これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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時流度チェック

01「公共」

  • ■ 高校の必修授業に新科目
  • ■ 選挙権の年齢引き下げに伴い新設

選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことによって、日本の成人年齢が引き下げられる可能性がある。こうした社会背景を考慮し、文部科学省は2020年度にも小中高校で順にスタートする新学習指導要領について、高校に公民科の『公共』という授業を新科目として設ける案を公表した。
「公共」は、政治への参加意識を育み、社会で必要なことを学べる内容の授業科目のこと。高校生のうちから社会保障や契約、就労、結婚、納税などの社会知識を幅広く養うための実践的な授業として検討されている。この授業で社会知識を深めることで、若者の自立心を育み、社会参加の意欲を高める狙いがあるという。現行の「現代社会」の授業を廃止し、代わりに「公共」を必須科目にする予定となっており、「公共」は教育科目として可決されるのか動向が注目されている。

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02「ニューヨークバーバー」

  • ■ 「床屋」復権の兆し?
  • ■ 刈り上げの流行で増える理容店

かつて男性の散髪は「床屋」、つまり理髪店でするものと決まっていた。しかし、美容院のユニセックス化が進み、特に流行に敏感な若い男性は美容院で整髪するようになったため、理髪店は過去10年で1万店も廃業したという。そんな中、ツーブロックや刈り上げなどのショートカットスタイルが再流行したことから、『ニューヨークバーバー』と呼ばれる、おしゃれな雰囲気の理髪店が増えているのだ。
地肌が見えるほどの刈り込みには高度な技術が要求されるが、短髪の扱いをメインにしている理髪店ではそれが得意分野。「おしゃれな人こそ」と、理髪店が広まりつつあるようだ。じわじわと復権を遂げつつある理髪店。その7割が60歳以上の店主によって経営されているとも言われる中、技術伝承のきっかけとなるか。単なる流行に終わらないことを期待したい。

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03「リカレント教育」

  • ■ 主婦の再就職も支援
  • ■ 高度なスキルを身につける

近年、大学を中心に広がっている『リカレント教育』をご存知だろうか。リカレント(recurrent)とは“循環”や“回帰”という意味で、社会人が高等教育機関で再教育を受ける生涯学習制度のこと。職業上の新たな知識や技術を習得するため、専門的な教育を受けたいと願う社会人が多く、これに対し文部科学省は、大学などでの再教育を推進しているという。
この教育課程を設け、離職した女性の再就職支援で注目されているのが日本女子大学だ。生徒は主に主婦で、一年を通して英語やパソコン、履歴書の書き方などを学ぶ。同大学は勉学だけでなく就職先の紹介も行い、希望者の8割ほどが再就職に成功しているという。高齢であっても学校が身元の保証をするので、企業側も安心して採用できるそうだ。今後、少子高齢化が進んで人材不足に陥ると言われているが、リカレント教育を経た女性や中年層の活躍に期待したい。

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04「シブラク」

  • ■ 渋谷にオープンした寄席
  • ■ 若者に落語流行の兆し

伝統芸能といえば若者に人気がなく、継承者が少ないイメージを抱く人が多いだろう。ところが、2014年に渋谷にオープンした落語の寄席『シブラク(渋谷らくご)』が、若者を中心に人気を博しているそうだ。
近年は落語を題材としたドラマ・マンガなどが増え、落語を生で観たいと思う若者のニーズが増えていたという。ところが従来の寄席は所要時間が長く、初心者向けの気軽なものがなかった。そこで、現代人の生活に合わせた短時間のプログラムを組み、若手がトリを務めるなど、落語の常識を破った公演を行ったそうだ。その結果、施設オープンから僅か1年で観客の数は倍となり、若者と女性の割合も増加したという。また、現在の落語家の人数は過去最多で、シブラクは増え続ける若手を支援する役割も担っている。伝統を守りつつも常識に縛られない運営が、文化の継承をビジネスにするポイントかもしれない。

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05「近居」

  • ■ “近場に住む”という選択
  • ■ “ちょうど良い距離”が人気

核家族化が進んでいる日本において、結婚後に親との「同居」を考える人は少なくなっているという。そんな中、新たな考えとして『近居』という方法を選択する人が増えているそうだ。
これは、住居は異なるものの、日常的な往来ができる範囲に二世帯が住居すること。交通手段を問わず、お互いに10~30分以内の移動時間で行ける距離に住むことを指し、若い夫婦を中心に広がっているそうだ。両親の介護や育児の手助けの面を考え、「二世帯住宅」に両親と住む方法もあるが、高額な建替え費用や生活サイクルの違いから断念する人も多いという。その点、近居はお互いのプライバシーを守りつつ、何かがあったときは互いにすぐ頼れる距離にいるので、この“ちょうど良い距離感”が人気のようだ。近居をテーマにしたサービス開発も各社で進んでおり、今後ますます需要が高まることが予想される。時代と共に住居への価値観も変わりつつありそうだ。

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06「予防司法」

  • ■ 国際問題に専門家の助言
  • ■ 敗訴リスク低下が目的

国際的にも度々注目される日本の伝統文化の一つ「捕鯨(ほげい)」。国内外で賛否が分かれる捕鯨(調査捕鯨)は、実は2014年にICJ(国際司法裁判所)にて「科学調査」としてのデータが不十分という理由から敗訴し、1年近く活動を停止していた。
これを受け、今年2月、政府は国家間の法的紛争を処理するICJでの係争といった国際司法に『予防司法』を導入することを発表した。これは、法務省訟務局に在籍する検事や裁判官らが各省庁に法律的な立場から助言する仕組みのこと。国が相手の訴訟では、日本と各国の法解釈が異なる。そこで専門家から助言を受けることで、訴訟のリスク低減に繋げる狙いだ。今回の捕鯨以外にも、国家公務員の守秘義務や国有地明け渡しなど、国の政策に関わる問題でこの仕組みを取り入れており、すでに200件以上の相談があったという。国同士のデリケートな問題に対応するためにも、予防司法導入の効果に期待したい。

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07「アストロ-H」

  • ■ 日本のロケットが打ち上げ成功
  • ■ 日本名は「ひとみ」

2016年2月17日、17時45分00秒。ブラックホールなどが出すX線を観測する日本のX線天文衛星『アストロ-H (日本名:ひとみ)』が打ち上げに成功した。日本はX線天文学で世界をリードしており、アストロ-Hは6代目のX線天文衛星だ。アストロ-Hは前機「すざく」の最大100倍の感度を誇る最先端の装置が搭載され、今までは観測ができなかった宇宙の仕組みに迫る。
日本の主力ロケットは、今回の打ち上げで30回目の節目を迎え、成功率は96.7%と世界でも信頼性の高いロケットに位置づけられることになる。そのクオリティの高さから世界の市場からの受注もあるが、海外のロケットに比べてコストが高いため、更なる受注獲得にはコストを減らすことが目下の課題となっている。低コストでのロケット製作が実現されれば世界からの受注が増え、日本の宇宙市場もさらに活発化していくことだろう。技術国日本の今後の宇宙への挑戦に注目である。

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