01「ゾンビ型ウイルス」
- ■ 駆除しても誤作動し続ける?
- ■ 国内外で被害拡大
インターネットなどの通信技術進化により、便利になった現代。反面、それを利用した悪質なコンピュータウイルスも生まれるようになった。中でも、最近、ネットバンキング利用者を狙った『ゾンビ型ウイルス』による被害が拡大しているという。
これは、感染後、ユーザーをサイバー犯罪者が用意した偽サイトに誘導させるコンピュータウイルスのこと。その最大の特徴は、感染と同時にパソコンの通信設定自体を書き換えてしまうため、ウイルス対策ソフトで駆除した後も誤作動が続くというところ。そのため、駆除した後も偽のサイトに誘導されてしまい、個人情報が盗まれてしまうという。現在までにこのウイルスによる被害は増え続け、日本国内に限らず海外でも問題になっているという。今後はウイルス対策ソフト導入で安心しすぎず、こまめなアップロードや、万が一感染した場合は専門家に診断してもらうなど、様々な対策が必要となりそうだ。

02「朝ドラ観光」
- ■ テレビによる観光誘致効果
- ■ 新たな名所が生まれることも
NHKの連続テレビ小説、通称朝ドラ。その多くは高視聴率を誇り、聖地巡礼として観光に訪れるファンも少なくない。朝ドラの舞台地を旅することは『朝ドラ観光』と呼ばれ、メディアを通した観光誘致の効果が大きいという。NHKの推計によると、朝ドラで人気を博した「あまちゃん」の岩手県久慈市では、観光客が34万4000人、観光消費額は30億円増加した。
朝ドラ観光では、ドラマの登場人物が生活していた街を巡り、何気ない風景に触れたいといった需要がある。そのため既存の観光地だけでなく、無名だった場所にまで人が訪れているのだ。メディアと地域が作り上げる観光誘致は絶大な効果を持ち、今まで目が向けられていなかったものにも需要が生まれているようだ。朝ドラ観光はブームが一過性という問題点が指摘されているものの、持続的に観光需要を生み出した地域もあり、新たな観光誘致法として期待されている。

03「大和言葉」
- ■ やわらかいコミュニケーション法
- ■ 文章やスピーチのワンポイントにも
文面のみで交流するメールやSNSは便利な一方、機械的な言葉選びによって冷たい印象を持たれることがある。その解決策の一つとして話題になっているのが『大和言葉』だ。これは古くから日本で使われてきた言葉のこと。例えば、「妥協」を「折り合う」と表現するといったように、中国から渡った漢語や外来語を除いた日本語を指す。『日本の大和言葉を美しく話す』という書籍をきっかけに各メディアが取り上げ、美しい日本語を見直そうと注目を浴びた。
近頃はあまり使われなくなった大和言葉だが、やわらかい音、奥ゆかしい印象を持ち、日本人の心へ響きやすいという。ビジネスシーンではどうしても堅苦しい文面になりがちだが、大和言葉を使えばあたたかい表現になり、円滑なコミュニケーションが図れるかもしれない。言葉とは、常に新しい表現が生まれ、変化し続けるものではあるが、時には過去を振り返る必要もあるのだろう。

04「青切符」
- ■ 6月1日施行の改正法で自転車に適用
- ■ 「いきなりの赤」から「徐々にの青」へ
2015年6月1日から施行される改正道路交通法により、自転車への罰則が厳格化されることが決定した。自動車が「一時停止違反」や「歩行者妨害」など軽度の違反をした場合に適用される『青切符』が、自転車にも適用されることとなったのだ。
青切符とは、軽微な交通違反を犯した際に、罰金を支払うための罰則証書のこと。法改正以前は、自転車で交通違反をした場合、前科の付く実刑判決付きの略式起訴を意味する赤切符が切られていたため、取り締まる方も多少のことでは摘発しづらいところがあった。しかし、自転車の交通量増加を受け、青切符の適用によって比較的ハードルが下がったことで、摘発しやすくなり、厳罰化に繋がる見込みだ。免許が必要のない自転車運転だからこそ、利用者のモラルや意識付けが重要となってくるのだろう。

05「アマゾンレコード」
- ■ アマゾンがレコードレーベルを設立
- ■ オリジナル作品を企画・販売
インターネット通信販売業の大手であるAmazon(以下、アマゾン)が、独自のレコードレーベルである『Amazon Records(以下、アマゾンレコード)』を設立した。アマゾンならではの機能やプラットフォームを活かし、音楽・映像作品の企画・開発から販売までを一貫して行う予定だ。
この設立は、他では体験できない、アーティストや楽曲に出会う機会に加え、アーティストやクリエイターたちが作品を発信しやすい場面を提供することを目的としているようだ。例えば、人気アーティストの未公開音源を利用したオリジナル作品や、ライブコンサートの感動をお届けする企画、独自の領域を切り開いてきたアーティストの紹介などが予定されている。ネット通販という枠に捉われず、新たなサービスに挑戦するアマゾンに期待が集まっている。

06「総合区」
- ■ 大阪都構想再び?
- ■ 住民サービスの充実が目的
二重行政を解消すべく、大阪維新の会が掲げた「大阪都構想」。東京都に23の特別区が存在するように、大阪市を解体して5つの特別区にしようとしたものだが、住民投票の結果否決され、維新の会の存在意義さえ揺らぐ事態になっている。
そこでにわかに注目を浴びているのが、昨年の改正地方自治法で採用された『総合区』だ。これは、住民サービスを細やかに提供するため、区の役割、権限を拡大できるという制度。特別区よりもその権限が及ぶ範囲は小さく、基本的には住民サービスの範囲に限られている。ただし、橋下大阪市長が目指したものの一つは、二重行政の解消による住民サービスの拡充だ。場合によっては総合区採用により、大阪都構想に近づくことができるかもしれない。実際、大阪市は総合区の設置を検討する段階に入っているという。この新たな制度の導入によって、市民の生活はどう変化していくのか。大阪市に引き続き注目が集まっている。

07「ビリギャル」
- ■ 実話を元にした話題のベストセラー
- ■ 映画化もされ、社会現象に
通称『ビリギャル』と呼ばれる、実話を元にした書籍『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』が話題となっている。
この話はタイトル通り、落ちこぼれの女子高生ギャルが、名門である慶応義塾大学を目指して努力するというストーリーだ。最近では実写映画も公開され、こちらも原作同様に大ヒットを記録している。
単純に勉強のできない女子高生が受験のために奮闘する話ではなく、家族愛、友情などのメッセージが込められており、幅広い世代の人から支持されているようだ。主人公だけではなく、周りの登場人物にも感情移入できるビリギャル。そして現代の一片を切り取った社会風景も感じ取れる本作だからこそ、ヒットを記録しているのではないだろうか。
