帯には“身近ななぜが全部わかる”といった
親向けのコピーを入れるなど、
常に両者の視点を意識してバランスを取っている。


その3 ◆記憶に残るタイトル

→子供が不完全に覚えても書店で見つけられるタイトルを目指す
子供が友達の本を欲しがる際、
正確なタイトルを覚えていないことが多い。

“命の図鑑”や“身の回りの不思議の本”のように、
内容の特徴を捉えた覚えやすいタイトルにすることで、
親が書店で探しやすくなり、販売機会を逃さない。
書店員がキーワードから本を特定できるような
タイトルが理想的である。

↓ ↓ ↓

うんうん、素晴らしい!
顧客のニーズやウォンツはもちろん、
そのプロセスにおける“選ばれる理由”も
もっと徹底して考え抜かなければならないわけだ。

このくらい細やかで戦略的なマーケティングでなければ
他を出し抜いてのヒットは生まれないということ。
令和時代のマーケティングはもっと複雑になりそうだ!

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読者の心を掴む“面白い”を追求

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目からウロコのおすすめ本

05/19
2025

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書店員がおすすめする『カフネ』と 本屋大賞の意味!

2025年4月に発表された本屋大賞は『カフネ』阿部暁子著。
いつもの大手町の丸善で手に取り読み始めた。
3日間で300ページ強を読んでしまった。
(私にしては早い読み終わり)

→法務局に勤める“野宮薫子”は、溺愛していた弟が急死して
悲嘆にくれていた。
弟が遺した遺言書から弟の元恋人“小野寺せつな”に会い、
やがて彼女が勤める家事代行サービス会社
「カフネ」の活動を手伝うことに。

弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。
食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく…
(出版社の紹介文より)という物語。

「カフネ」とはポルトガル語で
“愛する人の髪にそっと指を通す仕草(しぐさ)”のことだという。
そのタイトルは、ラストシーンに呼応するわけだが…
もっと物語にハラハラどきどきを期待してた感はあったのだが、
結果として面白く読ませてもらった。


【書店員の思いが込められた“本屋大賞”は、結構読んでいた!】

もちろんご存知だと思うが…
本屋大賞は、全国の新刊書書店で働く書店員が、
最も読者に薦めたい、または自分の店で売りたいと思う本に
投票して選ぶ文学賞。

読者に読んで欲しいという書店員の思いが込められている書籍。
あの半年に1回選ばれる“芥川賞”や“直木賞”とは
その選ばれるコンセプトが違うわけで…
だからつい手にとってみたくなるわけだ。

◆2019年の『バトンは渡された』瀬尾まいこ著
→読みながら涙したような…映画も観た。

◆2018年『かがみの孤城』辻村深月著
→これはフィクションなればこその展開が…

◆2016年『羊と鋼の森』宮下奈都著
→真面目なピアノの調律師の物語だったような…

◆2014年『村上海賊の娘』和田竜著
→史実に基づいた瀬戸内海の村上海賊の話だった。

◆2016年2位の『君の膵臓をたべたい』住野よる著
→映画も観た記憶が…略称は「キミスイ」である。

ああ2013年の『海賊とよばれた男』百田尚樹著も読んでいた。
鍵山相談役が勧めてくれたあの出光興産の創業者
出光佐三をモデルに描かれたノンフィクション歴史小説だ。
これは上巻、下巻があり結構読み甲斐もあったのだが
ノンフィクションなのに物語の揺さ振りも多く、
楽しく読んだ記憶がある。

これ以外にも手にした本屋大賞の書籍もあるのだが、
さまざまな理由でフィニッシュされずに本棚に並んでいるものも。


【書店員の推薦の本たちを、耳で楽しむ新しいスタイルも?!】

本屋大賞は、本に愛情を注ぐ書店員によって選ばれるため、
選ばれた作品には深い愛着と推薦の理由がある。
日々多くの書籍に触れる彼ら彼女らの視点は、
私たち読者にとって非常に貴重なもの。

