これからの選ばれるビジネス!

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目からウロコのおすすめ本

06/20
2022

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“日本を美しくする会”会報誌「清風掃々」

今、私の手元に“清風掃々”第41号がある。
これは“日本を美しくする会”の会報誌。
表紙のタイトル“清風掃々”には
「この時、この場所、このご縁、よりよく、美しく」
とショルダーコピーがある。

「清風掃々」の表紙をあけた2ページ目に、
初めてこの広報誌を手にする人のことを考え
以下のような会の理念が毎号書かれている。
この理念こそが、この“日本を美しくする会”の存在意義だ。

改めてここで紹介させてもらうと…
【日本を美しくする会の活動理念】
「掃除を通して心の荒みをなくし、
世の中を良くすることが私たちの心願です。」

「人は、いつも見ているもの接するものに心が似てきます。
目の前の汚れたものをきれいにしましょう。
特に人の嫌がるトイレをきれいに磨くと、心もきれいになります。
トイレ掃除は『自分を磨くための』一番の近道で確実な方法です。
すべては一人から始まります。
家庭や学校、職場、地域で、一人からでも掃除を始めましょう。
そして仲間を増やしましょう。
掃除をする人は汚さなくなります。
『一人の百歩より、百人の一歩』。
人々が毎朝一斉に身の回りを掃除したら、
日本中に心地よい風が吹き、穏やかな一日が始まります。
そうなれば人々の心が美しくなり、
日本はそして世界はかならず良くなります。」

いかがだろうか。
これがこの会の創始者であり、相談役の
鍵山秀三郎氏の思想でもあるのだ。
さて、手元に届いたばかりの清風掃々41号の
コンテンツのいくつかを紹介しよう。

【その1】講演会レポート
2月に認定NPO法人「日本を美しくする会」の総会があり、
その時のゲストスピーカーが野口健さん。
野口さんは、ご存知のようにアルピニストとして
数々の記録を打ち立てた人。エベレスト、富士山の
清掃活動も行っている。外交官の父から、
「ものごとのB面を見よ」と小学生の頃、現地のスラム街で
教えられた話などを4ページに渡り紹介。

【その2】特集として紹介されていたのが…
“忘れがたき日々、あれから十年”として
2011年の東日本大地震により掃除の会が中心となり結成された
“東日本救援隊”のレポート。

【その3】“教育と清掃”をテーマに
掃除を授業として取り組む新宿調理師専門学校を紹介
【その4】“SDGsと経営”として
【その5】シリーズ“SDGsコーナー”
【その6】シリーズ 鍵山秀三郎「一日一話」(PHP研究所)から
他にも“ひとり掃除の喜び”、“ちいき通信”定例の
全国の掃除の会や掃除人の紹介、そして川柳コーナーもある。

どうですか?読みたくなったでしょう!
昨年この“清風掃々”をwebマガジン化したので
ぜひこのWEBサイトをみてほしい。
清風掃々webマガジン “ONE by ONE”はこちらです。↓
https://www.souji.jp/webmagazine/


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会の理念が毎号書かれている

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06/06
2022

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ウォーレン・バフェットの「仕事と人生を豊かにする8つの哲学」桑原 晃弥著

投資家として紹介されることが多い
ウォーレン・バフェット氏(91)。
バフェット氏がCEOを務める
“バークシャー・ハサウェイ”という会社を知っているだろうか!?

