01「テクハラ」
- ■ 会社内だけでなく身内にも?
- ■ できない人には強いプレッシャーも
PCやネットが普及した現代、コンピューターを使った業務が当たり前のことになりつつある。そんな中、『テクハラ』と呼ばれる問題が急増している。テクハラとは、テクニカルハラスメントの略で、コンピューターに疎い人への嫌がらせのことを指す。例えば、「なんでこんな簡単なことができないの?」などの言葉を浴びせることが、同時に強いプレッシャーやストレスを与えているのだ。これは上司や部下に限らず、先輩や後輩、身内に至るまでさまざまなパターンに当てはまる。コンピューターに限らず、作業の得意不得意は人それぞれ。企業にとって、最新のコンピューターを導入することよりも、お互いが助け合う職場環境を築いていくことを優先するべきなのかもしれない。

02「電子出版権」
- ■ 止まらない書籍の違法コピーに「待った」!
- ■ いよいよ海賊版抑止のための法案が創設か
タブレット端末の普及も進み、電子書籍が身近になりつつある昨今。読書のスタイルを拡げるツールとして浸透しつつある電子書籍だが、見過ごせないのが海賊版の問題だ。小説や漫画の違法コピーが発売後すぐにアップロードされ、著作権を侵害しているのだ。日本書籍出版協会によると、2011年の国内被害額は270億円にのぼるという。現状では、作家のように著作権を持つ人でないと海賊版の差し止めを求める権限はない。そこで文化庁は、出版社による差し止め請求を可能にする『電子出版権』の創設に向けて動き始めた。作家に代わり出版社が対応できるようになれば、海賊版の抑止力が向上する。法的対策の整備がきっかけとなり、海賊版の排除や知的財産の保護、そして出版文化の再生につながっていくか、今後の展開に注目したい。

03「ココロエンジン」
- ■ シャープから喋る冷蔵庫が登場!
- ■ 人工知能で家電とコミュニケーション
「熱いものは冷ましてから入れてね」。先日、シャープは音声会話できる人工知能『ココロエンジン』を搭載した、プラズマクラスター冷蔵庫の新モデルを発売した。ココロエンジンとは、音声で会話などが楽しめるシャープ独自のインターフェースのこと。今回発売した冷蔵庫では、ココロエンジンがセンサーと連動して運転状況を見守りながら、約100種類の音声メッセージと光で使い方をアシストする。このほか、新モデルでは業界初となる地震時に自動的にドアをロックする「耐震ロック」機能や、25項目の省エネ技術を採用した「節電25」モードを搭載。安心・安全志向に応じるとともに、通常運転に比べて最大約25%の節電を目指す方向だ。ついに人工知能までも搭載された家電。今後どのような付加価値がつくのか業界の新たな挑戦に注目したい。

04「パンダの穴」
- ■ タカラトミー×謎のクリエイティブ集団
- ■ 個性豊かな新カプセルトイブランドが誕生!
硬貨を入れてレバーを回すと、おもちゃ入りのカプセルが出てくる自動販売機「カプセルトイ」。もともとは子どもを対象にしたものだが、最近ではさまざまなコンセプトの商品や高品質・高価格を売りにしたものまで、多種多様なカプセルトイが増えている。そんな中、今注目を集めているのは、タカラトミーアーツが謎のクリエイティブ集団とコラボした新ブランド『パンダの穴』。現在第1弾商品として、カラリと揚げたサメがおいしそうな(?)「サメフライ」が発売中だ。そのほか、動物たちの寝姿が可愛らしい「もうしら寝」や、ロダン作・考える人をパロディにした「考えない人」など、ユニークなラインアップが発売予定だ。多様なガチャ商品を取りそろえるタカラトミーアーツ。パンダの穴も人気ガチャの仲間入りを果たすかもしれない!?

05「自閉症の僕が跳びはねる理由」
- ■ 2007年に日本で発表された作品が英国で大ヒット
- ■ 2つの要素が生んだベストセラー
『The Reason I Jump: One Boy’s Voice from the Silence of Autism』。英国で7月1日に発売し、わずか数週間でベストセラーとなったこの一冊の本だが、実は東田直樹さんという少年が執筆したものだ。原題は『自閉症の僕が跳びはねる理由──会話のできない中学生がつづる内なる心』となっており、日本では2007年に発表されている。この作品がヒットした理由とは何なのだろうか。ひとつは、自閉症者本人が自閉症について語る本が稀であり、心の内がストレートに綴られているという点。そして、もうひとつが、著名な英国人作家が翻訳を手がけたことにより、発売前からメディアなどに取り上げられたことだろう。その作家も自閉症の息子を持ち、小説の内容に感銘を受けたことから、翻訳を決意したそうだ。人を動かし、さらに多くの人を動かした本書。ぜひとも手にとってみてはいかがだろうか。

06「スーパーセル」
- ■ わずか30分ほどで発生
- ■ 「想定外」への対策が急がれる
先日、埼玉県の越谷を襲った竜巻とみられる突風。その原因とされているのが、巨大な積乱雲『スーパーセル』である。この雲は、大気の状況が不安定になることで発生し、回転しながら上昇する渦状の気流が竜巻を生む。その発生時間はわずか30分に満たず、予報が間に合わないのが現状である。局地的ではあるものの被害は甚大で、迅速な避難活動のためには予報精度の向上が欠かせない。頻発しているゲリラ豪雨と同じく、スーパーセル発生の背景にも地球環境の変容が影響しているとみられている。だからこそこれまでの想定を改めて、「想定外」の被害が生じないように努める対策が急務といえそうだ。

07「スポーツ庁」
- ■ スポーツを通じて日本を発信!
- ■ 東京五輪決定で設置加速化
2020年東京五輪の決定に多くの日本人が湧いた先日。この決定を受けて『スポーツ庁』の設置の声が強まっている。スポーツ庁とは、政府がスポーツ振興を行う機関のこと。日本のスポーツ界では、日本オリンピック委員会や日本体育協会などが、スポーツの支援や普及を行ってきた。それが、五輪開催を受けて、国立スポーツ科学センターや日本スポーツ仲裁機構などあらゆるスポーツ関連機関を一元的に担う、スポーツ庁設置の需要が高まってきているようだ。今回、56年ぶりとなる東京五輪の開催にあたり、スポーツを通して日本の良さが発信できるよう、最適な環境づくりも政府の大きな課題になるだろう。