本選びに迷うことが多い中、
この賞が示す基準は信頼できる指針であり、
私たちの読書体験を豊かにする大きな役割を果たしてくれている。
この賞を通じて、まだ知らない名作や新しい作家との
出会いが生まれ、読者はより広い世界を楽しむことができるのだ。

先のビジネスイノベーションのゲストに
あの“オーディオブック”の創業者、
株式会社オトバンク 上田 渉会長が出演してくれたこともあり、
もっとたくさんの本を楽しみながらも体験したい私としては、
そろそろ2倍速でも楽しめる
オーディオブックにしてみようかなぁ〜。

みなさん“本屋大賞”に選ばれた書籍、読んでますか?!

耳で聴く“オーディオブック”活用してますか?!

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“本屋大賞”の書籍、読んでますか?!

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目からウロコのおすすめ本

03/17
2025

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ビジネスも人生も “理想の毎日”は自分で創る!

いつもの大手町の書店で、何げに手に取った書籍は、
『“理想の毎日”は自分でデザインできる
仕事と人生で削っていいこと、いけないこと』
秋田道夫著。
2025年2月28日初版発行と、出版されて間もない。

だいたい手に取ると著者のプロフィールを見るのだが、
そこには“愛知県立芸術大学”卒業のプロダクトデザイナーと。
えっ?!私が18歳で北海道から名古屋に出向き
第一次試験のデッサンで落ちたあの芸術大学の卒業生だった。

この業界にいてあの芸大の卒業生に出会うのは、
たとえ書籍でもこれが初めて。
そして私より1歳上の71歳。
(私が入学していればすぐ上の先輩となっていたのだ)


【理想の日々をデザインする“10の積極的取り組み”】

「わたしのデザインも、時代を問わず、
普遍的なものを目指しています。
できるだけシンプルに、余計なものを足さず、そぎ落とす。
効率を重視し、無駄なものをなくしてきたわたしですが、
こと仕事の進め方に関しては、“削る”ばかりではありません。
“削ってはいけないこと”も大切にしてきました。」

というプロローグから、日々を穏やかに過ごすための
積極的取り組み姿勢が73項目綴られていた。
その中から私も同調できる10項目をピックアップ。
(コメントは著者と私の共鳴感を表現してみた)

1◆直接人と会う
人と直接会うことと、相手の会社に出向くこと。
それだけでかなりの情報が入り、自分のことも伝えられる。

2◆誰も見ていなくても“常識人”でいる
仕事で大事なのは、エチケットや挨拶、日常の生活態度。
仕事以外がちゃんとしていないと、仕事のレベルも上がらない。

3◆締切は“前倒し”に設定する
普通に予定されているスケジュールより、
自分がやる部分は短めにする。
そうすると攻めの気持ちになり受け身ではなくなる。

4◆感謝の言葉は省略しない
削ってはいけないものの筆頭、それは感謝の言葉。
“ありがとう”ではなく“ありがとうございます”が正規ルール。

5◆“面白い”“かわいげ”があると強い
社会を渡るには“面白い”や“かわいげ”は結構大事。
私も面白い人や、かわいげのある人が好き。

6◆会話に必ず新しい情報を入れる
話が面白いことと、新しい情報が入っていることは重要。
私も会話の中で、この2つを常に心がけている。

7◆“今という時代”と仲良くする
常にエイジレスな自分でいたいと思う。
それは仕事に対してはもちろん、
スポーツに対してもファッションや会話も。

8◆必要なのは、自制心、モラル、リテラシー
別に成績がいいわけでもないのだが、
周りからは信頼?!され、存在は認知されてきたような。

9◆人も時代も、変わるのは悪くない
常に時代は動いているわけで、“盛者必衰の理”ということ。
Grab the Flow, Go with the Flow!

10◆やるは一瞬の恥、やらぬは一生の恥
思ったことを実際に行動に移せる人は25%。
継続できる人は5%だという。

仕事内容も近く、同じ時代を歩んできたこともあり、
その内容にはかなり共鳴感を持てた次第。
もっと仕事も人生もオシャレに美しくデザインしたい!

