これからの選ばれるビジネス!

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選ばれるビジネス

11/11
2024

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このデジタル時代に “イマーシブ体験”が注目される理由。

次のうち、“イマーシブ体験”として該当するものはどれ?
A) バーチャルリアリティ(VR)技術を利用して、
異なる世界に入り込む体験をすること。
B) チームラボのようなデジタルアート空間で、
鑑賞者がアートと相互作用すること。
C) 趣味で好きな音楽を聴きながら、リビングでゆったり過ごすこと。

「イマーシブ」とは、“没入”“没入感のある”と訳される言葉。
ということで、3択のAとBの2つが正解。
とにかく、“イマーシブ”であり、“没入感”という言葉を
たくさん耳にするようになった。

この言葉を耳にして、最初に頭に浮かんだのが
猪子寿之代表が率いる“チームラボ”が創るさまざまな施設。
私が最初に“チームラボ”を体験したのが、
2018年に豊洲に創られた“チームラボプラネッツ”。

“Body Immersive”な空間を創り、
私たちを巨大な作品の中に取り込んでしまう。
身体ごと没入することによって、身体と作品との境界を曖昧にし、
自分と世界との間にある境界の認識を揺るがすのだ。
いま思うと、入場口で“素足に”させられるところから
その没入感は始まっていたということ。

猪子氏は言う
「人は都市の中では、
自分は独立して存在できていると錯覚しがちです。
自分と世界との間に境界があるかのようにすら思ってしまう。
しかし本当は、そこに境界はなく、
自分の存在は世界の一部であり、
世界は自分の一部であるのです」と。

【今なぜ“イマーシブ体験”が注目されるのか?!】

こうしたイマーシブ体験が注目される理由の一つは、
その体験がもたらす感情的なインパクト。
没入感が高まることによって、
参加者は現実から乖離した感覚を味わい、
心のリフレッシュや新しいインスピレーションを
得ることができるのだ。
また、デジタル技術の進化により、
よりリアルな体験が可能となり、
今まで想像することすら難しかった世界が
現実のものとなりつつあるということ。

◆イマーシブシアターとは…
2000年代にロンドンで始まった体験型演劇作品。
特徴は、空間全体を舞台とすること。
従来のようにステージから離れて観劇するのではなく、
観客も舞台の構成員として参加する。
作品の世界観に入り込みやすい鑑賞法として注目されている。
“イマーシブ・フォート東京”で楽しめる多くのアトラクションは、
このイマーシブシアターの手法を用いている。

◆イマーシブオーディオとは…
全方向から聴こえるなど臨場感の高い状態で
音を楽しめるコンテンツで、立体音響、3Dサラウンド、
3Dオーディオなどとも呼ばれている。
音を通して映像や音楽作品への没入感を
高められるコンテンツとして映像配信やゲーム、映画館など
幅広いサービスや空間で取り入れられている。

◆イマーシブビューとは…
Googleマップで場所を探索する際に、
実際にその地点にいるような感覚を持てるほど
リアルなシーンを提供する機能。
多数の画像と航空写真を組み合わせ、
デジタルと高度なAI技術を活用し、
バーチャル画面を通して必要とされる情報を表示する展開。

↓ ↓ ↓

とにかく“イマーシブ空間”は、今やあらゆるところに存在する。
今後のエンタメ業界において、
イマーシブな要素を取り入れた企画は、
商品やサービスの付加価値を上げ
熱烈なファンを獲得するカギとなることが期待できる。
“イマーシブ体験”は、エンターテイメントの枠を超えて、
観光産業や教育分野にも広がりを見せている。

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没入感を体験

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豊洲の“チームラボプラネッツ”

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10/28
2024

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人気の“寿司チェーン店”から学ぶ これからの効率化と新サービス

先日もある“回転寿司店”で、
寿司だけでなくさまざまな料理とお酒を
美味しくいただいたわけだが…

その注文の仕方がどんどん進化していることに驚いた。
あのiPadのようなものからの注文だけでなく、
商品レーンの下に、メニュー紹介のようなカタチで
常に動いているデジタルサイネージの帯があり、
そのメニュー商品をタッチしても注文ができたのだ。
(おースゴ〜い!これでも注文できるんだ!)

