これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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はなまるア・ラ・カルト

01/04
2016

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開墾のはじめは豚とひとつ鍋

北海道を代表する菓子メーカー「六花亭」。
代表するお菓子の一つに
「ひとつ鍋」という最中がある。

鍋の形をした最中の中に、
美味しい餡と餅(求肥)が入っている
人気商品なのだ(私も馴染み深い)。

この「ひとつ鍋」という商品名は、
“十勝開拓の父”とも呼ばれる
北海道開拓者・依田勉三(よだ・べんぞう)が詠った
「開墾のはじめは豚とひとつ鍋」という句に由来する。

勉三が北海道にわたったのは1881年のとき。
当時、開墾を目的として結成した「晩成社」を率いて
帯広市に乗り出した勉三らだったが、
開拓は困難を極めた。

句に登場する“ひとつ鍋”というのも、
当時の過酷さを示している。

ひとつ鍋とは、豚のえさを作るための鍋を指す。
鍋にくずのジャガイモやカボチャ、
くず豆やホッチャレ(味の落ちた鮭の身)
を入れて煮込んだものだが、
窮した状況下ではこれを酒のつまみ代わりにしたという
(個人的にはおいしそうに思えるが…)。

つまり、現在の北海道の姿になる前には
過酷な開拓時代があったということだ。

現在の北海道は「日本のフードバレー」だなんて
言われるほど多くの名産品や特産物がある。
だが、それらは多くの困難の中で開拓を進めた、
当時の開拓者たちの支えがあってこそということだ。

他にも、北海道で早くから行われた取り組みで
全国的にも有名なのが十勝ワイン。

ビジ達でも紹介した池田町では
ワイン産業(?)が盛んだが、
かつては産業が乏しく、ワイン事業は当時の
丸谷金保(まるたに・かねやす)町長を始めとして、
町民全体で取り組んだ一大プロジェクトだった。

寒冷地で育つブドウを研究開発して
安定したワインが作れるまで
多くの歳月を必要としたという。

北海道の開拓に勉三が挑んだ約70年後、
ワイン産業への挑戦を決意した丸谷町長。
さらに60数年後には、
私が「十勝(芽室)ワインヴァレー構想」へ
挑戦しようとしている。

もちろん、このワインヴァレー構想も
一筋縄ではいかないだろう。

だが、先達たちが築いてきた
環境の中でスタートができること、
勉三と丸谷町長お二人の
背景と覚悟の程を考えると
成功する可能性は高いと言える。

“ひとつ鍋”のような困窮した状況でも高い志によって
現在の北海道の土台を創った
当時の開拓者たちには本当に頭が下がる思い。

その頃に比べれば、ず~~っと条件は
揃っているわけであるが…。
とにかく、あきらめないしつこさも必要なことだろう。

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ひとつ鍋から感じる歴史

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壁にあの句が!

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おいしそう~

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美味しい豚丼の店にも…

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01/04
2016

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2016年“ヒューマン効率”の時代へ

“ヒューマン効率”。
あ~~懐かしい!と思ってくださる方もいるはず。
拙著『儲けないがいい』で著した中島流の造語だ。
もちろん、このビジ達でも何度もご紹介した。
「経済効率」に対しての“ヒューマン効率”なので、
経済の物差しではなく、
人々にとってよいものかどうかがその基準となる。

新年早々、なぜ“ヒューマン効率”なのか?
と問われれば、2016年こそ“ヒューマン効率”の時代が
幕を開けるから!とお答えしたい。

思えば、2015年中にいくつもご紹介した
ソリューションビジネスも、その表れだろう。
例えば株式会社ユーグレナのミドリムシは、
そもそもバングラデシュの栄養失調の人たちに向けて開発された。
ところがそれはジェット燃料になり、
化石燃料の使用量を減らせるようにもなった。

他にも “里山ビジネス”で高齢者のやる気を復活させた、
長野県伊那市の『産直市場グリーンファーム』。
美味しい野菜をはじめ、
手間暇かけた手作りの品なども販売すると、
どんどん売れてしまうというのだ。
その売れ行きを見た生産者=高齢者はますますやる気を出し、
商品にはもっと磨きがかかり、
地域はどんどん活性化していくという流れ。

そうそう、これこそが“ヒューマン効率”。
「人」を中心にした発想から、
意義あるビジネスが広がっているのだ。

そもそも売買の行為の根底には、
原始的な物々交換が存在していた。
物の値段が高い、低いということにこだわらず、
純粋に必要とするものを手に入れていたというわけ。
いわば、“生活流通”ともいうべき物々交換のシステムが、
その地域と人をしっかりと結びつけ、
数字に表れない形で繁栄させてきたのだ。

“里山資本主義”を唱える藻谷浩介氏は、
このような行為はGDPなどの数値には表れず、
経済優先型の社会では無視されてきたと語る。
しかし、本来はこうした形が自然なものの流れであり、
地域の人間関係もいいカタチで進んでいくのだという。

私の尊敬する鍵山秀三郎相談役が行う
トイレ掃除や街頭清掃も、
経済効率の数値には表れないもの。
このような徹底した掃除や鍛錬は
経済効率には表れないものの、精神の成長や、
心身の健康を支えるものになる。

そして、このような鍛錬を続けることで、
人の“義”や“道理”が分かるようになってくるのだ。
すなわち、経済効率だけでは見えてこない大切なものが、
たくさんそこにあるということ。

たびたびご紹介してきた
“パラダイム75”でも述べてきた通り、
今は時代と時代の大きな過渡期に当たる。
このところソリューションビジネスが続々と現れたように、
日本全体が経済効率から“ヒューマン効率”へ
あらゆる面で切り替わっていくに違いない。

2016年はまさにその元年。
“ヒューマン効率”の時代が始まろうとしているのだ!

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75周期で変化するのだ

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人を中心にしたビジネスが広がる

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意義あるビジネスはこうして生まれる

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