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積極的取り組み姿勢、おすすめの10項目とは

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目からウロコのおすすめ本

02/10
2025

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『べらぼう』が描く“吉原”を通じて知る 多様性社会とこれからの“Japan”

今回は、おすすめ本でなく、おすすめ番組について。
奥浅草界隈にある我が社から、あの“吉原大門”までは
徒歩で15分というところ。
私の年代の人たちは、“吉原”という単語が口から発せられると
すぐにその人の顔をみて、笑顔になって
その話の続きを聴こうとするわけだが…
残念ながらいまどきの人たちは、
“吉原”がどのようなところなのかも知らない人が多いようだ。

そんな“吉原”がついにNHK大河ドラマに登場することに。
その“吉原”の存在さえ知らない多くの人たちは、
果たしてこの大河ドラマ『べらぼう』を通じて、
今後はどう解釈するのだろうか⁈

そして注目したいのは、東京都台東区として
この大河ドラマをどう活用してPRするかだが…
なんと「台東区大河ドラマ“べらぼう”活用推進協議会」
なるものもすでに設置されていた。

当時、蔦屋重三郎が生まれ育ち、
その才能を開花させたゆかりの地、台東区。
そこには、ドラマの概要紹介や、登場人物紹介も兼ねた
“べらぼう江戸たいとう大河ドラマ館”まで
設置されていたのだ。

【『べらぼう』に観る、江戸時代における日本の経済と文化】

江戸時代の社会構造は、幕藩体制という特徴的な形態をとり、 
その経済と文化は多様性に満ちていた。
武士階級だけでなく、町人や農民の生活も豊かで、
商業の発展や文化交流も盛んだったという。
この時代の背景には、町の成長や交易の拡大があり、
人々の生活は様々な側面から影響を受けていた。

このドラマでは、特に“吉原”という遊郭の存在が
大きな役割を果たしていて、その存在が
当時の社会についての理解を深める鍵となっている。
“吉原”はただの遊郭ではなく、
当時の文化や人々の価値観を反映した重要な空間。
ドラマにおいては“吉原”を舞台にしたストーリーが展開され、
そこには商人や武士、町人たちの交錯する
人間模様が巧みに描かれている。

【“吉原”の多様性とその存在価値】

“吉原”の描写は、単に娯楽の場としての側面だけでなく、
社会の縮図として機能している点が注目されている。
ここでは、様々な階層の人々が集い、
そこでの交流を通じて江戸の文化が形成されていく。
また、“吉原の花魁(おいらん)”たちが持つ魅力や、
彼女たちの社会的地位も掘り下げられ、
女性の視点から見た江戸時代の複雑さも見えてくるという。

大河ドラマ『べらぼう』は、蔦屋重三郎を通して、
単に歴史的事実を描くだけでなく、
江戸時代の文化や経済の背景を現代に活かす
重要な機会を提供してくれている。
この作品を通じて、視聴者は当時の人々の生活や価値観を
知ることができ、過去と現在のつながりを
感じとることができるだろう。

例えば、商業と文化の交流が活発だった江戸時代は、
現代の日本においてもその影響を色濃く残している。
そして“吉原”が象徴する多様性や人間関係の複雑さは、
今も私たちの社会にも反映しながら
新たな価値観の形成に寄与しているはず。

このように、『べらぼう』を通じて学ぶことのできる
江戸時代の知恵や教訓は、
現代の日本の文化と経済を築くためのベースともなり、
私たちはその流れを汲み、
次世代へとつなげていくことが求められているのだ。

もしかしたら、この『べらぼう』から気づかされるあれこれは、
これからの魅力ある“Japan”づくりに
参考になるところがたくさんあるのかもしれない。
そんな視点で『べらぼう』を観ると、
もっとワクワクしながら楽しく観られるかもしれない?!

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“べらぼう江戸たいとう大河ドラマ館”を訪問

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