01「言論カフェ」
- ■ 言論好きの知性派が集まる新型カフェ
- ■ 議論の“場”をつくることがイノベーションを生む
“会いに行ける哲学者”、“会いに行けるプログラマー”をコンセプトに掲げ、言論好きが集まるカフェとして今話題となっている『言論カフェ』。経営者によると、難しい論文を書くだけが思想や哲学の道ではなく、知的な会話を繰り広げるための“場づくり”が重要であるという。例えばプログラマーなど、専門性や独自の思想を持った者同士に交流の場を提供すれば、何か新しいものが生まれるだろう、というわけだ。店内にはあらゆるジャンルの思想書や哲学書がズラリ。文系・理系問わず多くの知性派が集まり、交流しているという。このように、各々が専門分野について言論できる場は、日本の知的発展、ひいては創造力育成に大きな影響を与えてくれるのではないだろうか。ここから発信させる新たなイノベーションに期待したい。

02「ヘイトスピーチ」
- ■ 論理を超えた言葉の暴力
- ■ “言論の自由”との狭間に揺れる差別問題
人種差別をめぐる事件が相次ぐ日本。例えば、新大久保では“嫌韓デモ”が毎週のように起こり、差別問題は激化するばかりだ。これら、憎悪にもとづく発言、差別的行為を煽る言動のことを『ヘイトスピーチ』と呼び、世界的な問題として取り沙汰されている。イギリスやカナダなどのように、“人種的嫌悪を煽動した者は懲役刑に処される”といった法規制が存在する国もあるが、日本では“言論の自由”との兼ね合いもあり、明確に線引きがされているわけではない。最近ではネット上で差別発言を見かけることも多くなり、“発言の場が増えたからこそ、もっと差別に対して敏感になるべき”という声も…。国がどのような対策をとるべきなのか、主張はそれぞれだが、いずれにしても規制に対する真剣な議論が必要になりそうだ。

03「林修」
- ■ 予備校講師がお茶の間の人気者に!
- ■ 今年の流行語大賞の最有力候補!?
今年の流行語大賞には、間違いなくノミネートされるであろう、あのキャッチフレーズで有名な現役予備校講師の林修氏。個性的なキャラクターが多い東進ハイスクールの講師陣の中でも、群を抜くインパクトをお茶の間に残していた。その実力(?)が認められ、大手企業のCMに出演したことが脚光を浴びるきっかけになった。今ではバラエティ番組にひっぱりだこで、いわゆる芸人でいうところの一発屋に近い存在だが、本業はあくまで予備校講師。わかりやすい講義で多くの生徒から支持を集めているとう。政治も、経済も、ビジネスも、停滞ムードからなんとなく抜け出せそうな今の日本。そんな時だからこそ、「いつやるの?」という問いかけに、「今でしょ!!」と誰もが答えたがっているのではないだろうか。

04「ハイテク駐輪場」
- ■ 変化を遂げた街角の駐輪場
- ■ ハイテクとキレイ化で放置自転車減少
空気を汚さないエコな乗り物として、近年自転車通勤やコミュニティサイクルが注目を集めている。その一方、放置自転車の被害が増加しているのも事実。そこで密かに需要が増えているのが、機械が全自動・高速で入出庫を行う立体機械式駐輪場『ハイテク駐輪場』だ。まず入出庫ブースの前に自転車をセットすると、機械が前輪の車軸をキャッチ。そして、ブース内へ引き入れ、空いているラックに自動収納する仕組みとなっている。気になる出庫にかかる時間は、たった15秒と短く、収容台数も約6,000台という前代未聞の数だ。この駐輪場の導入により、駅前の放置自転車の数が急激に減少したという結果も出ている。環境問題の対策や健康増進指向などから自転車利用に対するニーズも高まっている今、ハイテク駐輪場のような未来を見据えた施策が今後求められるだろう。

05「震災遺構」
- ■ 震災の爪痕残る気仙沼市
- ■ 今、後世に残すべき遺構とは
2011年に起こった東日本大震災により、多くの人や民家が津波によって流された。流されたのは民家だけではない。宮城県気仙沼市鹿折区には、大型漁船「第18共徳丸」が打ち上げられ、今も当時のままとなっている。民家が流されて更地のようになった場所に不恰好に存在しているその船は『震災遺構』と呼ばれるものの一つだ。この共徳丸においては、震災の爪痕を風化させないため保存することを推す賛成派と、被災者の気持ちや保存費用の負担などを懸念する反対派で意見が対立している。すでに住民の苦情を聞き入れた船の所有者から撤去表明がされたが、その後の船の保存を求める住民からの問い合わせの多さに現状は凍結状態にある。今、私たちは何を無くし、何を後世に残すべきか。一概に答えが出せないこの問題の議論はこれからまだまだ続きそうだ。

06「アフリカ開発会議」
- ■ 国際的に注目されているアフリカ経済
- ■ 支援では中国の後を追う日本、会議後の支援で巻き返しを狙う
今年6月1日~6月3日の横浜で、『第5回アフリカ開発会議』が行われた。この会議では、アフリカのおよそ50ヶ国の首脳らが出席するほか、国連の事務総長など国際機関の代表も参加。豊富な資源や成長が見込まれ、近年国際的に注目されているアフリカに対しての技術支援や貿易について話し合った。この会議の狙いは、開発中のアフリカに積極的に支援することで、日本の国連安保理常任理事国入りに向けてアフリカ諸国の支持を拡大することだ。横浜市を上げてのイベントの盛り上がりでアフリカとの親密さをアピールしたい日本だが、日本の倍以上の開発支援を行い、天然資源獲得を狙う中国や韓国などより出遅れているのが現状。今回の会議により、援助や投資が以前より加速した日本の、今後の巻き返しにしばらく目が離せそうにない。

07「アイトラッキング分析」
- ■ ページ内での目線の動きを分析
- ■ Webサイトの品質向上を促進する可能性
多くのWebサイトは、それぞれ目的を持っている。例えば、商品を購入してもらうためのECサイト、情報を告知するためのキャンペーンサイトなどである。それらの目的をより効果的に実現するため、ユーザーの行動を知るべくアクセス解析を行い、制作者はその結果をサイト運営や次回の制作に反映していく。だが、それでもユーザーの動きを正確に把握するのは至難の業。そこで現在注目されているのが、『アイトラッキング分析』だ。眼球や角膜反射を赤外線でとらえ、ユーザーの視線がどこへ向けられているのかを抽出。そして、ユーザーが実際はどの情報を見たかったのか、逆にどこが見られていないのかを正確に把握することができるのだ。もちろんそのデータを分析し、どのように役立てるかは制作者次第ではあるが、Webサイトの品質が劇的に向上する可能性のひとつではないだろうか。
