07/16
2013
十勝スイートピアガーデンの集客力
ある日、新聞を読んでいた時のこと。
おっ! 私の出身地・十勝が取り上げられているじゃないの!
う~ん、この場所なんだか見たことがある…と思ったら、
人気お菓子メーカー・柳月が十勝に展開している
「スイートピアガーデン」ではないか!
柳月は北海道・十勝のお菓子メーカーとして、
六花亭と並ぶ地域の人気店だ。
確かなおいしさときめ細やかな接客サービスから、
観光客以上に地元住民に愛され続けている。私も何度も訪れた。
1階が店舗、2~3階が工場、4階が本社オフィスという
構成になっているスイートピアガーデンでは、
買い物だけでなくお菓子づくり体験や工場見学も楽しめる
(おまけにあずき茶が無料で飲み放題なのだ!)。
さらに、レア商品の購入もできる。
柳月の人気商品の1つに、白樺を割った薪のような
バームクーヘン「三方六(さんぽうろく)」がある。
工場ではそのバームクーヘンの切れ端を安く販売しているため、
開店1時間前から大勢の人が並び、
あっという間に売り切れてしまうという。
つまり、すでに相乗効果が発揮される
店舗づくりがされているということ。さすがだ!
スイートピアガーデンは、帯広の市街地を抜けて
車で20分ほど走った場所にあるため立地がいいとは言えないが、
連日大勢のお客さまで賑わっている。
その数なんと、年間60万人(!)だとか。
しかし、柳月のメインターゲットは観光客ではなく、地元住民なのだ。
柳月のお菓子に使われているあずきや小麦粉、
砂糖の原料となるビートに至るまで、
ほとんどが北海道産を生かしている。
まさに“地域に還す”という意識の表れだろう。
材料もさることながら、パティシエたちの
確かな腕前が物語る味も人気の理由だ。
柳月で技術を学び、世界的な賞を受賞した腕前の
パティシエたちも在籍している。
世界に通用する腕を持ちながら、
“地域の人においしいお菓子を食べてもらいたい”という
純粋な気持ちで、アイデアや技術力、
職人技を生かしたお菓子づくりをしている。
この地域と共に、地域のためにという意識が、
地元に多くのファンをつくることに繋がっているのだろう。
やっぱりこれからの時代、末永く選ばれるためには
地域の文化と産物を生かしていかなくては!