01「転嫁カルテル」
- ■ 消費税引き上げの対策に動き出す企業
- ■ 企業を守る規則は機能するのか
来年4月の消費税率引き上げを前に、中小の企業を中心に『転嫁カルテル』を結ぶことを検討する動きが強まっている。転嫁カルテルとは、ガソリンスタンドや清涼飲料など、同じ業界に属する企業が増税分を価格に上乗せすることを、業者間で取り決めること。これにより、大手から増税分の割引を要求されやすい、中小企業の価格交渉時の立場を保護することができるのだ。今回の転嫁カルテルの届け出増加には、1989年の消費税導入時にはこの制度が浸透しておらず、割引を強要された企業が泣き寝入りするケースが問題になったという背景がある。価格を保護した先にある日本の経済活動は、変わらず潤滑に行われるのだろうか。今後の動きに注目したい。

02「ヘリコプターペアレント」
- ■ 子どもに関わりすぎる過保護な親が米国で問題に
- ■ 子どもの未来のためには子離れが必要
学校に過度なクレームをつけるモンスターペアレントが問題となって久しいが、米国では“新世代”の親が出現している。それが、『ヘリコプターペアレント』。頭上を旋回するヘリコプターのように子どもに寄り添い、トラブルが起きると介入してくる親のことである。実際に、子どもの代わりに遊びの約束を取り付けたり、就職の面接にまで同席することもあるという。この問題は日本でも発生しているらしく、大学の講義を休んだ子どもに代わり、補講を行うように依頼する保護者などが実例として挙げられるようだ。子どもへの思い入れが強すぎる親か、親への依存心が高い子どもなのか。どちらに原因があるともいえないが、親も一生面倒を見てくれるわけではない。そのときに困難を解決できないような成長の仕方では、かえって子どもの未来を阻害してしまうのではないだろうか。

03「藤原の効果」
- ■ 10月に入り、連日発生した台風
- ■ 予測困難な台風の動きとは
10年に一度の強い勢力と言われた台風26号は、全国に大きな影響をもたらし、伊豆大島をはじめとする各地で甚大な被害が発生した。その後も立て続けに27号と28号が発生し、ダブル台風として厳戒態勢が敷かれた。そんな中、今回のダブル台風で懸念されていたのが 『藤原の効果』だ。「藤原の効果」とは気象用語の1つで、近い位置にある台風が相互に作用して複雑な動きをすることを指す。過去に中央気象台長であった藤原咲平氏が提唱したことからこの名がついたという。結局、27号と28号は北上に伴い勢力が弱まったため、「藤原の効果」は起こらずに済んだ。台風一過となった今月26日には各地でさわやかな秋晴れとなったが、このまま「天高く馬肥ゆる秋」となることを願うばかりだ。

04「竹田城」
- ■ 日本のマチュピチュ、天空の城とも
- ■ 雲海の出やすい今が見ごろ!
日本のマチュピチュと呼ばれる城跡をご存知だろうか。兵庫県朝来市にある山城跡、竹田城である。約600年前に築かれたこの城は、しばしば雲海に霞むことから天空の城とも呼ばれ、今密かなブームになっている。戦国時代には数々の戦の舞台になったものの、関ケ原の戦いで城主が敗北したことをきっかけに廃城となり、現在は石垣だけを残している。しかし全国でもこれほど完全な石垣を残す山城はほとんどなく、遺構が山頂にそのまま残っている姿はまさに荘厳のひとこと。実は秋から冬にかけての今の季節は雲海が発生しやすい。秋の行楽シーズン、日の出から午前8時までの早朝に間に合えば白い雲の中に浮かぶ姿を見ることも可能である。ただし必ず雲が出るとも限らないのでご注意を。

05「ななつ星」
- ■ 夢の超特急から約半世紀
- ■ 日本初の豪華寝台列車が登場!
思えば、夢の超特急と呼ばれた東海道新幹線が開通したのは1964年のことだった。東京五輪が開催され、経済成長まっしぐら、誰もが明日は昨日より豊かな生活になると信じていた時代。8時間の東京、大阪間を4時間に短縮した新幹線は、まさに時代の象徴だった。それから約半世紀。九州を周遊するクルーズトレイン『ななつ星』の運行がスタートした。4日間かけて博多、大分、宮崎、鹿児島の自然を満喫できるルートで、贅を尽くした内装とサービスがうりである。そこにはかつてのスピーディーな移動を追求する姿勢はない。ゆっくりとくつろいで移動すること。それこそがバブル崩壊を経て、経済不況を通り抜けてきた新しい時代の価値観なのだ。メインターゲットであるシニア層は、激動の時代を駆け抜けてきた団塊の世代。ななつ星とは、そんな彼らにとっての、新しい夢を乗せた鉄道なのかもしれない。

06「お茶バー」
- ■ スタバがNYにお茶専門店をオープン
- ■ アメリカにお茶文化は根付くのか!?
アメリカ人といえばコーヒー。こんなイメージを持つ人は、少なくないだろう。そんな中、あの大手コーヒーチェーンスターバックスは、お茶とお菓子を楽しめる「お茶バー」をニューヨークのマンハッタンにオープンした。店名は「Teavana Fine Teas&Tea Bar(ティーバナ ファイン ティーズ&ティーバー)」。店舗は、スターバックスが昨年買収したお茶専門店「Teavana(ティーバナ)」が運営するのだとか。店内では、いれたての紅茶、緑茶、白茶などの他、軽食やチョコレートブリオーシュといったスイーツも楽しむことができる。さらに内装は「禅」のイメージを取り入れ、落ち着いた雰囲気の空間になっている。突如マンハッタンに登場したお茶バー。ニューヨーカーの新しいライフスタイルに、お茶文化が根付く日もそう遠くはなさそうだ。

07「伝統野菜」
- ■ 日本の食生活を支えてきた野菜に再び注目が!
- ■ スーパーの野菜との違いとは
愛媛県の伊予緋蕪(いよひかぶ)、石川県の金時草(きんじそう)、東京都のごせき晩生…。聞きなれない名前が並ぶこれらの野菜は、その土地の風土にあった野菜として『伝統野菜』と呼ばれている。伝統野菜は、古くから日本の食生活を支えていたが、形の揃いが悪い、手間がかかるなどの理由で生産が減少した。こうした伝統野菜を地域の名物の一つとして復活させる施策が各地方で行われている。例えば、東京都では「江戸東京野菜」として、東京の伝統野菜をブランド化。その中の商品の1つ、小松菜の在来種「ごせき晩生」などを期間限定で提供する料亭も登場した。この野菜目当てに来店する客もいるなど、評判は上々のようだ。スーパーの野菜よりも流通期間が短く、見た目も悪い。だが、それらを良しとした「その土地の旬を味わえる野菜」として、新たな需要が高まりつつあるのかもしれない。