このところの“回り寿司店”は、どんどん進化している。
寿司店だったのに、天ぷらありラーメンあり、デザートもある。
そしてあれこれ起きた事件により、
寿司はもう皿に乗って回らない状況になってしまい
店の人も皿の枚数を数えないでよくなっていたのだ。

もしかしたらどの業界よりも早くから
DX化に取り組み、そして進化してきたのかもしれない。

このお寿司屋さんのDX化は、1958年からだという。
大阪で創業された“元禄寿司”が、回り寿司のパイオニア。
当時は、より多くの人々に手軽に
寿司を楽しんでもらうための発明だったのだ。

そしてその回り寿司文化は、
60余年の間に紆余曲折しながらも時代の流れと共に進化し、
日本中に存在する文化となったのだ。
(あれっ、今は海外でも回っている?!)

【寿司チェーン店上位は、過去最高を達成!】

飲食店市場に逆風が吹き荒れるなか、
寿司チェーンの上位数社は、過去最高を達成したという。
人手不足の解消などを目的に開発してきた
DXによる超効率化策が、
非接触が求められるwithコロナ時代に実を結んだといえる。

2024年7月の寿司チェーン店の店舗数はなんと4164店。
もちろんこれら寿司チェーン店は
もう回ってないところも多いわけだが…
上位はみなさんもお馴染みの
「スシロー」で「くら寿司」で「はま寿司」。

DX化の流れも伴って、もっと美味しく
そしてスマートに進化した姿となり、
多くの人々に受け入れられるようになった。
(先日も店の前のエレベーターホールには、多くの人垣が…)
いまどき“寿司”というと、日本ではDX化された
この寿司チェーン店が当たり前になろうとしている。
そのくらい美味しくもあり、寿司だけでなく
さまざまな料理を効率的に食べることができるということ。

↓ ↓ ↓
寿司チェーン業界は、他の業界に先んじてDX化を進め、
その過程で競争と革新が相まって
新しいサービスを取り入れた飲食店として進化した。
この人手不足の到来と新たなサービスへの需要を考えると
この寿司チェーン業界の進化は、
私たちが見習うべきところがたくさんあるのかも?!

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にぎわう店内

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DX化が進む

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09/24
2024

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活躍する“マンションドクター”! 成熟化の先の、新たなビジネスの可能性?!

みなさんもご存知だと思うが…
「トイレ、キッチン、お風呂、洗面所などのトラブルは…」
という水回り専門の会社の磁石付きのステッカーは
度々わが家のポストに入っている。

そのお陰で、我が家の冷蔵庫はステッカーだらけ。
とはいえ、今回、床から水が染み出してきた時は、
さすがに意味が違うと思い、マンションの管理会社に
相談していたわけだが…

その結果、数日後“マンションドクター”が、
原因究明と応急処置のために駆けつけてくれた。
(へ~“マンションドクター”なる職業があるんだ?!)

この“マンションドクター”の原因究明の仕方に驚いた。
医療検査の場でしか見たことのない
あのケーブルの先についた内視鏡カメラをフル活用するのだ。

この内視鏡カメラにより、マンションの壁の内側の配管や
配線用の導線をスマホのようなモニターで
確認することができるという。

ということで原因は、エアコン活用時にでる水が
ドレンホースを通って本来の室外機横に
排出されていなかったということ。
この“マンションドクター”のお陰で原因も分かり
まずの対処もしてもらったわけだが…


【成熟化により社会課題は進化し、ビジネスも進化する!】

さてここで注目したいのは、このトラブルのお陰で知った
“マンションドクター”の存在。
この会社2012年創業というから、10年以上前からその需要は
次第に多くなり、営業所も全国に広がりつつあるという。

