01「太陽光パネル義務化」
- ■ 中小規模の住宅に対し太陽光発電設備の設置を義務化
- ■ 新築建物が対象で既存の建物は対象外
東京都が9月にエネルギー等対策本部会議を開き、2025年4月から都内の新築一戸建て住宅に、太陽光パネルの設置を義務づける基本方針を発表した。東京都は2030年に都内から排出される二酸化炭素などの温室効果ガスを半分にする「カーボンハーフ」を目標にしており、これまでも脱炭素社会の実現に向けて、設置のための補助金などの活用を呼び掛け、一般家庭での太陽光発電普及を推進してきた。今回、一般住宅に太陽光発電設備の設置が義務化されれば、全国で初めてのこととなる。東京都は2025年4月の条例施行を目指し、さらに検討を進める方針だ。設置義務が課されるのは、購入者ではなく大手住宅メーカー。しかし費用は購入者が負担することになるため、価格の高騰は避けられない。太陽光パネルの設置義務化は、都内でマイホームの取得を考えている人にとって、取得時期を検討する材料の1つとなりそうだ。
【参考URL】
https://www.fnn.jp/articles/-/414946

02「リベラルアーツ」
- ■ 一般教養がビジネスの場で求められている
- ■ 生きる力を身につけるための学問
これまで日本の大学では、一般的な浅く広い教養を学ぶよりも、それぞれの学部に特化した専門的な勉強をすることに重きを置いていた。しかし複雑化した現代社会では、ある特定分野の専門的な知識が必要とされる一方で、様々な知識を身につけ、多角的な視点で物事を考えられる総合力まで求められるように。このような幅広い「教養」のことをリベラルアーツと呼び、現在、大学教育はもちろん、ビジネスシーンでも重要視されている。そもそもリベラルアーツは古代ギリシャで生きる力を身につけるための手法とされた。やがて古代ローマに受け継がれ、言語系3学(文法・論理・修辞)と数学系4学(算術・幾何・天文・音楽)で構成される7科に定義されたが、現代ではコミュニケーションや情報、環境など学問領域はさらに広がっている。まずはできることからリベラルアーツに触れてみては。
【参考URL】
https://frompage.jp/ynp/liveralarts/

03「誠実なサブスク」
- ■ 利用がなければ自動で解約する誠実さが好印象
- ■ ユーザーからの信頼獲得は企業にとってプラス
音楽や動画の配信、家電に食品と、あらゆる分野に広がっているサブスクリプション(定額課金、以下、サブスク)サービス。自動で継続的に料金が引き落とされる仕組みのため、使用していないにも関わらず、料金を払い続けてしまうケースも多い。企業にとっては収益につながるが、その一方で、あえて知らせたり、自動的に支払いをストップさせたりするサブスクサービスが、「誠実だ」と支持を集めている。たとえば動画配信のネットフリックスは、一定期間利用がないユーザーへ、このまま支払を続けるか、退会するかを問うメールを送信。一定期間反応がないと自動的に解約される仕組みだ。カメラや家電のレンタルサービスを展開するレンティオも、利用者のレンタル期間が一定に達した場合に、決済を自動的に終了させている。内容や価格だけではなく、「誠実さ」を基準にサービスを選ぶユーザーは今度増えていきそうだ。
【参考URL】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC119CD0R10C22A7000000/?unlock=1

04「アテンションエコノミー」
- ■ 現代は「注意」が通貨の代わり!?
- ■ 若者世代のSNS中毒など弊害も大きい
インターネットの普及によって飛び交う情報量は爆発的に増加。収入の大部分を広告収入でまかなうIT企業にとっては、その膨大な情報から抜きん出て集める「注意」は、いわば資源のようなものと言えるだろう。このように人々の注意、関心が経済的価値を持つことを「アテンションエコノミー」と言う。1969年にノーベル経済学賞を受賞したハーバート・サイモン氏が、私たちの限られたアテンションが貴重な資源へと変容し、それが通貨のように扱われるようになると予言。その後、1997年にはアメリカの社会学者マイケル・ゴールドハーバー氏が「アテンションエコノミー」という言葉を世に広めた。若い世代のSNS依存や、スマホの見過ぎに伴う心身の不調など、アテンションエコノミーが人々や社会全体に及ぼす弊害は大きく、警鐘を鳴らす専門家も多い。無料でコンテンツを楽しむとき、「注意」したことで自分は何を支払ったのか、立ち止まって考える癖をつけたものだ。
【参考URL】
https://creatorzine.jp/article/detail/1981

05「ひよこフィルター」
- ■ 傷つかずに癒やされる
- ■ ネットを平和にするひよこ機能
アプリ開発ベンチャーのbondaviがWebブラウザに表示される苦手な言葉を「ぴよぴよ(ひらがな)+ひよこの絵文字」に変換する『ひよこフィルター』を、Google Chromeなどで使用可能なブラウザの拡張機能として公開した。ページを開いた際は指定のワードがひよこフィルターにかかっていて、表示されたひよこをクリックすると元のテキストが表示される仕組みだ。
開発のきっかけは同社社長の「厳しいユーザーの声も無視できない。しかし傷つきたくない」という個人的な想いだった。元々は公開の予定はなかったが、試作品をSNSで発信したところ反響が大きく公開に至ったとのこと。ジョークアプリ的な面もある機能だが、日々ネットを通して膨大な情報に触れることで受ける無意識のストレスについて、私たちももう少し認識する必要があるのかもしれない。
【参考URL】
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2208/25/news098.html

06「エキマトペ」
- ■ バリアフリーを実現する見える音
- ■ JR上野駅での実証実験で大反響
JR上野駅で富士通・大日本印刷により実証実験が行われている、「駅の環境音」「列車のアナウンス」「車掌の声」を文字や駅員の手話でモニターに表示する『エキマトペ』。Twitterに体験漫画が投稿されたことをきっかけに大きな反響を呼んだ。投稿者のうさささんは漫画の中で「決して知ることのなかった音たち。その壁を取り払い 正解を教えてくれたエキマトペ」「聴者にとても近い形で 今 ここに立っているのだな」と感想を表現した。きっかけは富士通が川崎のろう学校で行ったワークショップで、電車通学をより楽しくするためのアイデアを集めた際に、「遅延の理由が文字に出ると便利」「モニターで手話通訳があるとわかりやすい」など駅で直面する不自由さを指摘する声だった。健常者にとっても、身の回りには誰かの不便が潜んでいるという大きな気付きを得られる事例と言えそうだ。
【参考URL】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220906/k10013805281000.html

07「Cameo(キャメオ)」
- ■ 憧れのインフルエンサーとの距離をより近く
- ■ 手軽に依頼できるメッセージサービスが日本上陸
米国のスタートアップ「バロンアップ」が展開する『Cameo(キャメオ)』が本格的に日本に上陸した。Cameoのメインとなるキャメオビデオはサービスに登録している著名人にメッセージ動画の作成を依頼でき、早ければ24時間程度で動画が届くというサービス。2022年2月時点でハリウッド俳優やミュージシャン、アスリート、インフルエンサーなど合計約5万人が登録している。ユーザーにとってはこれまで高値の花だった著名人に、Cameoを通して自分宛てのメッセージや親しい友人へのサプライズメッセージなどを気軽に依頼できるようになる。また、個人だけでなく企業からの依頼も可能で、事務所や代理店を通さずこれまでより大幅に抑えたコストでの著名人のコーディネートが可能となる。Cameoは著名人とのコミュニケーションのあり方を大きく変えるサービスになるのかもしれない。
【参考URL】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC266IB026042022000000/
