01「江戸城再建」
- ■ 東京五輪で海外にアピールできる歴史的建造物として
- ■ 国家的事業となると税金投入がネックに
2020年の東京五輪開催が決定し、日本中が沸き立つ中、江戸城の天守を再建するという案が議論を呼んでいる。提案しているのは、NPO法人「江戸城天守を再建する会」。東京には、日本ならではの歴史や文化を誇れる建造物が少ない。そこで、江戸時代に幕府の中枢として、その後は宮城として、日本屈指の壮麗さを誇った江戸城を再建しようというのだ。この計画は、政界にも支持者が多く、費用は協賛する企業や支持者から寄付を募ることで賄うとされている。だが、予想される費用は400~500億円。国家的事業となれば、税金の投入も視野に入ってくるだろう。実現可能で、かつインパクトを与えられるアイデアとして注目されているが、震災の復興や首都高老朽化など、他にやることがあるのでは…という意見も多い。ビル群にそびえ立つ天守閣も見てみたい気がするが、果たして実現するのか、その動向が注視される。

02「ドライエイジングビーフ」
- ■ 牛肉の旨みを凝縮した贅沢な味わい方
- ■ 霜降り肉とはまた違うおいしさをご堪能あれ!
昔から「肉は腐りかけがおいしい」といわれる。その理由は、酵素の働きで肉が熟成され、成分が凝縮されることによるという。“牛肉の旨みを味わえる究極の技法”として近頃注目を集めるのが「ドライエンジング技法」であり、それによりつくられるのが『ドライエイジングビーフ』だ。温度は1℃、湿度は70~80%帯にキープした庫内で、風を当てながら1ヵ月ほど熟成させた赤身肉は、驚くほどやわらかく芳醇だ。さらに、乾燥により水分や脂肪分が少なくなるためヘルシー。牛1頭から販売できる生肉の量を100%とすると、ドライエイジングビーフは60~65%。管理の手間や採算性の低さを考えると、非常に貴重で贅沢な食べものだ。赤身肉がよく食べられる欧米では古くから伝わる技法であり、限られたステーキハウスでないとドライエイジングビーフは提供していないという。欧米の知恵が生んだ贅沢な赤身肉を、ぜひ味わってみてはいかがだろうか。

03「嚥下食」
- ■ 食べやすさには工夫が!
- ■ 食は味だけでなく見た目も重要!
食事の楽しみは、味だけでなく“見た目”にも大きく左右される。今、介護の現場で利用者が増えている『嚥下食(えんげしょく)』に注目が集まっている。これは、摂食・嚥下障がい者を対象とする、物性や食形態を重視した食事の総称で、嚥下(飲み込む)しやすいように加工された食品のことを指す。飲み込めるように柔らかいペースト状になっているのが特徴だ。また、食欲を高めるため、味付けや盛り付け(見た目)にこだわったものが多く、本物のような盛り付けや味を競うレシピコンテストも行われている。高齢化先進国といわれる日本は、摂食・嚥下障がいを抱える人も増加しているという。毎日の食事だからこそ、いつまでも楽しく食べたい。そんな高齢者の願いを叶えるのは、ちょっとした気遣いと工夫のようだ。

04「クッキークリッカー」
- ■ 中毒者続出の無料ブラウザゲーム
- ■ Twitterを中心に大流行中!
かつて話題を呼んだなめこ育成アプリのように、人々が求めているのはシンプルなゲーム構成なのかもしれない。この頃、Twitterを中心に大流行している無料ブラウザゲーム『クッキークリッカー』。そのゲーム性はいたってシンプルだ。画面上に表示されるクッキーをクリックするとクッキーが生産される。それを元手にクッキーを生産するキャラクターや施設を追加していき、さらに量産していく…というわけだ。ゲーム内の生産用コンテンツが拡充されると、1秒に数万枚~数億枚のクッキーを生産できる。単純明快なゲーム構成と中毒性の高さから夢中になる人が続出し、非公式の日本版も登場したという。インターネット上ではゲーム内の登場キャラクター「Grandma」を描いたイラストなども多数登場しており、Twitterを媒介に爆発的な広がりを見せた一例と言えるだろう。

05「反転授業」
- ■ 「家で宿題」はもう古い!?
- ■ 動画を活用した新しい教育手法
学校に出席して授業を聞き、家に帰って宿題をする。そんな一般的な学校教育のあり方に変化が現れ始めていることをご存じだろうか? そのきっかけの1つとなったのが、アメリカのマイケル・サンデル教授による白熱教室である。時事的な問題を絡めながら、学生たちと意見を交わして進める講義は人気を博し、その模様を収めた動画は世界中に配信された。自宅にいながら学校の授業を受けるスタイルが広まったのだ。これが『反転授業』と呼ばれる、従来と異なる教育の手法の特徴である。つまり、学生たちは自宅で動画を通じて基本的な知識を学習し、学校では学んできた知識をもとに議論を重ね、発展的な課題に取り組むのだ。学生の学習意欲次第で大きな学びが得られるこの手法は、小中高を問わず、さまざまな教育現場で取り入れられはじめている。

06「いちなべ家」
- ■ 吉野家から“一人鍋専門店”登場!
- ■ 鍋を一人で気軽に食べてもらいたい
一人カラオケ、一人焼肉、そして今度は“一人鍋”の登場だ。先日、吉野家が一人鍋専門店『いちなべ家』の1号店を東京都千代田区にオープンした。ターゲットは20~30代の働く男女で、栄養が豊富にとれる鍋を一人でも気軽に食べてもらうのが狙いだという。店内の座席はすべてカウンターとなっており、テーブルにはひと席ごとにIHクッキングヒーターを設置。気になるメニューは、「牛すき鍋」「豚しゃぶ鍋」「ちゃんこ鍋」「坦々餃子鍋」と、定番からシーズン・トレンドモノまで、またあっさり系からこってり系まで幅広く選べるようになっている。今後、3年で10店舗の出店を目指しているという一人鍋専門店。一度足を運んでみてはいかがだろうか。

07「税抜き表示」
- ■ 確実視される税率引き上げ
- ■ 表示の違いで混乱を招く可能性も
2014年4月の消費税率引き上げが確実視される中、引き上げを見越して10月から『税抜き価格表示』が解禁される。税抜価格表示は、2004年に値札や広告などで価格を表示する場合に、本体価格と消費税を合わせた“総額表示”を義務付けられて以来、約9年半ぶりとなる。これは、消費税の引き上げが2014年4月および、2015年10月の2段階にわたって行われる予定のため、事業者などが価格を転嫁しやすい環境を整備するのが目的だ。しかし、今回の解禁によって、①本体価格のみの表示、②本体価格と税込み価格の併記、③税込み価格のみの表示、の3種類の価格表示が混在することとなる。そのため、生活者の混乱を招くのではないかと懸念の声も上がっている。今、急ピッチで表示変更準備が進められる中、企業だけでなく生活者にも分かりやすい売り場や環境づくりが求められるだろう。
