01「103万円の壁」
- ■ 近年稀に見る政治への関心
- ■ 労働者の手取り増加は実現するか
税金や保険料の負担が増えないように労働時間を抑えてしまう「年収の壁」。10月の衆議院選挙では国民民主党が労働者の手取りを増やすことを訴え、所得税が発生する『103万円の壁』撤廃を公約として躍進した。「課税最低限(基礎控除48万円+給与所得控除額55万円)」の103万円から178万円への引き上げで与党と協議中だ。103万円の控除額は、1995年に物価上昇に合わせて引き上げられて以降30年間変わっていない。その間に最低賃金は1.73倍になっているため、同様に103万円を1.73倍すると178万円になるという計算だ。政府と財務省はこの減税により7〜8兆円の税収減となる試算を公表するも、国民民主党はその分国民の手取りが増え、消費や企業業績が連動して上がると応戦。日々の生活に直結する政策として日々高い関心を集めるこの話題は、国民の目を政治に向けるきっかけとなっている。
【参考URL】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241108/k10014632501000.html

02「漏洩パスワード」
- ■ あなたのパスワードは大丈夫?
- ■ 求められるITリテラシー
情報通信会社「ソリトンシステムズ」が、今年1月〜8月にサイバー攻撃を受けて個人情報などが流出した事件を分析。そのうち末尾が.jpのメールアドレスで日本人が使用したと推測される『漏洩パスワード』を調査しその結果を公表した。
1位「123456」、2位「password」、3位「123123」と破られるべくして破られるような簡単なものが並ぶ。AIの進化などで攻撃技術も高度化しており、同社は「誰でも推測可能なパスワードは安全ではないので、設定できないようにしてほしい」と、パスワードを設定する個人だけでなく、ウェブサービスの提供事業者に対してもシステム側でのパスワード強化や多要素認証の導入を求めている。
【参考URL】
https://news.yahoo.co.jp/articles/985b662015cb076a4429fe69f60c68812796c9a1

03「オフラインキャンプ」
- ■ 脱スマホ依存で
- ■ 生活の改善を目指す
香川県が2020年4月に施行した「ネット・ゲーム依存症対策条例(通称 ゲーム条例)」に基づく事業として、数日間ネットやゲームから離れて自分の生活習慣を見直す『オフラインキャンプ』を2022年から実施している。キャンプ前後と3ヵ月後に行なうフォローアップキャンプのアンケートから、「ネット・ゲームの使用時間の減少」「生活上の支障の減少」が確認でき、一定の効果を認められるとしている。事業を受託している、ネット依存・ゲーム障害外来を開設する三光病院の海野院長は「オフラインが善、オンラインやゲームが悪ということではない。今の生活を見直して新しいことに挑戦する気持ちを育むことが目的」と語る。この活動は兵庫県や奈良県など、他の自治体にも広がりを見せており、現代の課題に即した事業といえるのかもしれない。
【参考URL】
https://www.mbs.jp/news/feature/kansai/article/2024/10/103577.shtml

04「別れのハグ3分まで」
- ■ 空港が別れの抱擁時間を3分に制限
- ■ 降車エリアの混雑を防ぐのが目的
ニュージーランドにあるダニーデン空港がターミナルの車乗降ゾーンに「抱擁時間は最長3分。より親密なお別れをしたい場合は駐車場をご利用ください」と呼びかける看板を設置した。この『別れのハグ3分まで』の制限が波紋を呼び、SNSを中心に「非情だ」との声が上がっている。だがこの制限はあくまで降車レーンの混雑を防ぐことが目的で、ルールを破ったからといって罰則があるわけではない。同空港のダニエル・デ・ボノCEOもこの話題について「公共の場での愛情表現を取り締まるものではなく、他の乗客のためにスペースを提供するためのもの」とラジオで説明している。日本人からすると3分のハグで十分な気もするが、お国柄による違いも大きいのだろう。
【参考URL】
https://www.asahi.com/articles/ASSCC1P49SCCUHBI00NM.html

05「東証時間延長」
- ■ 東証が取引時間を30分延長
- ■ 市場のさらなる活性化に期待
今年11月5日(火)から東京証券取引所の株式取引時間が30分延長され、従来の15時から30分伸び、15時半まで取引が可能になった。終了時間の延長は1954年以来、70年ぶりのこと。『東証時間延長』には、より多くの取引機会を設けることで市場の魅力を高め、投資資金を国内外から呼び込む狙いがある。今回、東証は時間延長に合わせて、海外で採用されている「クロージング・オークション」という新たな制度も導入。取引終了前の5分間は売買を成立させず、午後3時半に買い注文と売り注文を一斉に突き合わせて終値を決める仕組みで、終了直前に集中しやすい取引の透明性を高める効果が期待されている。取引時間の延長や新しい制度の導入が市場の活性化にどの程度寄与するのか、今後の変化に注目したい。
【参考URL】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241105/k10014628901000.html

06「ソフト老害」
- ■ 高齢者じゃなくても老害に!?
- ■ 昔話・自慢話・説教が多いのが特徴
『ソフト老害』が、「現代用語の基礎知識選2024ユーキャン新語・流行語大賞」の候補30語にノミネートされた。ソフト老害とは、元放送作家の鈴木おさむ氏が著書「仕事の辞め方」(幻冬舎)のなかで自戒として発信した言葉。「年上と年下の間でバランスを取るポジションで、下の意見をうまくまとめたつもりでも、下の世代から見ると、じつはその行動が老害に見えている」状態をいう。主に高齢者を指す「老害」とは異なり、40代でも老害になりうることを、鈴木氏は自身の経験を振り返りながら指摘した。労働社会学者で千葉商科大学・准教授の常見陽平氏によると、ソフト老害の主な行動パターンに「昔話」「自慢話」「説教」があるという。くしくもこれから忘年会シーズン。くれぐれも「昔話」「自慢話」「説教」は控えめに。
【参考URL】
https://s.mxtv.jp/tokyomxplus/mx/article/202404120650/detail/

07「伝統的酒造り」
- ■ ユネスコの無形文化遺産に登録へ
- ■ 日本の酒文化をアピールするチャンス
日本の『伝統的酒造り』がユネスコの無形文化遺産に登録される見通しとなった。伝統的酒造りとは、酒生産の根幹の過程(原料の水分調整・こうじ造り・もろみ管理)において、伝統的に培われてきた判断方法と手作業を駆使して酒を作り出すわざのこと。日本の伝統的酒造りは500年以上前に原型が確立し、各地の風土に応じて発展。自然や気候を深く結びつきながら伝承されてきた歴史がある。文化庁の発表によると、12月2日からパラグアイで開催される政府間委員会で無形文化遺産への登録が正式に決まるとのこと。この登録をきっかけに、日本の酒造りに注目が集まることは必至。日本酒や焼酎、泡盛などの「モノ」は当然のこと、利き酒や酒蔵巡りなどの「コト」の盛り上がりも期待できそうだ。
【参考URL】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241105/k10014629241000.html
