07/01
2013
アメリカの“新陳代謝”
「アメリカの時代も終焉」。
これまでビジ達で、
アメリカの覇権であり経済の中心についてそう語ってきた。
しかし先日、海外研修でアメリカを訪問して感じたのは、
アメリカはまだまだ“新陳代謝”が活発に行われていることだった。
確かにいま、安さだけを売りものにしていた
ウォルマートの勢いは鈍り、踊り場に入っている。
その一方で、ここ10年ほどで目覚ましい躍進を遂げているのは、
「ホールフーズ」や「トレーダージョーズ」、
「ウェグマンズ」といったスーパーマーケットだ。
これらの店の特徴は、安くてバリューがあり、
健康というテーマを感じさせるような
新鮮で美味しい商品ラインアップで、お客さまを満足させること。
そのことで、働いている社員もまた満足する店であるということ。
それを証明するかのようにこの3店は、
アメリカの経済誌『フォーチューン』の企画
「働きたい会社ベスト100」で上位にランクインされている。
これまでのアメリカのように、売り上げ規模や会社の知名度ではなく、
多くの人が「働きたい会社」であることが、その会社のステータスなのだ。
つまり、いまのアメリカも新たなビジネスモデルや、
次なる価値観の企業が次から次へと現れて来ているということ。
すなわち、アメリカはこれまでの価値観ややり方に
いつまでも頼って停滞しているわけではない。
次なる時代のため、お客さまから選ばれる価値観や
考え方が生まれて来ているのだ。
中島流にいえば“新陳代謝”が行われているということ。
さて、日本の新陳代謝はどうか。
日本はあらゆる業界で、国が援助や助成金を行っている。
しかし、それが淀みを生む原因になり、
うまく新陳代謝が行われていないように感じる。
ベンチャーのエネルギーが、アメリカほど感じられないのだ。
度々、私が語らせていただいていることだが、
日本はいま新たな時代を迎えようとしている。
そのなかで生き残っていくためには、
自然に新陳代謝が行われるような環境をつくらなくてはいけないだろう。
そして、日本独自の価値観や考え方を活かしたビジネスが
新たにあちこちで生まれてくることを期待する。