08/10
2015
ワイン産業の行方から読む!
先日、仲間と2人で神楽坂のワインバーで飲んでいたときのこと。
お店のスタッフにワインの試飲を勧められたのだが、
これが非常に美味しかった。
ラベルを見て見ると…
なんとニュージーランド産(思わず買ってしまった)!
ワインの産地と聞くと、生産国一位のイタリアや、
フランスあたりを思い出すことが多いが、
このニュージーランド産ワインのように、
いまやさまざまな国や地域でワインはつくられているという。
そういえば、30年前に飲んだカルフォルニアワインは
安くて量が多かったことを思い出した
(味はイマイチだったが…)。
また、5、6年前にナパで飲んだ
ブランドワインの「オーパス・ワン」は、
当時でも一杯約35ドルもしたのを覚えている。
もちろん、カルフォルニアだけではない。
最近では新しくカナダ産ワインというのも
注目されているという。
他にもポルトガルやブルガリア、
ハンガリーやオセアニアなどなど。
あ! 南アフリカのワインを口にする機会も増えた。
う~ん、そう考えただけでも
かなりの国でワインはつくられているということだ。
では、もともとイタリアやフランスを中心に
飲まれていたワインが、何故ここまで世界中で
飲まれるようになったのだろうか。
私が思うに、先進国から新興国への事業拡大による
ワイン文化の広がりが関係しているのではないだろうか。
というのも、先進国で培われたワイン産業は、
その国の醸造家たちが新興国にて安い労働力を活かして
大量生産することでビジネスを広げた。
それに伴い、新興国ではその土地の富裕層が
ワインを飲むようになり、ワイン文化が広まっていったのだろう。
中島流では、この現象を
“地球規模の成熟化”と呼んでいる。
この成熟化によって、
ワインは一部の国だけの飲み物ではなく、
世界で飲まれるものとなったのだろう。
しかしこの“成熟化”、
一見すると良い現象のように思えるが…。
ワインに限らず、先進国で育まれた文化・産業
(食事や衣類などあらゆるもの)が、
地球規模で成熟化していくと、
さまざまな国で似たような価値観・消費の趣向が広がるのだ。
そうなると、需要と供給のバランスが崩れ、
本来必要としている国や地域に供給されなくなってしまうことも。
値段の高騰はもちろん、品不足となり、
ある地域では生活文化が変わらざるえなくなるところもあるだろう
(現在の国際的な和食ブームによる、マグロの品薄も同じことだろう)。
このように、一部だけ見ていては
それが本当に良いモノ・コトなのかは分かりづらく、
俯瞰してみると見え方が変わってくることも多い。
ここまでボーダーがなくなりつつある現代においては、
ビジネスももちろん、地球規模にまで俯瞰して
考えていく必要があるは当然となるのだ。
まさに“Think Global Act Local”ということ。
と、ニュージーランド産のピノワールを楽しみながら、
今後のビジネスの在り方について考えていたのだった…。