世界の時価総額ランキングを見ると、
毎回ベスト10に出てくるのがこのバークシャー・ハサウェイ社。

この4月のランキングで見ると
1位がアップル、サウジアラコム、
マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、テスラ、
そして7位に“バークシャー・ハサウェイ”だ。

ここ数年、GAFAMが上位を独占する中、
バークシャー・ハサウェイも常にランクイン。

私がバフェット氏でありバークシャー・ハサウェイ社に
興味を持ったのは、GAFAMの株価が気になりだしてからだから
もう3年は経つだろうか。

このところは日本のメディアでもバフェット氏が
紹介されることも多くあり、
世界にその名声が高まった今、
どうやってここまで財を築いたのか気になるところだ…

その裏付けとなるのが
バフェット氏のモットーを著者(桑原晃弥氏) なりにまとめた
“仕事と人生を豊かにする8つの哲学”だ。

今回紹介する理由もバフェット氏の多くの言葉は、
“投資家“というより、
私たちにも当てはまる汎用性ある言葉だからだ。

激しい時代の変化の中では、
“時代遅れ”と揶揄されることもあったというが、
それでもバフェット氏は“原理原則”や“良き習慣”に忠実だったという。

◆以下が紹介されていた“8つの哲学”
1. バフェットの見方 「短期ではなく“圧倒的長期”でものを見る」
2. バフェットの考え方「周りの声にまどわされず、自分の頭で考える」
3. バフェットの守備範囲「自分の“能力の輪”を決して出ない」
4. バフェットのリスク対策「原則は“損をしない”こと」
5. バフェットの習慣「一度身につけたルールはぜったいに守り抜く」
6. バフェットのお金のルール「毎年着実に成果を上げ、社会に還元する」
7. バフェットの時間管理「決して無駄遣いせず、使うべきところには徹底的に」
8. バフェットの自分磨き「良い人生はお金では買えない」

8つ目の哲学の後に書かれていたバフェット氏の言葉を
もうひとつ紹介すると
「成功も幸せも、一夜にしてならず」

成功と幸せのどちらも手にしたいなら、
自ら信念を打ち立て、それを貫き通すこと。
自ら原則を設け、それを守り抜くこと。
理想のために、努力を惜しまないこと。

とにかく“自分のルールを徹底することが大事”
ということをバフェット氏は語っている。

もちろんこれらのモットーから投資に対する考え方も学べるが、
私たちが“どう生きるべきか”にも通ずるところが多くある。

これを読んで思い出したのは私の座右の銘。
「美しく、生きる」である。

この言葉は10年以上名刺の裏側に書かれていたのだが…
この言葉は私自身の行為行動を戒めるためのフレーズ。
これら自分の価値観を常に貫き通せるかということだろう。

世の中には“成功の法則”や
“こうすれば儲かる”などの本やYouTubeが溢れているが、
バフェット氏はこの著に書かれている8つのモットーを
90年以上(?)貫いた結果が現在の資産であり、
みんなが期待する企業になり、人物になったということだ。

やはりアメリカでも日本でも、いやこれまでもこれからも
私たちのより充実した生き方の価値観は変わらないということ!?

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バフェット氏の“8つの哲学”とは

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04/18
2022

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1973年公開の映画『ソイレント・グリーン』は2022年の物語だった!

先日、とあるバーで、若い人と未来の可能性の話になり、
『ソイレント・グリーン』という映画の話題になった。
その場でググってみると、この映画は、1973年に公開された
アメリカ映画で、その設定は2022年!
ちょうど今年だと気がついたワケ。

私的には『ソイレント・グリーン』と手塚治虫氏の『火の鳥』が
未来をシミュレーションする上で
参考とする物語で、度々話題にするタイトル。
とにかくインパクトが強く記憶に深く刻まれている。

ストーリーは、2022年、環境破壊と人口増により
一部の特権階級と多くの貧民とに二分された世界
になっている。
そして多くの貧民は、ソイレント社が作る
“海のプランクトンが原料とうたっている合成食品”の
配給を受けて細々と生き延びていた。

ある日、この映画の主人公のニューヨークに住む
ソーンは、同居人の老人が
「ホーム(=公営安楽死施設)」へ行ったことを知る。
(安楽死施設があるという設定には驚いた!)
ソーンは同居人の遺言にしたがい、亡骸を追跡すると、
多数の死体がトラックでソイレント社の工場に運び込まれ、
人間の死体から“ソイレント・グリーン”が生産されている
事実を突き止める。
(この設定にも驚いた!)

