01「中継輸送」
- ■ 深刻なトラックドライバー不足
- ■ 日本の物流を支えるドライバーの労働環境改善に期待
トラック運搬は日本の物流事業の6割を占めると言われる物流の要。しかし、ドライバー不足は深刻で有効求人倍率は2倍超えが続いている。そんなトラックドライバーの確保に向けた労働環境改善の仕組みとして特に長距離輸送で1つの輸送工程を複数のドライバーがリレーしながら担う『中継輸送』が注目されている。
トラック運転手には一定時間ごとの休憩と、勤務と勤務の間の最低8時間の休息が定められている。長距離輸送で宿泊を伴う場合、ドライバーは休息を車内で取ることとなり、家での休みやプライベートを確保することが難しいのが実情だ。中継輸送によりそれが改善されることで、人材確保・物流活性化が期待される。
【参考URL】
https://news.yahoo.co.jp/articles/bcd94fcd03bbbaac4cfa63e94fb2390b2d5493f3

02「親ガチャ」
- ■ 子供は親を選べない
- ■ 若者世代の閉塞感が表出
子供は親や家庭環境を選ぶことはできない。そんな”運”で決まってしまう人生を表す『親ガチャ』という言葉が注目を浴びている。自身の人生をおもちゃ売り場やソーシャルゲームの「ガチャ」に例えたものだ。
一見すると親のありがたみに気づかない「若者の不満」と切り捨てられてしまいそうな言葉だが、白熱教室で人気を博したハーバード大学のマイケル・サンデル教授が今年出版した『実力も運のうち 能力主義は正義か?』をはじめとして、いま世界で盛んに議論されている能力主義、自由主義への疑念。社会的成功は本人の努力ではなく、生まれ持った資質と家庭環境=運にあるという議論と、その本質は同じなのかもしれない。
【参考URL】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210924/k10013272271000.html?utm_int=netnewsup_contents_list-items_002

03「新型コロナワクチンパッチ」
- ■ 痛みがなく保存も容易な貼るワクチン
- ■ 早期商品化でワクチン接種促進に繋がるか
アメリカのノースカロライナ大学とスタンフォード大学が共同で、3Dプリンティング技術を活用した肌に貼るパッチ形式となるワクチン『新型コロナウイルスワクチンパッチ』の研究開発を進めていると発表した。
動物実験の結果、注射に比べ免疫反応が10倍大きいため、少量のワクチンで現在の筋肉注射と同等の効果が得られる可能性があるという。また、マイナス数十度の冷凍保存した状態での保管も不要となり物流面での利便性が飛躍的に高まる見込みだ。新型コロナだけでなく、インフルエンザや肺炎、はしかなど様々なワクチンへの転用も見込まれていて、これからはワクチン接種で痛い思いをすることもなくなるのかもしれない。
【参考URL】
https://news.yahoo.co.jp/articles/dc9ce0a204bec714f0b2be17f2dc387efc151666

04「Astro(アストロ)」
- ■ Amazon.comが開発した家庭用小型ロボット
- ■ 火の始末やペットの様子を確認する機能を搭載
近年、生活やビジネスの様々なシーンでロボット活用が見受けられるようになった。そんな中、Amazon.comが開発した家庭用ロボット『Astro(アストロ)』が話題を呼んでいる。第1弾となる小型ロボット「Astro」は、ユーザーの留守中にペットの様子を確認したり、台所の火の始末を確認してくれるという。小犬ほどの大きさで車輪によって駆動し、本体前方には2つの目を表示する小型ディスプレーを搭載。ボタン操作により内蔵カメラやマイクをオフしたり、立ち入れない部屋を設定できるなど、プライバシー配慮も徹底している。当初は米国で招待制によって販売し、2021年内に出荷を始める予定だという。生活に役立つだけでなく、少子高齢化などの課題解決ソリューションとしても期待される家庭用ロボット。今後の動向も注視していきたい。
【参考URL】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28E8O0Y1A920C2000000/

05「S Work車両」
- ■ ビジネスパーソン向けに行う、新幹線の新サービス
- ■ オンラインミーティングなどが可能に
コロナ禍の影響もあり、働く場所を柔軟に変化させる人が多く見られる。そんな中、東海道・山陽新幹線が、ビジネスパーソン向けの指定席『S Work車両』の運用をスタートした。「S Work車両」は、座席での通話を認めるほか、自他のPC打鍵音、オンラインミーティングの発声などは、「お互い様と許容していただく」といったルールを設ける。「のぞみ」号の全列車7号車に設定し、2022年3月31日まで運用テストを行うという。最新型車両「N700S」では、膝上クッションや簡易衝立、USB充電器などの貸し出しも開始される。さらにJR東海では、駅構内待合室でもビジネスブースを設置するなど、ビジネスパーソンへのサービス展開を今後も積極的に打ち出す予定だという。働き方だけでなく、移動時間に対する考え方にも変化が生じる時代となりそうだ。
【参考URL】
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2109/03/news045.html

06「自己治癒コンクリート」
- ■ コンクリートの損傷をバクテリアが修復する技術
- ■ 維持管理費の削減にも貢献
人間のけがや病気が自然治癒するよう、製品や構造物に生じた劣化が、手を加えずに修復される新技術があるという。
それは、コンクリート構造物のひび割れなどの損傷をバクテリアが自動修復する『自己治癒コンクリート』のこと。北海道を拠点とする會澤高圧コンクリートとアイザワ技術研究所が、世界で初めて量産を確立させたのだ。構造としては、バクテリアとその養分をコンクリートに配合し、ひび割れが生じるとバクテリアが活性化するよう設計。そのバクテリアが餌を食べて炭酸カルシウムを生成することで、劣化を塞ぐという仕組みだ。コンクリートの耐久性を維持し、メンテナンスが不要となるため、維持管理費の削減にも貢献できるという。こうした新技術が、社会問題による経済打撃を緩和する未来は、そう遠くないかもしれない。
【参考URL】
https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2102/02/news010.html

07「国内初「ゲノム編集」トマト」
- ■ ゲノム編集技術を使った、国内初の商品
- ■ 従来の品種改良と同様の安全性
昨年、ノーベル化学賞を受賞したゲノム編集技術の新たな手法。そこから世界中で普及していき、遂に『国内初「ゲノム編集」トマト』が一般発売を迎えた。
販売が始まったのは、ゲノム編集技術を使い、血圧を下げるとされる「GABA」を多く含むよう品種改良されたトマト。別の遺伝子を組み込むなどはしておらず、従来の品種改良と安全性は変わらないとして、厚生労働省に届け出をすれば流通できる。偶然の要素が強かった品種改良を効率よく進めることができ、健康促進以外にも、自然災害による被害を抑えるなど多くの活用法を見据えているという。既に国内では、毒のないジャガイモ、高収量のイネ、共食いしないサバなどの研究が進んでいる。こうした技術の拡大が、日本産業の発展に貢献してくれることに期待したい。
【参考URL】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB107EH0Q0A211C2000000/