1964年の東京オリンピックが刺激となって、
東京集中が進み分譲マンションの供給が急速に進んだという。
その頃から約60年経過したことでマンションの数は増えに増え、
結果として建物の維持管理や老朽化、
住民間のトラブルといった複雑な問題が浮上。

そして資産としての価値を維持するためにも、
マンション管理会社が存在し、
専門的な知識や技術を持つ“マンションドクター”のような
専門家が求められるようになったのだ。
“マンションドクター”は、漏水・設備工事などの調査、
トラブル対応から、保険活用の対応も行ってくれるという。

このように社会の成熟化と共に課題の進化もあり、
それらへ対応する新たなビジネスが次々と生まれているわけだ。

環境問題への対策としての再生可能エネルギー事業の活性化も…
高齢化に対応した介護・医療サービスの進展も、
AI介護ロボット開発なども…
→もしかしたらAI自動運転もその流れ?!

健康維持のためのフィトネスクラブやヨガ教室なども…
→これら高齢化への対応は、世界に先駆けての
日本だからこその成熟化であり進化なのかもしれない。

↓ ↓ ↓

ということで、今後も社会の成熟化とともに
私たちのビジネスは更なる進化を遂げていくことだろう。
ビジネスを進化させていく役割の私たちとしては、
“すでに起こっている未来”を察知して、
どうビジネスに展開できるかということだ!

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内視鏡カメラをフル活用

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“マンションドクター”による原因究明&対処

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08/26
2024

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“いま選ばれるビジネス”から、 未来の人たちに選ばれるビジネスへ!

あなたは、この詩をどう感じる?!
ぜひ声に出して読んでほしい。

↓ ↓

あとからくる者のために
苦労をするのだ
我慢をするのだ
田を耕し種を用意しておくのだ

あとからくる者のために
しんみんよお前は
詩を書いておくのだ

あとからくる者のために
山を川を海を
きれいにしておくのだ

あああとからくる者のために
みなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
未来を受け継ぐ者たちのために
みなそれぞれ
自分で出来る何かをしてゆくのだ


この詩は坂村真民先生の
「あとからくる者のために」という詩。
鍵山秀三郎相談役であり、“日本を美しくする会”とも
関係の深い方の詩である。


【私たちの追求は、未来の人たちに選ばれるビジネスへ!】

このところ古稀を迎えたこともあり、
この坂村真民先生の“あとからくる者のために”の
ひと言一言がしっかり伝わってくる。

私たちのビジネスのそもそもは、自分や身近な人たちであり
限られた範囲の人たちのためだった。
ところが、時の流れと会社の成長とともに
その対象は少しずつ拡大され、
広い社会にも影響を与えることとなる。

経済的意味もあり、もっと多くの人たちに貢献できないのか?!
もっと相乗効果のある意味あるビジネスにできないかと…
会社の“存在理由”を考えるようになる。
これが“Why”であり、会社のパーパス。
そしてその思いは、今の社会や人々のためから、
未来の社会であり人々のためへと移行する。

そう「あとからあとからと続いてくる
あの可愛い者たちのために、未来を受け継ぐ者たちのために…」
となるのだ。

私たちは“今を共にする80億人”ではなく、
あとからあとからと続いてくる、“未来の80億人”のために
意味あるビジネスを展開する時代に差し掛かっている。

「ビジネスの達人」は“いま選ばれるビジネス”ではなく、
“これからの人たちに選ばれるビジネス”に
しなければならないということ。

パリ五輪でもセーヌ川の汚れの問題が取り沙汰されている。
「あとからくる者のために
山を川を海を
きれいにしておくのだ」

解決しなければならない社会課題はたくさんある。


【念ずれば花ひらく】

念ずれば花ひらく 苦しいとき 母がいつも口にしていた
このことばを わたしもいつのころからか となえるようになった

そうしてそのたび わたしの花がふしぎと ひとつひとつ ひらいていった
(真民が46歳の時、片方の目が見えなくなり
絶望の底にあった時に生まれた詩)

