01「GAFMA」
- ■ 出版業界、危うし!
- ■ 課題は巨大IT企業との付き合い方
“82%”。
これは、世界のインターネットユーザーの中でGoogleを利用するユーザーの割合である。
一方、Amazonの訪問者数は全インターネットユーザー(22億7千万人)の20%以上で、
Facebookの利用者数は10億人を突破。それに相応して、
ハードウェアやソフトウェアを扱うMicrosoftやAppleの売上はうなぎ昇りである。
もうお気づきだと思うが、『GAFMA』とは、巨大IT企業の頭文字を組み合わせた造語のこと。
これら5社を出版業界では脅威的な存在とみなし、そう呼んでいるのだ。
世間の“アナログ離れ”に対して今後出版業界はどう対応していくのか。
デジタル事業に太刀打ちするという概念ではなくGAFMAを事業パートナーとして考え、
独自のマーケットを確立することが生き残る術なのかもしれない。

02「石岡瑛子」
- ■ 第85回アカデミー賞 衣裳デザイン部門ノミネート
- ■ 世界に誇る日本人女性芸術家
先日発表された第85回アカデミー賞。
その中で全世界の注目を集めた日本人女性がいる。
その人こそ昨年1月に死去した芸術家「石岡瑛子」氏だ。
石岡氏は、フランシス・フォード・コッポラ監督作『ドラキュラ』(’92)で
アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞。北京五輪では、
開会式の衣装デザイン監督を務めるなど、映画のみならず、
舞台、広告、グラフィックデザインなど様々な分野にわたって活躍した、
まさに日本が世界に誇るデザイナーの一人である。
そして今回、彼女にとって遺作となった『白雪姫と鏡の女王』で
見事、衣装デザイン賞の候補に選ばれたのだ。
発表・授賞式は今月24日。デザインを志す若者からはもちろん、
多くの映画ファンからリスペクトされる芸術家の受賞に
今世界中から注目が集まっている。

03「音スタ!」
- ■ 低価格の楽器レンタルサービス
- ■ 弦楽器から木管楽器まで豊富な品揃え
バンド活動を通して
成長していく女子高生たちの日常を描いたアニメ『けいおん!』のヒットや、
人気アイドルグループのバンド形式による楽曲を機に再燃した若年層のバンドブーム。
しかし楽器は一般的に高価なので、すぐに購入することは難しい。
そんな中、楽器を定額でレンタルできるサービス「音スタ!」が注目されている。
楽器は弦楽器から木管楽器まで幅広く取り揃えられ、
初心者から経験者までのニーズに応えられるようになっている。
実際にレンタルした楽器を気に入った場合は、差額を支払い購入することも可能。
安価なものであれば1ヶ月1000円程の費用で利用できるのも魅力的。
楽器に興味がある方も、青春時代を音楽と共に過ごした方も
気軽に利用してみてはいかがだろうか。

04「ユーグレナ」
- ■ 新規上場会社が連日ストップ高
- ■ その未来に向けた事業内容とは?
昨年12月に新規上場をはたした「株式会社ユーグレナ」。
上場以来連日株価を伸ばしているこの会社は、
なんと水中に生息するミドリムシ(ユーグレナ)の研究、開発を行なっている。
ミドリムシは動物と植物の中間にある生物で、その両方の栄養素を持っている。
温暖化ガスのCO2を吸収したり、バイオ燃料として使用できるなど、
その特徴をいかして多くの分野で利用が見込まれているという。
今までは実験室の中で少量の培養しか行えなかったが、
ユーグレナ社が世界で初めて大量培養に成功。現在はCO2の吸収ができる培養プール、
ジェット機の燃料としての実用化を目指している。不況と言われて久しい中でも、
目の付け所を改めれば、人にも地球にも優しいビジネスが生まれる。
小さなミドリムシが生み出す大きな可能性に、さらに注目が集まっていくことだろう。

05「マクド難民」
- ■ ネットカフェよりも安いファストフードで夜を明かす人が急増
- ■ 一般客が入りづらいという店舗イメージにも
住居がなく、ネットカフェに寝泊りする人たちを指した、
ネットカフェ難民という言葉が生まれたのは2007年のこと。
しかし、そのネットカフェにすら泊まれず、
マクドナルドなどのファストフード店で夜を明かす“マクド難民”が急増しているという。
1杯100円のコーヒーを注文し、朝までテーブルに突っ伏して過ごす。
確かに、冬の路上では凍死してしまうこともあるし、
襲撃されるという危険性も否定できない。しかし、一般客が入りづらい雰囲気となり、
店舗のイメージダウンにもつながってしまう。
店舗側では、寝ている客に声をかけるなどの対策はしているが、
その効果には限度がある。店舗側なのか、政府なのか、
新たな対応が必要とされているのではないだろうか。

06「押し買い」
- ■ 急増する“押し買い”被害
- ■ 規制開始により、問題の認知度向上へ
今月10日、衆院本会議では「押し買い」を規制するための法改正が行われた。
聞きなれないこの“押し買い”という言葉。これは押し売りの反対で、
査定を頼んでもいないのに自宅へ押しかけ、
相場よりも安く貴金属の買取を行う営業のこと。
金の価格高騰とともに、国民生活センターへの相談も急増し、
年4100件もの被害が報告されていたという。
今回の法改正の大きなポイントは、
依頼のない買取の禁止、クーリング・オフの適用、書面の交付義務がある。
この改正により被害は減ると見られているが、
そもそも“押し買い”という行為自体が知られていないという問題もある。
トラブルに巻き込まれないためにも、
生活者として普段から予防意識を高めておくことも大切だろう。

07「心のノート」
- ■ 廃止になった道徳の教材が復活
- ■ 軸のぶれない教育が求められる
人と支え合って生きることの大切さ、
相手を思う気持ち、礼儀、コミュニケーションの仕方。
こうした社会規範や個人の生きる姿勢を、子どもに学ばせるために必要なことは何か。
それは教科書を開くよりも、家庭や地域、学校などの実生活で学ぶべきことであり、
無用な教材を配布する必要はない。
そんな民主党の意向によって廃止されていた、
小中学生を対象にした道徳の教材である心のノートが、
自民党政権によって復活するという。その年間予算は6億円ほどと言われている。
だが、いちばんの問題は予算の金額ではなく、
政権の交代によって首尾一貫とした教育が施されていないことだろう。
ゆとり世代などという言葉が生まれたように、
世代間で教育の軸がぶれてしまっては、日本の将来に影響を及ぼしかねない。
目先の予算よりも、中長期を見据えた政策を求めたいところだ。
