01「ディープテック」
- ■ 未来を支える革新的な技術
- ■ 産業への活用が広がる
『ディープテック(Deep Tech)』とは、根深い社会問題に対して高い問題解決力を持つ、非常に革新的で専門性の高い技術。具体的には人工知能(AI)や量子コンピュータ、ブロックチェーン、クリーンエネルギー、ナノテクノロジー、ロボティクス、IoTなどの幅広い領域が当てはまり、昨今のSDGsへの関心の高まりやディープテック・スタートアップの増加によって、世界中で注目を集めている。これら最新技術は、実は企業や大学などによる長期間の基礎研究期間を経て徐々にビジネスや生活への活用が進んでいくため、投資家からの資金調達や行政からの支援が重要な役割を担っている。日本では政府の予算縮小に合わせて大学の基礎研究が予算削減になっているが、研究支援は未来への重要な投資といえるだろう。
【参考URL】
https://www.geekly.co.jp/column/cat-technology/deeptech_introduce/

02「泳げるセーヌ川」
- ■ パリのシンボルで五輪競技を
- ■ 水質改善は間に合うのか
パリ市民にとって“母なる川”として慕われてきたセーヌ川は、水質悪化を理由に1923年から遊泳が禁止されている。しかし、2024年夏に開催予定のパリ五輪で開会式のほか、トライアスロン、マラソンスイミングの会場として使用することになっている。これまでセーヌ川は雨が降ると汚水と雨水がまとめて川に流れ込む「合流式下水道」のため、雨天後はどうしても水質が競技の基準値を下回ってしまう状況だった。パリ市は14億ユーロを投じて水質改善の対策を進め、完成したのがパリの地下に設けられた巨大な貯水槽。雨水などをためることで、下水が川に流れ込むのを防ぐことができるという。市では、川の上流で浄水場の整備なども同時に進めて水質の改善を図り、大会後の2025年夏には、市内3か所に遊泳場所を設ける方針だ。
【参考URL】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240503/k10014439391000.html

03「IDGs」
- ■ SDGs達成のために自分がすべきことは?
- ■ 個人レベルのわかりやすい目標
SDGsの達成目標2030年がいよいよ迫ってきた昨今、新たなトレンドが『IDGs(Inner Development Goals)』だ。SDGsに取って代わるものではなく、SDGsを実現するために必要な個人の意識・行動など内面の成長をフレームワーク化したもので、2023年には100カ国以上が参加するグローバルサミットが開催されるなど注目を集めている。具体的には「自分のあり方(Being)」「考える(Thinking)」「つながりを意識する(Relating)」「協働する(Collaborating)」「行動する(Acting)」の5つのカテゴリーに分類され、そこから細分化された23のスキルを意識することが成長に繋がり、ひいてはSDGsの達成に貢献するということだ。SDGsは社会的な大きなゴールで、その達成のために「自分がまず何をするか」というブレイクダウンは有効なアプローチと言えそうだ。
【参考URL】
https://www.corner-inc.co.jp/media/c0272/

04「脱炭素スキル」
- ■ 世界で不足する「脱炭素人材」
- ■ 脱炭素アドバイザー資格制度がスタート
地球温暖化が進むなか日本を含む世界125ヵ国(2021年時点)が、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル2050」の実現に向けて、様々な政策パッケージを策定する動きを見せている。また企業でも「脱炭素」を重要な経営課題と位置づけ、取り組みを加速させているところも少なくない。脱炭素化を進めるには、当該分野に精通する人材、つまり『脱炭素スキル』を持つ人材の確保が不可欠だが、その人材が不足しているのが現状だ。こうした背景を踏まえ、環境省は「脱炭素アドバイザー」という民間の資格を認定。脱炭素に関する専門的な知識を備えた人材の育成を目指して創設されたという。日本全体の脱炭素化推進に向けた、大きな一歩となることを期待したい。
【参考URL】
https://policies.env.go.jp/policy/decarbonization_advisor/

05「きのこミート」
- ■ 雪国まいたけが開発に成功
- ■ きのこの特性を活かしたプロダクト
まいたけを中心としたきのこの生産販売会社である雪国まいたけが、きのこを主原料とした代替肉、いわゆる『きのこミート』の開発に成功し、今年度中に販売を開始すると発表した。現在の代替肉市場は大豆由来の成分を主原料としたものが主流。イギリスのメーカーがきのこの菌を使った代替肉「マイコプロテイン」を販売しているものの、日本ではまだ一般的ではない。雪国まいたけの代替肉が、マイコプロテインかどうかは明らかにされていないが、公式発表によると自然な美味しさを追求しながらも、原料であるきのこの低カロリー、低脂質、豊富な食物繊維といった特性を活かしたヘルシー志向の新しいプロダクトだという。果たしてきのこミートの味は、食感は、においは?何はともあれ、早く食べてみたいものだ。
【参考URL】
https://forbesjapan.com/articles/detail/64044

06「ビジネスケアラー」
- ■ 仕事と介護を両立する人が増加中
- ■ 国や企業による支援が必要不可欠
高齢化や生産年齢人口の減少が進むなかで、仕事をしながら家族などの介護に従事する『ビジネスケアラー』が増加中だ。2023年の経済産業省の発表によると、推計では2030年には家族介護者833万人に対してその約4割(約318万人)がビジネスケアラーになる見通し。ビジネスケアラーの当事者にとって介護に伴う肉体的・精神的な負担は大きい。介護との両立は、ビジネスの生産性を2~3割低下させるとの試算もあり、企業の業績に甚大なマイナスを与えることが予想される。こうした背景を受け、経済産業省は仕事と介護の両立支援の進め方などをまとめた企業経営層向けのガイドラインを公表。また福利厚生の一環として、介護を手厚く支える制度を整える企業も増えつつある。ビジネスケアラーへの支援は、日本にとって喫緊の課題のようだ。
【参考URL】
https://kenkokeiei.mynavi.jp/step/20231229-6

07「泊食分離」
- ■ 宿泊料金と食事料金を別立てに
- ■ 観光地全体の活性化に貢献
インバウンド客が増え続けるなか、旅館・ホテル業界において「宿の在り方」を改めて捉えなおそうとする動きが活発化している。その一つが『泊食分離』。宿泊料金と食事料金を別立てにし、宿泊客に近隣の飲食店の利用を促す宿泊スタイルのことで、2017年からは観光庁もこの泊食分離を推進している。食事提供を地域の飲食店に任せることで、施設側は人手を確保しやすくなる一方、飲食店側も売り上げがアップと、双方にメリットがある。また宿泊客側にも、低価格で泊まれて、かつ自分が選んだ飲食店で食事ができる方が良いとの理由で、あえて泊食分離を選ぶ人が増えているという。施設のルールに合わせるのではなく、自分でカスタマイズして楽しめる自由度の高い旅のスタイルが、今後の主流になっていきそうだ。
【参考URL】
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/202401/14505.html