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坂村真民先生の詩から思いを馳せる

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07/29
2024

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「パリ五輪」のブランディングと我らが“文化資本経営”のブランディング

この7月27日、第33回の“パリ五輪”が始まった。
セーヌ川を各国の選ばれし選手たちが
船に乗って入場行進するという初の“船上パレード”により
雨の中ではあったが華やかにスタートした。

オリンピック・シンボルが飾られた輝くエッフェル塔に向かって、
6,800人のアスリートを乗せた85隻の船が
セーヌ川を約6キロにわたって行進する光景は、パリ市民はもちろん、
世界の人々の記憶に残るパレードとなるに違いない。
(今後パリを訪れる人々は、船でそのコースを辿りたいはず!)

さて、この“ビジ達”の発信のタイミングには…
柔道では、すでに角田選手に続き阿部一二三選手が金メダルを獲得。
(So Good!私の中では予想通りの結果ではあったが…
まさか阿部 詩選手が泣くこととなるとは?!)

男子の永山選手は不可解な判定により準々決勝で負けたが、
敗者復活戦によりどうにか銅メダルを獲得した。
(私も柔道アスリートの現役時代は、この永山選手の60キロ級だった)

ということで、今日試合予定の選手たちが
どのような戦いを見せてくれるかワクワクしてしまう。

さて“ビジネスの達人”としては、
そんなメダル獲得の有無を取り上げ一喜一憂したいわけでなく、
今回のパリ五輪の主張するシンボルマークであり
ブランディング展開について発信したいのだ。

パレードも記憶に残るが、空中に浮かび上がる“バルーン聖火台”。
電気だけを用い五輪史上初めての燃料を使わない聖火台。
直径7メートルの台座から霧状にした水と光で
炎を演出しているという。
この意味を持っての幻想的演出も、私たちの記憶に残ることだろう。

ということで、さまざまな演出でありデザインにより、
パリ五輪はParisでありフランスのブランディングを意識した
展開がされているということ。


【パリ五輪の“マリアンヌマーク”によるブランディング!?】

そこで、私のお気に入りの大会の“マリアンヌマーク”について。
聖火の炎に口らしきものを入れるだけで
こんなにも雄弁なマークになるとは?!

パリ五輪組織委員会によると、このマリアンヌマークは
“シンプルでありパワフルである”
三つのシンボルによって構成されていると。

【その1】スポーツのシンボルとしての金メダル

【その2】五輪とパラリンピック運動の象徴である聖火

【その3】フランスのイメージであるマリアンヌ

これらのシンボルは、人々を五輪の中心に据えるという
われわれの思いを具現化する顔を示している。

ということで2024年パリ五輪のシンボルマークは、
その緻密なデザインと深い意味によって、
スポーツの祭典が持つ壮大なビジョンを映し出していという。

まず、“金メダル”は勝利のシンボルであるだけでなく、
アスリートたちが目指す頂点であり、その努力と献身の報酬。

次に“聖火”はオリンピックとパラリンピックの運動そのものの象徴。
聖火は古代オリンピックからの伝統を受け継ぎ、
平和、連携、共生の思想を表している。

そして、フランスの象徴である“マリアンヌ”は、
自由と平等、そして博愛の精神を表現している。
ちなみに私は、ドラクロアにより描かれたフランス国旗を掲げた
『民衆を導く自由の女神』を思い出すわけだが…

↓ ↓ ↓

というように、シンボルマークはもちろんだが
パリ五輪はさまざま意味でブランディングを意識した展開が 
されているということ。

オリンピックはまさに“文化資本経営”の
象徴のようなものなのかもしれない。
これからの時代、“文化資本経営”を実践することも重要だが、
それをどう表現して発信していくのかも重要ということだ。

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パリ五輪の“マリアンヌマーク”

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