01「クラシコム」
- ■ 融資を受けずに自らの手で上場を実現
- ■ スタートアップの事業拡大モデルに風穴
ECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営する株式会社『クラシコム』が8月に株式上場を果たし話題になっている。「北欧、暮らしの道具店」はwebマーケティングやwebメディア立ち上げに携わった人であれば、おそらく知らない人はいない有名サイト。ECサイトのコンテンツメディア化にいち早く取り組み、かつ事業として軌道に乗せた成功事例の代表格だ。上場が話題になっている理由のひとつが、2006年設立時の資本金800万円から一切の増資をせずに上場までこぎつけた点だ。通常スタートアップは多くの融資を受けながら、サービス・プロダクト開発や広告宣伝を行い事業拡大するが、クラシコムはD2C事業による17%という高い営業利益率と驚異的な広告宣伝費の少なさで年々成長を続け上場を果たした。自らの足で歩む新しいロールモデルとなるのかもしれない。
【参考URL】
https://www.businessinsider.jp/post-257130

02「メタバース工学部」
- ■ 日本の工学分野底上げにつながるか
- ■ 東京大学が”新学部”の設立を発表
東京大学がネットの仮想空間「メタバース」上に、工学に関する教育プログラムを提供する『メタバース工学部』の設立を発表。中高生や大学の工学部生に向けた「工学キャリア総合情報サイト」、産学連携で工学を学んだ後のキャリアを考え・体験する「ジュニア工学教育プログラム」、社会人や学生の学び直しを支援する「リスキング工学教育プログラム」の1メディア、2プログラムが核になるとのこと。ITとIoTが発達する現在、社会における工学分野のニーズは強いが、日本は遅れをとってしまっている。東京大学の知的資産がデジタル上に無料で誰もがアクセスできる形で公開されることで、より多くの人、より様々な環境・境遇で育った多様な価値観を持つ人たちが最新の情報に触れ、結果的にイノベーションの種が多く生まれることを期待したい。
【参考URL】
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/meta-school

03「弁当箱炊飯器」
- ■ 年間100点の新商品を世に送り出す
- ■ 世界最小の家電メーカーのスキマ狙い
社員数約50人の自称「世界最小の家電メーカー」サンコーが発売する『おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器』が16万個を超えるヒットになっている。一見すると普通の弁当箱だが、電源をつなげば14分で一人分(0.5合)のご飯が炊ける。一人暮らしで大きな炊飯器はオーバースペック、惣菜を買って帰宅してササッとセットすれば、着替えて荷物を片付けている間に晩ごはんの準備ができるというわけだ。
技術の発展でいろいろなことができるようになった今だからこそ、必要な人に必要な機能だけを提供する、「スキを突く」アイデアを次々と製品化することで、サンコーは独自のポジションを獲得している。顧客をよく知り、その人が本当に必要とするものをシンプルに解決する削ぎ落とされたプロダクト。まさに今の時代のビジネスと言えそうだ。
【参考URL】
https://style.nikkei.com/article/DGXZQOKC018AD0R00C22A8000000?channel=ASH05040

04「清走中」
- ■ 楽しみながら行うゴミ拾いが拡大中
- ■ 高校生が立ち上げたイベントが話題に
環境問題の中でも、ゴミ問題は地球規模で取り組むべき課題であり、日本でも早急な対応を迫られている。循環型社会の形成などが推進される中、誰もができる「ゴミ拾い」を楽しみながら行う活動が拡大しつつある。
「ゴミ拾い」と「ゲーミフィケーション」を融合させた、ゲーム感覚のゴミ拾いイベント『清走中』もそのひとつ。参加者がゴミを集めながらミッションをクリアし、攻略を目指すという内容で、街全体がゲーム空間となるような体験ができるという。代表の北村氏が高校2年生の頃に立ち上げたこのイベントは、長野県で11回開催され、延べ700名以上が参加。今後は、さらにクラウドファンディングで資金を募り、各地でイベントを開催予定だという。このような取り組みが広がることで、ゴミ問題に対する個々人の意識にも変化が生じそうだ。
【参考URL】
https://www.seisouchu.com/

05「モーダルシフト」
- ■ 環境負荷の低い貨物輸送への切り替え
- ■ ドライバー不足の解消にも寄与
2050年までにカーボンニュートラルを目指すことが宣言されたのもあり、各企業でも様々な取り組みが行われている。そんな中、トラック輸送が中心である物流業界で注目されているのが『モーダルシフト』だ。
「モーダルシフト」とは、貨物輸送をより環境負荷の低い、鉄道や船舶などの手段にシフトすること。1トンの貨物を1km運ぶ際の二酸化炭素排出量は、船舶ではトラックのおよそ6分の1、鉄道では11分の1の数値となるという。さらに、深刻化しつつある物流業界のドライバー不足も、大量輸送による効率化で解消されるというのだ。このように大きなメリットがある一方、トラック輸送に比べてコストが割高なため、行政機関からの支援や法整備は欠かせないであろう。今後も国を挙げて、モーダルシフトの推進が続いていきそうだ。
【参考URL】
https://www.mitsui-soko.com/column/2021/01

06「線状降水帯」
- ■ 線状の積乱雲集合体
- ■ 警戒レベル4相当以上で気象庁が発表
近年、気候変動による影響もあり、各地での水害が問題視されている。それに伴い、警戒レベルの情報開示時、『線状降水帯』という言葉を頻繁に耳にするようになった。線状降水帯とは、線状に伸びた地域に大雨を降らせる雨域を指す。次々と発生する発達した雨雲の積乱雲群により、数時間に渡って同じ場所を通過、または停滞し、強い降水を引き起こすことが非常に厄介な現象だ。2014年に起きた広島県での集中豪雨から注目され始め、現在では警戒レベル4相当以上の状況にて、気象庁が発表することになっている。ここ最近では、観測・予報システムの研究も進んでおり、危険度予測は半日程度前から提供可能となった。しかし、まだまだ未解明な点も多いため、災害の危険性を普段から意識し、いざという時の備えを万全にしておく必要がありそうだ。
【参考URL】
https://www.rd.ntt/se/media/article/0015.html

07「ウェルビーイング」
- ■ 心身ともに良好であることを指す概念
- ■ 福利厚生や設備の改善で、健康を促す
少子高齢化問題の影響から、労働不足に陥りつつある日本では、働き方改革の推進を行なっている。 そんな中、身体・精神・社会的に良好な状態であることを意味する概念『ウェルビーイング』が、企業経営の指針として、注目を集めているという。
様々な調査から幸せだと感じる従業員は、創造的で業務のパフォーマンスが高く、組織に良い影響をもたらすことが分かってきた。さらに、離職率の低下や優秀な人材の確保に繋がることもあり、企業とってのメリットは大きい。そんな「ウェルビーイング」の取り組み成果が可視化できるよう、福利厚生や設備の改善を行う企業が、近年急速に増加しているという。今後、ウェルビーイングの思想がさらに身近となり、心身ともに健康な人々が増えていくことに期待したい。
【参考URL】
https://jinjibu.jp/keyword/detl/885/
