01「アクティブ
シニアタウン」
- ■ 高齢者のための町
- ■ 充実したサービスが人気
高齢化が進む日本。メディアでは「高齢者=介護の必要性」ばかりが取り上げられがちだが、実際は介護をあまり必要としない高齢者の方が多いという。近年ではこのような元気な高齢者が集まり、友人をつくったり趣味を楽しんだりして暮らす町『アクティブシニアタウン』 が注目されているという。
アクティブシニアタウンには、元気な高齢者が生き生きと過ごすための多様な施設が揃っている。例えばゴルフやエクササイズ、楽器演奏などが楽しめる部屋は、高齢者の横の繋がりを結びやすくした趣味の場だ。さらには病院、レストラン、レンタルオフィスなども完備され、日常生活にも不自由のないよう工夫されている。日本のアクティブシニアタウンはまだ少ないものの、アメリカでは既に2,000を超える町がつくられている。日本でもセカンドライフを元気に楽しく暮らしたいと願う需要が高まっていることから、今後の施設数拡大が予想される。

02「企業博物館」
- ■ 自社サービスを分かりやすく紹介
- ■ 企業ブランディングの手法の一つ
企業が運営する博物館の中でも、工夫を凝らして自社活動の内容を展示する施設が人気となっている。従来の『企業博物館』は創業者などが所有しているコレクションを扱った私営博物館を指すことが多かったが、近年は、日清食品のカップヌードルミュージアムなど、企業の事業内容を紹介する博物館が増えているようだ。こうした施設では自社の歴史や製品、技術を分かりやすい解説パネルや体験型の展示で紹介している。中にはゲームやクイズなど子供向けの催しも多く、休日は親子連れで賑わう施設もあるという。
企業がこれほどまでに博物館に力を入れている理由としては、この施設が企業から一般の人々への絶好のアピールの場となっていることが挙げられる。各社は博物館を通して自社理解とイメージ向上を狙っているのだ。これからはブランディング手法の一つとして企業博物館が注目されていくのかもしれない。

03「UNDOKAI」
- ■ 日本式スポーツの祭典に注目集まる
- ■ 団体競技で協調性を学ぶ
運動会の競技である大玉ころがしや組体操、綱引きに玉入れ…これらを行うのは日本ではなく海外!? いま、日本の行事の一つである「運動会」が、『UNDOKAI』として海外でも行われていることをご存知だろうか。
これは、日本の政府や国際協力機構などのスポーツ関係団体が主に新興国に向けて行っているイベントの一つ。競技の内容は日本の運動会と変わらないが、使用する道具はなるべく現地で調達し、イベント後も地域主体で開催できるようノウハウを伝えているという。海外のスポーツイベントは個人競技がほとんどなのに比べ、日本では団体競技が多く、協調性が育みやすいのが特徴だ。現地の学校では、子どもたちだけでなく、先生や保護者、地元の大人たちも一体となってUNDOKAIを行うことで、地域全体での繋がりの大切さなどが学べるという。現在、日本の各団体には約20の国と地域からUNDOKAIの開催要請が来ており、今後も日本式スポーツの祭典は広がりそうだ。

04「ストック効果」
- ■ 続々と完成していく高速道路
- ■ 長期的な視点での経済効果はいかに
先日、首都圏中央連絡自動車道の埼玉県部分が全面開通した。これにより、首都高速道路経由での移動時間の大幅な縮小や、渋滞緩和が期待されている。これに加え、様々な業界における『ストック効果』にも注目が集まっている。
ストック効果とは、インフラ整備で継続的に経済効果を生み出すこと。例えば、今回の開通で交通の利便性が向上したため、各企業では新たな物流拠点としての施設の建設が進んでいる。また、観光業界では新ルートでの高速バスプランの開発もされているという。これまで公共事業による社会資本の整備は景気浮揚効果ばかり注目されてきたが、近年の少子高齢社会における労働人口の減少により、いかに限られた財源で長期的な効果が出せるかという課題に直面しているという。これらのストック効果が問題解決の糸口となるか、注目したい。

05「世界ジオパーク」
- ■ ユネスコの新正式事業
- ■ 観光資源としても注目
2015年11月17日、ユネスコの新事業として『世界ジオパーク』が認定された。ジオパークとは、ジオ(地球)に関わる様々な自然遺産(地形・火山・断層など)を含む公園のこと。そして世界ジオパークとは、こうしたジオパークの中でも特に希少価値が高いものを認定してきた組織である。現在、世界ジオパークネットワークに加盟するジオパークは日本の洞爺湖有珠山や糸魚川などをはじめ、世界に120地域ある。これまではユネスコの支援によって活動を進めてきたが、この度の正式事業化によってより権威が高まった形となった。ユネスコの事業としては、すでに世界文化遺産・世界自然遺産の認定が名高い。また、世界遺産は観光資源としても各自治体に貢献しており、ジオパークの観光資源化が期待されているのだ。一方、このジオパークにまつわる活動と環境保全の両立にも注目が集まっており、貴重な自然を後世に伝えるための一手となりうるか、今後に期待したい。

06「シティクローゼット」
- ■ クリーニング市場の新たなサービス
- ■ 衣類の保管への需要高まる
バブル期にはデザイナーズブランドの衣類など、高級な衣服を着る機会が多く、利用者が多かった服のクリーニングサービス。しかし近年、低価格のファストファッションが市場を多く占めるようになり、需要が減っているという。
そんな中、クリーニング市場の新たなサービスとしてスタートしたのが『シティクローゼット』だ。これはクリーニングチェーンの喜久屋が提供しているサービスで、衣類のクリーニングと共に、衣類の保管をしてくれるというもの。一定額を支払えば、温度や湿度が管理された場所に数年間保管してもらえるため、デリケートな衣類やハイブランドの衣類を安心して保管できると好評だという。また、衣替えの時期に服の収納場所に悩む人にもこの衣類保管のサービスが注目を集めているそうだ。今まで固定化されていたサービスからの脱却は、新たなビジネスのきっかけとなるかもしれない。

07「政治・選挙の教材」
- ■ 有権者になる全国の高校生に配布
- ■ 理解・関心を深める大切なツール
今年6月に、選挙権を持つ年齢を満18歳以上に引き下げる公職選挙法改正法が成立したことをご存知だろうか。これにより、新たに有権者となる高校生の政治的教養を育む必要が高まってきているという。
そこで、選挙教育用の副教材として各学校で配布されることになったのが『政治・選挙の教材』である「私たちが拓く日本の未来」だ。「投票には行ってみたいと思うものの、選挙の仕組みや政治のことがよくわからない」という高校生は多く、この教材の登場を喜ぶ声が各地で上がっている。また、こういった教材を高校に配る他、小学校から高等学校までの各学校が自主的に模擬選挙を実施し始めていて、日本全体で政治・選挙に関する教育を進めていく姿勢が見える。成人してもなお選挙に関する知識がほとんど無いという若者が増えてきているが、その流れを食い止め、投票率や政治への関心につながるのか。今後の広がりに期待したい。
