01「リバースモーゲージ」
- ■ 高齢化の進む社会で注目が集まる融資システム
- ■ 自宅を担保に老後資金を確保!
子どもの自立や配偶者の死去により、広い一軒家に一人暮らしをする高齢者が増えているという。しかし、自分の持ち家にはやはり愛着があるもの。持ち家はあるけれど手持ちの資金に余裕はない…そんな高齢者を中心に近頃注目が集まっているのが、リバースモーゲージだ。リバースモーゲージとは、自宅を担保として融資を受ける手段のこと。バブル全盛期には同様の融資システムが存在していたが、バブル崩壊とともに需要は衰えた。しかし、高齢化が進み老後の資金確保が国民の課題となりつつある昨今、再びリバースモーゲージに注目が集まっているという。その理由は、愛着のある我が家に住みながら、老後資金の準備ができるという点だろう。近年は様々な銀行でリバースモーゲージを活用したローンが販売されている。リバースモーゲージが定着する時代もそう遠くはないかもしれない。

02「DuckDuckGo」
- ■ ユーザーのプライバシーが侵されないために
- ■ アメリカで人気の高まる匿名検索エンジン
政府がネットワークサービス企業と手を組み、ユーザーが閲覧したサイトの履歴やインターネット上の行動を監視する。そんな驚くべき事実がアメリカで告発され、大きな社会問題となっている。ユーザーのプライバシーとは、一体何なのだろうか。例えばGoogleで検索をすると、過去に検索した商品の広告が出現する。これはつまり、検索履歴が保存されており、その分析に基づいた広告が表示されているということだ。ユーザーのプライバシーが危ぶまれる中で、アメリカで人気が高まっている検索エンジンがある。その名は『DuckDuckGo(ダックダックゴー)』。ユーザーの個人情報を一切保存しないというポリシーのもと運営している匿名検索エンジンだ。Googleのように検索履歴を保存したり個人の趣味に応じた検索結果を提示するのではなく、あくまでフラットに情報を提供している。趣向を変えた検索エンジンが、今度どう普及していくか注目したい。

03「言葉狩り」
- ■ 言葉を言葉で糾弾する?
- ■ SNS普及に伴うモラルの低下
SNSが普及し、インターネットを通じて世界中の人や著名人との会話ができ、お互いを身近に感じることができるようになった。その反面、著名人や企業の発言や書き込みでの言葉の表現を糾弾する、『言葉狩り』という問題が浮上しつつある。言葉狩りの行為自体は昔からあり、かつては差別用語を使用している書物の表現の改変がそれにあたる。しかし、現代においては、ツイッターやSNSで、発言者に対して膨大な非難のメッセージを送るケースが多くなってきているのだ。例えば、誰に向けて言うわけでもない呟きを、無理やり差別にこじつけて責任を問う、さらには謝罪を求めるといったような具合だ。差別という個人のモラルに依る問題を、モラルのない対応で糾弾するという矛盾した関係が浮かび上がる。顔を合わせずとも特定の人へ気軽に発言できてしまう現代だからこそ、言葉をそのままの意味で受け取らず、各々で吟味してからレスポンスすることが求められるだろう。

04「ポリタス」
- ■ 政治家たちの発言をテーマ別に時系列で紹介
- ■ 選挙後の政治を見つめ続けるのも大切なこと
ふたを開けてみれば、自民党の一人勝ちに終わった参院選選挙。アベノミクスを旗頭に、経済政策を前面に押し出したことが多くの国民の支持を集める結果となった。しかし政治の論点は、景気対策だけではなく、近隣諸国との外交問題、憲法改正、社会福祉の問題など、多岐にわたる。誰がどんな主張しているのか、すべてを把握できているわけがない、というのが国民の本音ではないだろうか。ポリタスとは、そうした個別の問題に対する、政治家たちの発言を時系列で記録・公開しているデータベースサイトである。発言の内容は随時更新・蓄積されていき、政治家別だけではなく、テーマ別に内容を閲覧することも可能だ。自分が投票した政治家が、どのような政策を推進し、それがどのような影響を与えたのか。投票したら終わりではなく、その後の政治を「見つめ続ける」ツールとして注目されている。

05「eスポーツ」
- ■ 体を動かすことだけがスポーツではない
- ■ コンピューター上で競技するスポーツ
目にも留まらぬ速さでコントローラーのレバーを動かすたびに、観戦者のため息が漏れる。「体を動かす=スポーツ」とされてきた日本では、なかなか定着することはなかったが、今世界的に盛り上がりをみせている“次世代スポーツ”がある。その名も『eスポーツ』。eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)」の略で、コンピューターゲームやビデオゲームで行われる競技のこと。現在、世界各地でPC関連メーカーをはじめとした様々な企業がスポンサーとなり、プロチームやプロリーグが多数存在しているほど大ブームになっている。中には年収1億円を稼ぐ選手もいるのだとか。残念ながら、そうした世界の動きとは裏腹に「ゲーム=スポーツ」という文化が生まれなかった日本。出遅れ気味の日本eスポーツ選手たちの、今後に期待したい。

06「限定正社員」
- ■ 非正規社員と正規社員の間?
- ■ 際立つメリット・デメリット
多くの職種があると同時に、その働き方が多様化している現代。アベノミクス経済成長のひとつと言われている、「限定正社員」という雇用制度に注目が集まっている。限定正社員とは、正規社員に比べ、勤務地や勤務内容を限定する制度のこと。正規社員ならありうる転勤や残業、職種の変更などの可能性が少ないのが特長だ。子育てをしながらしか働くことができない人にとって、正社員とほぼ同じ条件で、パートのように働けることは魅力的のようだ。しかし、正社員の立場からすると、転勤がないのは良いが、不景気などに陥った際に、正社員よりも解雇されるリスクが高まるのではないかという懸念がある。雇用拡大のためといわれている本制度。優秀な人材が集まるきっかけとなるか、雇用側の都合に振り回されるだけなのか、安定した労働力を生み出すためには、さらなる議論が必要だろう。

07「NISA」
- ■ イギリスのISAをモデルとした投資を促進するための制度
- ■ NISA口座を開設すると利益の一部を非課税に
株式や為替、FX、投資信託など、目的や予算によってさまざまな商品が取り揃えられている現在の投資市場。手持ちの資産を増加させたり、老後に備えて、といった具合に、投資に興味を持ち始めた人もいるのではないだろうか。しかし、現状では投資で得た売却益や配当金には約10%の所得税が課税される仕組みとなっており、二の足を踏む原因ともなっている。そこで2014年の1月から導入される制度がNISA(ニーサ)である。イギリスで導入されているISAをモデルにして作られており、前述した所得税が1年あたり100万円、それが5年間にわたり非課税となる。すでに各金融機関によるNISA口座の予約受付は始まっており、さまざまなキャンペーンによる顧客の争奪戦が展開されている。ただ、NISAに関しての政府方針には不確定な部分も多いので、導入直前までじっくり腰を据えて比較検討してみてもいいのではないだろうか。
