01「農地集約」
- ■ 農地の貸し借りを仲介
- ■ 国内の農業を強化
TPP参加に際し、日本の農業のあり方が大きく揺れている。高齢化や生産コスト高によって、安価な海外の農作物に対して苦戦することが指摘され、特に米の関税が撤廃された場合、農家に壊滅的なダメージをもたらすという声も…。これを踏まえ、農林水産省は日本の農業を強くし、再生させる為に農地中間管理機構(仮称)を設置する方針を打ち出した。大規模生産者と小規模農家との間で農地の貸し借りを仲介し集約することで、農地経営の拡大化と、農地利用の効率化を図るというものだ。現在も法人が農地売買の仲介を行っているが、財政基盤が弱いため、規模が拡大できていない。そこで、国費を投入することにより抜本的改革を行う方針となったのである。国内農業の競争力を高める施策は他にもあるが、今後はより具体的な見直しが必要となってくるだろう。

02「テレビの手」
- ■ ステッキを振るだけでテレビを簡単操作
- ■ なんでもない日常にエンターテインメント性を
テレビのリモコン操作、特に意識するようなこともない日常生活の一部である。その日常にエンターテインメント性を付加してくれるのが、タカラトミーアーツより発売される『テレビの手』だ。外見は、よくクイズ番組に使用されるような指差し棒。これをテレビに向かって振るだけで、電源のON/OFFやチャンネルの切り替え、ボリュームの調節ができるのだ。本体の動きに連動して流れるサウンドとも相まって、幼い頃に憧れた魔法使いのような気分を味わうことができる。ちなみに同社はポテチ専用のマジックハンド、『ポテチの手』も発売中。快適ライフ…かどうかはわからないが、このふたつのアイテムで、なんでもない日常を遊び心で彩ってみてはいかがだろうか。

03「クラゲ債」
- ■ 水族館の改修費調達
- ■ 20分で3億円分が完売
クラゲの展示種類数世界一を誇る山形県の加茂水族館を改修するため、市が公募債を発表。1口10万円で3億円分募集したところ、わずか20分で売り切れてしまった。現在の地方財政は、税収低下や社会保障費の増加によって財源確保が難しくなっている。そんな中、1日に100件の問い合わせが集まるほど『クラゲ債』は注目を浴びている。もともと昭和39年に開館した加茂水族館は、年々入場者数が落ち込んでいたが、クラゲ展示に注力したことで人気が復活。昨年4月にはクラゲの展示種類数がギネス認定を受け、入場者数も過去最高の約27万人を記録していた。行動展示に注目することで復活した旭山動物園も同様だが、何かひとつに特化することが、利用客増の突破口となる。このケースは、他の自治体へのヒントになるかもしれない。

04「片道定期券」
- ■ 震災の影響で運行本数が減少
- ■ 朝の通学を想定した定期券
東日本大震災の影響で車両が整わず、通常より運行本数が減ってしまっている三陸鉄道。電車を利用する学生は、登校時間は決まっているものの、クラブ活動などによって下校時間は異なる。しかし、それぞれの下校時間に対応できるほど、運行本数を確保できないのが現状だ。そこで発売されたのが、『片道定期券』。登校時のみ電車を利用し、下校は親御さんの迎えの車で…という学生が増えたため、今年4月から始めたサービスだ。料金は通常の40%引きで、利用期間は来年の3月までを予定している。現状でできる利用者への最大限の配慮だが、毎日の送り迎えという時間と労力を考えると、やはり負担は大きい。少しでも早く通常運行の再開を期待したいところだ。

05「地下鉄24時間化」
- ■ 変化の大きさに国民は賛否両論
- ■ 実現には十分すぎる検討が必要か
とうとう日本の“終電”という言葉が、死語になる日が来るのだろうか。 先日、政府が行った産業競争力会議の中で、“アベノミクス戦略特区”の1つとして『鉄道24時間化』の検討を始めるとの発表があったのだ。世界一ビジネスのしやすい事業環境を目指し、景気回復を図ることが第一の目的のようだが、これには賛否両論。効率や利便性の向上によって経済効果が見込める一方で、 “終電”というリミットが無くなることによる騒音問題や治安悪化、ブラック企業による際限のない残業勤務の横行など、マイナス要素も尽きない。生活時間に影響を与え、社会全体を大きく左右する大胆な施策なだけに、リスクを十分に考え、慎重に答えを出す必要がありそうだ。

06「ONLY FREE PAPER」
- ■ 大人気フリーペーパー専門店
- ■ 紙媒体の可能性と魅力を体感
「紙メディアとフリーの可能性を追求していき、デジタルとは違った、実際に手に取ることが出来る素晴らしさを伝えていきたい」。こんな思いから渋谷にオープンしたフリーペーパー専門店『ONLY FREE PAPER』。その名の通り、フリーペーパー=無料で読める印刷メディアのみが置かれている書店のことである。個人が作るものから企業が発行するもの、地域に根ざしたものや一つのカルチャーに特化したものまで、個性的な情報が表情豊かな「紙」を通して見ることができる。利用料と設置料ともに無料なこともあり、最近では資金の少ない若い学生を中心に人気を集めているとか。「紙媒体の衰退」「活字離れ」などがささやかれるこの時代に、紙媒体の新たな可能性と魅力を体感しに行ってみてはいかがだろうか。

07「世界同一賃金」
- ■ グローバル企業の新たな試み
- ■ 世界中から優秀な人材を集めるための決断
人口減による国内市場の縮小が指摘される中、新たなマーケットを求めてすでに多くの日本企業が海外進出を果たしている。社内公用語を英語にするなど、世界を舞台にビジネス展開するうえで、企業内に新たな基準を設ける動きが活発化している。先日ユニクロが導入を発表した『世界同一賃金』も、この流れを汲む動きといえそうだ。その骨子は、日本でも、物価水準の異なる新興国の社員でも、統一した賃金体系で公平に賃金を支払うというもの。もちろんすべての社員に適用されるわけではなく、役員や一部の管理職がその対象として考えられている。国籍にとらわれず優秀な人材を登用するためのこの試みが、企業の成長や企業風土にどのような影響を与えていくのか注目したい。
