01「歌舞伎フェイスパック」
- ■ 歌舞伎のメイクをパックで体験
- ■ 気軽に伝統芸能を楽しめる美容品
日本の伝統芸能の1つである歌舞伎。そのなかでも独特の化粧法である“隈取(くまどり)”をデザインした『歌舞伎フェイスパック』が国内外問わず大人気だ。これは、東京ミッドタウン主催のデザインコンペで2008年に準グランプリとなった作品を製品化したもの。パックには、歌舞伎の人気演目「暫(しばらく)」に登場するヒーローの鎌倉権五郎景政、「船弁慶」に登場する怨霊の平知盛の隈取をそれぞれ印刷。肌にのせると、半透明になり、本当に歌舞伎のメイクをしたように見えるのが特徴だ。発売前から雑誌やテレビなどメディアで多数取り上げられて話題となり、発売後は2日で完売、現在は追加生産中だという。外国人観光客からの人気も高く、日本の文化を手軽に体験できる定番のおみやげになりそうだ。

02「MADE WITH JAPAN」
- ■ MADE IN JAPANの時代はもう終わった?
- ■ これからは世界と共にものづくりをする日本へ
かつては、「安かろう悪かろう」の代名詞だったMADE IN JAPAN。しかし先人たちの努力により、その言葉の意味は「高品質」へと転じ、いつしか日本は自前主義にこだわったものづくりを展開するようになった。しかし、これからの時代は『MADE WITH JAPAN』を指標に、ものづくりのパートナーとして、世界と手を結びながら事業を行う必要があると言われている。たとえば、私たちの生活になくてはならないものと言っても過言ではないコンビニエンスストア。もともとはアメリカで誕生した小売りの業態だが、日本独自のサービスを付加して、新しいスタイルを確立した。積極的な海外進出も進められているが、日本で売れた商品だからといって、他国でも売れるとは限らない。そこで、現地パートナーと手を組み、土地に根ざした店づくりや商品開発を目指した結果、好調な業績を残している。つまり、日本の「価値」を残すためには、自前主義に終始するのではなく、現地のパートナーと共に歩みながら、価値を生み出す必要があるのだ。MADE WITH JAPANは、日本経済の復活における大きな課題となるかもしれない。

03「サジェスト汚染」
- ■ 検索の利便性を逆手にとった攻撃
- ■ Webの関連キーワードによって個人や企業の評判を貶める
GoogleやYahoo! の検索フォームに単語を入力すると、関連するキーワードが表示される「サジェスト機能」。表示された候補から目的の単語を選ぶことで、最後まで入力する必要がなくなる。ただ、この便利な機能を逆手にとった『サジェスト汚染』が横行している。サジェスト汚染とは、ネガティブなキーワードをサジェスト機能によって表示させること。例えば、弊社の社長「中島セイジ」の後に、「ワンクリック詐欺」や「暴行」などと表示されてしまっていたら、その印象は悪化してしまうだろう。実はこのサジェスト汚染、対応策としてはその検索サイト自体に削除依頼をするという方法しかない。検索サイトを訴える裁判沙汰へと発展した例もあるが、被害者が敗訴しているという。サジェストとはWeb上ではいわゆる“看板”のようなもの。今後はこういった被害が増え続けると予想される中、Webの現状や問題点についての司法側の理解が求められるだろう。

04「6秒動画」
- ■ 6秒間の制限の中でクリエイティビティを発揮!?
- ■ 次なるマーケティング・ツールとなるか
10~30代における無料動画サービスYoutubeの認知度は、今や9割超なのだとか。そんな中、今度は最長6秒の短い動画を撮影しシェアできるアプリ『Vine(ヴァイン)』が注目されている。その仕組みは、画面をタッチして録画するという簡単な手順を繰り返すだけで、手軽にコマ撮り動画をつくることができるというもの。その手軽さから10代を中心に大流行中で、昨年11月末に日本語対応したことをきっかけに、ますますユーザー数を増やしているという。中にはVineで有名になる高校生も出現し、まさに今注目の最新SNSと言えるだろう。日本より先にVineがスタートした海外では、企業によるショートムービーもつくられている。今後日本でも、新たなマーケティング・ツールとして活用される事例が増えてくるかもしれない。

05「明日、ママがいない」
- ■ フィクションの一言では済まされない!?
- ■ 事実に即したドラマ表現を
良作には賛否両論がつきものとよく言われる。日本テレビが1月から放送している、ドラマ『明日、ママがいない』の内容をめぐって、抗議や批判の声が巻き起こり、スポンサーが降板する騒ぎになっている。児童養護施設を舞台にしたこのドラマは、子どもたちが施設の人間から体罰を受ける場面などが描かれ、「赤ちゃんポスト」を設置している慈恵病院などが、誤解や偏見を与えるとして放送中止を求めていた。日本テレビ側は、ドラマはあくまでフィクションであり、「子どもたちの視点から『愛情とは何か』を描く」ことが趣旨と説明しているが、実際に施設で暮らした経験を持つ人が精神的なショックからリストカットに及んだ事例も報告されている。いたずらに表現を萎縮すべきではないが、今回は、児童養護施設の有り様を正しく描かず、ただストーリーを盛り上げる装置として扱っているように見える。そのあたりに問題があるとすれば、関係者への綿密な取材やヒアリングが欠かせないのではないか。

06「ベストセラー倒産」
- ■ ベストセラーを出したのに倒産!?
- ■ 知られざる出版業界の裏側
百田尚樹の『海賊とよばれた男』、村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』など、本が売れない時代と言われながらも、昨年も多くのベストセラーが生み出された。一方、せっかくベストセラーとなるほどの書籍を発売したにもかかわらず、資金繰りが悪化し、倒産に追い込まれる出版社も少なくないという。そのことを俗に『ベストセラー倒産』と言う。もともと書籍は、出版社から委託されて書店で販売されるため、売れなければ出版社に返却可能。つまり書籍がメディアで取り上げられたりすると、出版社には全国各地から注文がくるが、思った程に売れなかったので返却、そして倒産するというケースが多発しているのだ。書籍の販売数が大きく低迷している昨今。出版業界の問題は、実は私たち消費者の見えないところで拡大しているのかもしれない。

07「Lサイズスマホ」
- ■ 画面拡大によって生まれた利便性
- ■ サイズを細分化する意味とは
ガラケーからスマートフォンに乗り換える人の理由に、「画面が大きい」「操作性」などがある。その中でも最近、世界的に注目されているのが『Lサイズスマホ』だ。Lサイズスマホとは、5.5インチ以上6.5インチ以下の画面サイズを持つスマートフォンを指す総称のこと。人気の秘訣は、拡大した画面による利便性の向上だ。例えば、スマホ非対応のサイトを拡大縮小せずに閲覧できたり、専用のペンを使って細かい操作が可能。海外では、ノートパソコンよりも持ち運びしやすく、通常サイズのスマホよりも使いやすい点が好まれ、電子手帳のような使い方をする人が増えているそうだ。しかし、同じようなサイズのファブレットやiPadミニなど、僅かなサイズで細分化されるスマホやタブレット端末が多いのも最近の傾向。機能にほとんど差が見られないスマホやタブレットに、これだけ多くのサイズの細分化が本当に必要なのだろうか。