そして、エンディングは「海もプランクトンも絶滅だ。
ソイレント・グリーンの原料は人肉だ!」とソーンが
叫びかつての地球の自然の映像と
ベートーヴェンの交響曲第6番“田園”が流れている・・・。

約50年前に創られた、“2022年の悍ましい世界”の物語だ。
この映画のテーマは環境問題と格差社会で、
これらの問題は現実に進み続け、
今やその止め方はわかっていない。
50年後の今、物語の背景は違っているが、
SDGsの取組みにあるように環境問題と格差社会が
社会課題であることは同じである。

映画の設定では2022年の人口は
70億人だが、実際に現在は80億人。
今後120億人まで増えるというがその後は減少に転じる
と専門家は言っている。
環境問題は産業革命以来、経済優先でCO2を排出し続けた結果、
気候変動を起こし、さまざまな次なる社会課題へと派生している。

先にも紹介した手塚治虫氏の『火の鳥』だが・・・
その結末に近いところでは、
それぞれの地域を治める国(都市国家)では、
その最終の判断は人間ではなくAI(人工知能)に
委ねられていたのだ。
ということで、各都市国家のAIのちょっとした
ミスジャッジから互いに水素爆弾(原子爆弾)
のボタンを押してしまうことに・・・。

そう“シンギュラリティ”なる言葉を度々
耳にしていると思うが、
“人工知能”が人類の知能を超える転換点のこと。
それほど遠くない将来にやってくると言われている。
そう考えると、手塚先生の50年以上前のこの発想も、
将来十分起こり得るということ。
やっぱりこの2つのフィクションは十分これからを
暗示しているのだ。

そんな背景の中で、この期に及んで、戦争をしかけるとは・・・
こまったものだ!?

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環境問題と格差社会がテーマの映画

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02/28
2022

book

『人新世の「資本論」』 斎藤幸平著

『人新世(ひと・しんせい)の「資本論」』は2020年9月発行の本で、
新書としては異例で、既に40万部突破している。
私は発刊されてから数ヶ月のうちに買い、
持ち歩いていたが・・・なかなか読み進まない本だ。
(難しいがわかりやすい本なのだが・・・)

ビジ達でもたびたび紹介している大里綜合管理では、
100冊購入し、社員はもとより関係者にも配布したという。
この3月には斎藤幸平氏を大網白里市にお呼びして
講演会をするという。(私も楽しみにしている)

中島流に書いてあることを勝手に解釈すると・・・、
この本のテーマは温暖化対策と
地球規模の社会課題に対してどう対処していくのか?だ。

250年くらい前の産業革命以降から始まった
先進国中心の経済活動は地球に大きな影響を及ぼしてきた。
それが気候変動や環境問題へと発展していったと言い切る。
資本主義社会が到来して以降、資本が資本を呼ぶ構造は
人の資本増加への欲望を肥大化させ、地球環境や社会問題を
ないがしろにさせてきた。
だから今、ここで、資本主義の見直しが必要だと書いている。

今、環境負荷軽減目的で推進されようとしているのが
経済成長と気候変動を切り離す“デカップリング”という考え方。
具体例で言えば、電気自動車の普及や、プラスチックを使わず
自然に戻れる素材に置き換える発想のこと。
しかし、斎藤氏はこれだけでは温暖化は止められないと述べている。
なぜなら、経済成長が順調に伸びていくと結果的に
資源の消費量は増大する。結果として二酸化炭素排出は
抑えることは可能だが、削減までは困難だと。

ここで斎藤氏が“新しい資本主義”として提案しているのが、
“脱成長コミュニズム”の提唱。
中島の解釈では、資本であり事業展開を
マクロ的に管理していくやり方で、
共産主義に近い発想。(私もこの案に賛成だが・・・)

そこで私からのかなり身勝手な提案。
このままの資本主義で“SDGs”を掲げ進んで行くか?
(温暖化は止められないと思うが・・・)
斎藤氏の言う“脱成長コミュニズム”で行くか?
地球の総人口78億人のうち12歳から70歳までの約50億人と
未来のまだこの世に生まれていない50億人の合計100億人で
多数決をとろうではないか!
(未来の人にどう参加してもらうかは問題だが・・?)

