01/26
2026
『“働く”を問い直す~誰も取り残さない組織開発~』 勅使川原真衣著
働き方が大きく変わりつつある今、
ふと立ち寄ったいつもの丸善本店で、
平積みされた一冊の本が目に留まった。
『“働く”を問い直す~誰も取り残さない組織開発~』
そのタイトルに導かれるようにページをめくると…
「なんで自分ばっかり・・・・」
「どいつもこいつも使えない」
こんな声がはびこり、職場がギスギスする…
そこには、今まで漠然と感じていた職場の閉塞感の正体と、
その解決策が明確に示されていたのだ。
昭和に創業した私としては、すでに何度も
働き方の変化を目の当たりにしてきたわけだ。
ミレニアル世代、Z世代が中心となって働く
この令和のビジネス環境においては、
働く意味も含め大きく変わっていくのは間違いないだろう。
この働く環境を見直し、人間関係を改善することは、
人材不足が深刻化する現代において、
例の“短時間正社員制度”の導入と同様に
離職率の低下に繋がり、
長期的な人材育成にも貢献するはず。
【求められているのは“古い能力主義”からの脱却!】
本書の核心は、組織を蝕む“古い能力主義”からの
脱却にあるという。
多くの職場で蔓延する“ギスギスした空気”や“誰かへの不満”。
著者はその原因を個人の性格や能力不足だと言っていない。
誰もが“ちゃんと”やろうとしているのにうまくいかないのは、
一元的な“正しさ”や“優秀さ”という物差しで
互いを評価し合っているからだと説いている。
“能力がある=優秀”という椅子取りゲームの中で、
他者を承認できなくなっている構造こそが問題だと。
全員が当事者となり、互いの“持ち味”を活かす組織開発こそが、
疲弊した現場を再生させる鍵となる。
では、私たち中小企業の現場では、具体的にどう対処すべきか。
大企業のような潤沢なリソースがないからこそ、
本書の視点はより重要となる。
1.“スーパーマン幻想”を捨てる
“優秀な人材さえ採れれば解決する”という幻想を捨てること。
採用難の今、万能な人材など来ない。
今いるメンバーの手持ちのカード(持ち味)を
どう組み合わせれば戦えるか、という発想への転換が急務。
2.“犯人探し”をやめる
トラブルが起きた時、“誰が悪いか”ではなく
“なぜその構造になったか”を問う。
個人の能力不足に見える問題も、実は業務フローや
情報の目詰まりが原因であることが多い。
人を責めず、仕組みを疑う文化を作るべき。
3.“弱さ”の開示を許容する
中小企業は属人化しやすい。
だからこそ、“これが苦手”“今は手一杯”と言える関係性がないと、
一人のパンクが組織全体の致命傷になる。
互いの凸凹を認め合うことは、リスク管理そのもの。
4.雑談を“業務”と捉える
効率化を急ぐあまり、雑談を悪としていないか。
本書が示唆するように、関係性の質が結果の質を変える。
意図的な“余白”の時間こそが、
ギスギスした油切れの組織に潤滑油をもたらす。
錆びついた固定観念を落とせば、組織は必ず再び動き出す。
↓ ↓ ↓
人は部品ではなく、感情を持った生き物。
“使えない”と切り捨てる前に、
その人の“持ち味”が輝く場所を私たちが用意できているか?!
まずは目の前の部下や同僚を、能力という物差し以外で
見つめ直すことから始めてみては?!
















