07/08
2013
ソーシャルビジネスの引力
動物と植物の両方の特徴を併せ持つ
“ハイブリッド”ともいうべき微生物「ミドリムシ」。
59種類もの栄養素を生み出し、
光合成により二酸化炭素も吸収。
なんと“バイオ燃料”にもなるというのだ。
まさに、「食料・栄養問題」「地球温暖化」
そして「エネルギー問題」という
世界を悩ませる大問題を一気に解決する生物といっていだろう。
そんなミドリムシの大量培養を世界で初めて確立したのが、
出雲充社長率いる株式会社ユーグレナだ。
上場までの約10年間。
ここまで株式会社ユーグレナが成長できた理由は、
いったいどこにあるのだろうか。
そもそも出雲社長が、ミドリムシに注目し始めたのは東大時代のこと。
後輩である天才研究者 鈴木健吾氏との出会いがはじまりだったという
(この出会いが、その後の大量培養の成功に大きく関係することになる…)。
また大学卒業後は、
営業のプロフェショナルである福本拓元氏との出会うことに。
そこから、これまでミドリムシの研究者たちが
貸してほしくても無理だった、
大量培養用のプールを借りることに成功。
その後も次から次へと
巨大な試練が立ちはだかることになるのだが、
いろいろな人との出会いが、
出雲氏を次なるステージへと導くのだ。
そして、少しずつ少しずつだが、
人との出会いがさまざまな企業との支援にもつながっていくことに。
と、ここまで語った中でも既に何人もの方が、
出雲社長の志の深さに手を差し伸べてくれている。
その理由は、紛れもなく“ミドリムシ”というテーマに
社会性があり、出雲社長の志に覚悟・徹底があったからだろう。
「この世に、くだらないものなんて、ないんだ。
いま自分が取り組んでいる小さな仕事に、
世界を変える大きな意味がある」
10年にわたって真剣にミドリムシと向き合い、
自分のためではなく社会のために、
いや地球のために取り組んできた出雲社長であればこそのメッセージ。
すなわち、ビジネスにおいて社会性は最重要であり、
自分たちの仕事や理念の中に明確に
この“ソーシャル性”を打ち出すことが、
ここぞという時に協力者を出現させることになる。
まさにこれからは“ソーシャルビジネス”の時代。
ソーシャル性×<覚悟・徹底>にこそ、
人の協力を引き寄せる“引力”を生むことにつながるのだ。
そういえば『海賊と呼ばれた男』のモデルである
出光興産 出光佐三氏も自分のためではなく、
日本や業界のために決断し、仕事に取り組んでいた。
その目的、志に対して多くの人が心動かされたのだろう。
やはり、これからの時代は社会性あるビジネス、
“ソーシャルビジネス”が求められている。
ソーシャルビジネスこそ地球を救うのだ!