現実に困難な提案であることは承知しているが、
私が言いたいのは、この判断を現在、存在している人たちだけで
してしまっていいのだろうか!? ということ。
当然、未来の人たちのほとんどは地球環境が破壊され、格差拡大する
資本主義はすぐにやめてくれという方を選ぶだろう。
ということで、“脱成長コミュニズム”が選択されるという推測だ。

今、真剣に未来に向き合い考えないと、
このツケは必ず未来にまわされる。
肝心なのは、孫子とその先の代のことまで考えて、
“今をどう選択するか”ということ。
とにかく・・・いろいろな発想や考え方をシミュレーションできる
『人新世の「資本論」』だった。

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本書では“新しい資本主義”が提案されている

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12/24
2021

book

『そしてバトンは渡された』瀬尾まいこ著  “私には5人の父と母がいる”

この本は2019年、本屋大賞受賞の本で、
私も2年半以上前に読んだ。
今回、「目からうろこのおすすめ本」としての紹介だが、
“目から涙のおすすめ映画”と言った方がいいかもしれない。

先日、この本を題材にした映画を観てきたということ。
本も本屋大賞受賞で話題になったのだが、
映画になっても注目されていると知る。
既に興行収入は公開7週目で15億円を突破し、
映画賞も受賞しはじめている。
これから発表される様々な映画賞でも
期待されている話題の映画だ。

本当に映画の後半では、涙が出て・・・
というより何度もティッシュで鼻をかんだ。

この映画は、
永野芽郁さんが主人公。
田中圭さん、石原さとみさん、と3人が主役と言っていいと思う。
他に「私の家政夫ナギサさん」の大森南朋さん、
そして市村正親さんも出演した豪華なキャスト。
副題の“私には5人の父と母がいる”意味は、
一人の母役が石原さとみさん(産みの母ではない)
もう一人の母は写真だけの登場
一人の父は大森南朋さん(本当の父)
市村正親が途中で父親になり、
ずっと主人公役の永野芽郁さんと関わって
いたのが田中圭さんで、この3人が父親として存在。

映画はただ感動するというだけではなく、
“家族の有り難さや大切さ”がわかる映画だった。

実は、私も片親で育った。
母親が実家に戻り、祖母、おじさんおばさん、
従兄弟と生活。
7人家族で、いろんな人に育ててもらった記憶が。
実の親だけではなく、いろいろな立場の家族と、
コミュニュケーションを取り、成長させてもらった。
そういうこともあり、この映画がよくわかるのだ。

2016年の本屋大賞第二位の、『君の膵臓を食べたい』も
しばらく前に映画化もされ、これも涙をたくさん流した記憶が。
本屋大賞は書店の店員さんが読んでもらいたい本を
投票するので、直木賞や芥川賞よりも、ポピュラー性があり、
身近で楽しめる本が多い。
私自身、小説はあまり読まないが、ときどき手にする小説は
本屋大賞受賞作のものが多い。
受賞作が映画化されることも多く、
原作をどう表現するのかという楽しみ方もある。

『そしてバトンは渡された』の映画は
本の良さをうまく再現し、より盛り上がるように演出されていた。
(最後の方でたたみかけるどんでん返しが・・・)
たくさんの試行錯誤を重ね、名優が出演したことも
多くの人への感動につながったのだろう。
たくさんの涙を流したけど、気分はよくなる映画だった。
“目から涙のおすすめ映画”のお話でした。


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本も映画も話題の作品

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