01「イースター」
- ■ 日本で定着なるか
- ■ キリスト教のイベント
バレンタインやクリスマスに次ぐ、新しい海外のイベントが日本で広がっている。それがキリスト教徒のイベント『イースター(復活祭)』だ。これは元々十字架にかけられて死んだイエス・キリストの復活を祝う行事で、毎年3月から4月の特定の日曜日に行われている。重要なアイテムとして“卵”があり、イースターではそれに絵を描いたり、催し物に使用したりするそうだ。
そして日本でも2010年から東京ディズニーランドがイースターのイベントを開始し、徐々に認知度が高まっている。市場成長率は直近4年間で370%にもなり、急速に拡大していることがわかるだろう。海外ではイースターの日に家族や仲間でパーティーを楽しんだりすることから、イベント業界や食品業界を始め、様々な業界がビジネスチャンスと捉えており、経済効果の面で大きな期待がかかっている。

02「おやすみロジャー」
- ■ 10分で眠れる絵本
- ■ 世界的ベストセラーに
日本人の睡眠時間は短すぎると指摘されているが、それは大人に限った話ではない。なんと、日本の3歳以下の子ども達の睡眠時間が世界で一番短いという調査結果があるのだ。そんな睡眠事情が深刻な日本で、10分で子どもを寝かしつけられる絵本『おやすみ、ロジャー』が話題となっている。
これは、スウェーデンの行動学者が2010年に自費出版した寝かしつけのための絵本。口コミで評判が広まり、超異例の世界的ベストセラーになった。ストーリーは、眠りたくても眠れないうさぎのロジャーが、だれでも眠らせてくれる「あくびおじさん」を訪ねるというシンプルなもの。太字の箇所は言葉を強調して読む、青字の箇所はゆっくり静かに読むなど、心理学に基づいた入眠のメソッドを、ひとつの自然なストーリーとしてまとめた点が評価されている。睡眠不足が深刻な日本の子ども達と、子どもの寝かしつけに困るパパ・ママの救世主として今後も注目が高まっていくだろう。

03「サカイエンシス」
- ■ PETを分解する細菌
- ■ リサイクルの可能性が広がる
「プラスチックは自然に還らない」という常識が徐々に覆るかもしれない。京都工芸繊維大学、慶応大学のチームによって、ペットボトルなどの材料であり、石油から作られるPET(ポリエチレンテレフタレート)を分解する細菌『サカイエンシス』が発見されたのだ。
この細菌は大阪府堺市のゴミ捨て場で発見されたことから、市の名前にちなんで命名された。飢餓状態になるとPETを分解し始め、最終的には水と炭酸ガスに戻してしまう。また、分解を途中で止めれば、リサイクルしやすい状態の材料にすることができるという。分解に使われる酵素も特定できたため、将来的には酵素を活用した方法が生み出されるそうだ。一般的に、PETの処理には人工的な化学分解が行われているが、酵素を利用することでリサイクル時のエネルギー節約が期待されている。実はプラスチックを分解する有機物は今までにも発見されていたが、新たな細菌の発見によってリサイクルの可能性がさらに広がっていくだろう。

04「自然災害調査士」
- ■ 建築・不動産・保険業界向けの新資格
- ■ 自然災害の損害に対する明確な判断基準に
自然災害大国と言われる日本では、地震をはじめ、思いもよらぬ災害事故で大切な家屋や財産を失ってしまう可能性がある。そうした中、一般社団法人全国自然災害家屋調査協会から新しい資格『自然災害調査士』が誕生した。これは今年の4月1日より運営を開始する、民間及び企業が受けた自然災害の被害に対して、明確な基準を持って適切な対処の出来る専門家の証明となる資格だ。
主な取得対象者は建築・不動産・保険業界に携わる人たちであり、その内容は自然災害に対する明確な判断基準による各損害状況に見合った対応についてである。この資格によって、家屋の保有者にとっては被害拡大の阻止や適切な調査・修繕依頼が可能となり、また、資格保有者を常駐させる企業側にとっても新しい集客窓口が出来るという利点がある。自然災害とその損害に対し、この資格の知識が少しでも私たちの安心につながることは間違いないだろう。

05「はてな匿名ダイアリー」
- ■ 匿名で日記が書けるサイト
- ■ 投稿された文章が国会答弁にまで登場
昨今インターネットの拡散力が強まり、匿名で投稿された情報の一部がメディアに取り上げられる時代になった。そんな中、話題となったのが『はてな匿名ダイアリー』だ。これは匿名で日記を書くことが出来るサイトのこと。事の発端は「保育園落ちた日本死ね!!!」というタイトルで投稿された日記だ。
日記の内容は子どもが待機児童となり、このままでは仕事を辞めざるを得ない状況への不満を主婦が書いたもの。インパクトある文章がネット上で話題となり、様々なメディアだけではなくついには国会の答弁にも登場した。これまでも待機児童について理性的な文章で言及した日記はあったが、過激な表現を用いた文章が注目される結果となり、問題視されている。日々インターネットを使う我々もこのような文章を一過性の話題にするのではなく、問題の根本を知ることが必要だろう。

06「アダムズ方式」
- ■ 一票の格差を是正
- ■ 議員数削減の目的も
「違憲状態にある」と言われ続ける “一票の格差”問題。自治体ごとの人口に応じた議員定数を割り振っていないため、選挙で“票の重み”が生じてしまう問題だ。これを解決するため、衆院で『アダムズ方式』と呼ばれる新たな選挙制度の導入が議論されている。アダムズ方式とは、各都道府県の人口を同じ数値で割り、その答えの合計が衆院議員の席数と等しくなるように調整するというもの。
これまで導入されていた制度では、各都道府県で別枠として1人は当選させていたため、人口と議員の配分が一致していなかったのだ。アダムズ方式の導入によって、一票の格差問題が是正されるうえ、議員定数も削減され、大幅に予算を削減することができるという。まさに一挙両得に思えるが、人口の少ない自治体の声は、国会に届きにくくなるのではという懸念点もある。次回の国勢調査に基づいて導入されるというアダムズ方式。地方の活性化とどのように両立させるのか、要注目だ。

07「自治体PPS」
- ■ 地方自治体に希望の光
- ■ エネルギーの地産地消
少子高齢化や人口減少の影響で、財政の引き締めに苦しむ自治体も少なくないという。そんな中、地方自治体の希望の光として注目を集めているのが、“エネルギーの地産地消”を可能とする『自治体PPS(新電力)』だ。
これは、自治体が主体で行う電力会社のこと。今年4月から開始する電力自由化に伴い、地方自治体と地域の共同出資者で電力会社を立ち上げ、発電したエネルギーを地域の施設や各家庭のためにつかう仕組みだ。地方には広い土地や資源が潤沢にあるため、太陽光・水力・風力といった再生可能なエネルギー発電に適している。また、地域内でエネルギー供給ができれば、コストダウンにも繋がるという。現在、群馬県中之条町が全国初の自治体PPSとして「中之条電力」を立ち上げ、それに続くように大分県、鹿児島県、福岡県でも取り組みの準備を進めている。地域が持つ土地を生かした電力発電が、財政難を救う救世主として全国に広がる日もそう遠くないだろう。
