01「ノンフライヤー」
- ■ 油なしで揚げ物ができる高機能フライヤー
- ■ 2013年上半期ヒット商品 第5位!
子どもから大人まで幅広く愛される定番メニューでありながらも、調理や片づけが面倒な揚げ物。しかし、そんなわずらわしさを解消する画期的な調理家電が登場した。それが『ノンフライヤー』だ。熱と空気、食材に含まれる油分を使って食材全体を一気に加熱するため、手軽かつスピーディーな仕上がりだ。さらに、低カロリーでありながらもサクサクの食感が楽しめる。健康のために油を控えている方や小さな子どものいる家庭はもちろん、料理が苦手な方にもうってつけ。4月の発売以来人気が爆発し、日経トレンディが発表した「2013年上半期ヒット商品ベスト30」では5位に入賞。現在も品薄状態が続いているのだとか。技術の発展が食の楽しみを広げた商品と言えるだろう。

02「ロコモ」
- ■ メタボに続く新たな国民病
- ■ 知らないうちに要介護状態のリスクが高まっているかも!?
ロコモティブシンドローム、略して“ロコモ”。ロコモとは、運動機能の低下により立ったり歩いたりすることが困難になる状態のこと。かつて話題になったメタボ(メタボリックシンドローム)と並ぶ深刻な社会問題として、近年予防啓発が推進されている。「手すりがないと階段を上れない」「15分くらい続けて歩くことができない」「片足立ちで靴下がはけない」などのチェック項目に1つでも当てはまれば、すでに運動機能が衰えているサインだ。2020年には国民の約30%が高齢者になると言われている日本。寝たきりや要介護の原因となるロコモは、新たな国民病として懸念されている。加齢に伴いそのリスクは誰でも高まるが、将来の健康のためにも今から対策を考えておきたいものだ。

03「河合隼雄物語賞」
- ■ 特定の出版社に依存せず物語性を審査
- ■ 独立系文学賞が新たな才能の発掘の場に
多くの作家の目標となる文学賞。「直木三十五賞」や「芥川龍之介賞」といった代表的なものから、「三島由紀夫賞」「吉川英治文学賞」…などなど、その受賞対象や審査基準は多岐にわたる。このたび新設された『河合隼雄物語賞』も文学賞の1つであるが、従来のものとは一線を画している。そのもっとも大きな違いは出版社だ。前述した各賞は大手出版社が主催もしくは後援しており、「その出版社の作品が有利なのではないか」と度々揶揄されている。だがこの『河合隼雄物語賞』は、出版社が介入しない独立系の文学賞なのだ。また児童文学や、過去2年分の作品も対象となることから、より多くの受賞チャンスが与えられることとなる。出版不況といわれ続けて久しいが、やはり本当に良い作品は評価され、私たちを楽しませてくれる。こうした文学賞が増えることにより文壇が活性化し、より新たな才能が私たちのもとへ届くことを期待したい。

04「ケアラーズカフェ」
- ■ 日本初のケアラーに注目したカフェが登場
- ■ ケアする人たちで共有する癒しの空間
東京の阿佐ヶ谷に、今話題のカフェがある。その名も『ケアラーズカフェ』。ケアラーズとは家族を介護する人を指し、そのコンセプトはずばり「介護者のためのカフェ」だ。ここは、介護者同士がお互いの悩みを話し合ったり情報交換することができる、コミュニティの場としての役割を持っている。近年、真面目な介護者ほど抑うつ状態になりやすいことも明らかになっている。その解決策として、メディアにも取り上げられ、介護者はもちろん、一般客にも話題になっている。このような利用者の共感を呼んだことがきっかけで、同様のコンセプトカフェは都内にかぎらず全国に広がりつつあるようだ。今後増えていくことが予想される介護者人口。少しでも心の負担が軽くなり、介護者、要介護者とも明るい生活が増えていくことに期待したい。

05「共通番号制度」
- ■ 情報の一元管理で正確&便利に
- ■ 情報漏えいに対する不安の声も…
年金の不払い、生活保護の不正受給、脱税。これらの問題はすべて、行政機関が国民一人ひとりの情報を正確につかみきれていないことに端を発している。税の記録は税務署が、年金の記録は日本年金機構がといった具合で、それぞれ管理の仕方が異なっている。共通番号制度は、国民全員に番号を割り振り、個人情報をネットワークでつないで必要な情報を関係機関が自由に取り出せるようにする試みだ。似たような仕組みのシステムとして住基ネットがすでに導入されているが、こちらはあくまで本人確認に関する情報の扱いに留まる。共通番号制度で行政が取り出せる情報は、公営住宅を借りた記録や奨学金など93項目にも及ぶ。つまり1つの番号のデータを見れば、一人の人生がおおよそつかめるといっても過言ではない。それだけに、この膨大な情報を本当に安全に管理できるのかと不安視する声も少なくない。

06「パズドラ」
- ■ 前代未聞の大ヒットスマホ用アプリ
- ■ 2013年上半期ヒット商品 第2位!
累計1,300万ダウンロードを突破し、日経トレンディ「2013年上半期ヒット商品ベスト30」で2位に選ばれた、スマホ用アプリ「パズル&ドラゴンズ」通称『パズドラ』。単純なパズルゲームとRPGを融合させたこのアプリは、基本的に無課金でプレイでき、無料でも充分楽しめるのがヒットの理由だ。また、スマホアプリならではの、まめなバージョンアップで、登場モンスターが続々と追加されるなど、プレーヤーを飽きさせない仕掛けがユーザー増加に繋がった。最近ではTVCMの効果もあり、日ごろゲームをしない層へのアプローチも抜かりなく、ますます注目されている。社会現象を起こした前代未聞のスマホゲーム。2013年下半期も、ゲーム業界にとって台風の目になることは間違いなさそうだ。

07「機能性野菜」
- ■ 違うのは、見た目ではなく中身!
- ■ 日本の輸出の未来は明るいか?
いま、見た目は同じでも、栄養素をウリにした野菜が注目されている。その野菜は「機能性野菜」と呼ばれている。人工的にトマトのリコピン含有量を多くしたり、野菜には含まれない栄養素をカイワレ大根に含ませるなどの研究が注目されている。その背景にあるのは安倍内閣が掲げた農業所得倍増計画だ。国産野菜に「従来より栄養素が豊富な野菜」という付加価値を付け、海外に積極的に売り込み、輸入自由化に伴って国内の販売が低迷しがちな農業を輸出で回復する考えだ。輸入野菜と比べて少し値が張ることが不利だった国産野菜の新たな方向性は、日本輸出経済の活路となり得るのだろうか。今後の展開に注目していきたい。
