これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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01「ユマニチュード」

  • ■ 模索の続く認知症ケアに射し込んだ一条の光
  • ■ 見つめ、言葉を交わし、触れ、自らの足で立たせるケア

高齢化に伴い、認知症の入院患者も増えている現状。患者の中には、入院や治療の理由を理解できずに暴れたり、点滴を嫌がって自ら抜いてしまう人もいる。なかなかうまくはいかない認知症患者のケアに、悩む看護師も多いという。そこで近頃注目されているのが、フランス生まれの認知症ケア『ユマニチュード』だ。ユマニチュードは(1)見る、(2)話しかける、(3)触れる、(4)立つ の4つの柱で成り立っている。そして、治療時にはなるべく患者と同じ目の高さで、会話を楽しむかのように前向きな言葉を選んで話しかける。すると、尊厳ある1人の人間として扱われたと感じ、患者も少しずつ変わっていくという。このケア法の導入により、治療に非協力的だった人が快く応じてくれるようになったり、発祥の地であるフランスでは、向精神薬の処方が減るなどの効果が報告されている。大切なのは「人としてのケア」。人と人が対峙するコミュニケーションこそが、これからの時代には必要なのだろう。

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02「母乳バンク」

  • ■ 新生児を助ける日本初のシステム
  • ■ 新生児を病気から守るのはやはり母の力!

東京都の昭和大学小児科に、日本初の『母乳バンク』が誕生した。母乳バンクとは、病気や早産で母乳が出ない母親の代わりに、別の女性の母乳を提供するシステムのこと。早産などで小さく生まれた赤ちゃんは、免疫力の働きが未熟なために様々な病気にかかるリスクがあり、それを下げる役割を持つ母乳は粉ミルクでは代用できない。高齢出産や多胎などの影響によって身体の小さな赤ちゃんが産まれるケースが増加していることから今回の設置が行われた。すでに欧米などでは母乳バンク教会を介して広く普及しているが、日本ではまだまだこれから。日本全国にいる“お母さん”の母乳で、多くの赤ちゃんを救える日もそう遠くないだろう。

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03「ボスポラス海峡トンネル」

  • ■ アジアと欧州をつなぐ夢の海底トンネル
  • ■ 世界に示した日本の技術力

イスタンブールを東(アジア)と西(欧州)に分けるボスポラス海峡。この海峡にトルコ国民の悲願とも言える海底トンネルが開通した。1日に150万人を運ぶ見通しとされるこのトンネルは、アジアと欧州間の渋滞を緩和し、都市機能を高めることが期待されている。日中は乗客用、夜間は貨物列車が走行し、将来は欧州と中東・アジアを結ぶ物流の動脈も担う。また最も注目すべき点は、この工事を日本の大成建設が手掛けたということ。ボスポラス海峡は海流が早く、トンネル建設は不可能と言われていたが、大成建設は11の箱形の構造物を海底に沈めてつなぐ沈埋工法を採用。この工法としては世界最深のトンネルだそうだ。着工から約9年。世界が認めた日本の技術力を、一目見に行ってみてはいかがだろうか。

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04「ホームレスお断り」

  • ■ 議論を巻き起こした一枚の貼り紙
  • ■ 一人ひとりの視線が社会の空気をつくる

ある一枚の貼り紙をめぐって、議論が巻き起こっている。その紙には、当店の利用にそぐわない方(不衛生・ホームレス等)はお断りと書かれている。掲示したのは、マクドナルド京王八王子店で、その内容が人権侵害や差別にあたるのではないかと、ネット上を中心に批判が起こった。店長の判断で掲示したこの貼り紙はすでにはがされ、マクドナルド社は内容が不適切だったことを認めて公式に謝罪している。たしかに衛生的ではないホームレスの方を見かけることは少なくない。しかし、このような言い分がまかり通ったら、いったい彼らはどこに行けばよいのか。国のセーフティーネットによるサポートは重要だが、彼らを包む社会の空気感を偏見一色に染め上げてはならない。

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05「スーパー高齢者」

  • ■ 中年世代並の記憶力を持つ高齢者
  • ■ 思考力や記憶力を司る脳の一部に秘密が

通常、人間は高齢になるほど思考力や記憶力が低下してゆく。だが、歳を重ねて80~90代となっても、中年世代を上回る高い思考能力を持つ高齢者がいるという。その人たちは「スーパー高齢者(super agers)」と呼ばれ、長年にわたり研究者たちを魅了し続けている。その秘密は全帯状皮質や大脳皮質という、脳の思考を司る部分にあるという。老化に伴い、普通であれば灰白質や脳細胞が消失してゆくが、スーパー高齢者の場合は活発でい続けるのだという。そして近年では、こういったスーパー高齢者を選抜し、その脳の秘密や生活習慣について調べる研究が進んでいる。この研究が進むことにより、現状では根本的治療法がないとされているアルツハイマー病などの改善に一歩近づくのではないだろうか。

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06「サロネーゼ」

  • ■ 自宅で趣味を活かした教室を開く女性たち
  • ■ サロネーゼに注目する企業が急増中!

自宅をサロン(教室)にして、料理やフラワーアレンジメントなどを教えている女性たちが増えている。その名も通称『サロネーゼ』。とある女性誌の編集長が、当時流行していた「シロガネーゼ」に似せて「サロネーゼ」という造語をつくり、特集を組んだことがきっかけで、この言葉が広まったそうだ。中には約900人以上がサロンのキャンセル待ちをしているカリスマサロネーゼもおり、企業とのタイアップやメディアへの露出も多い。また、家庭生活と仕事を両立しているサロネーゼに憧れる女性たちも多いという。彼女たちは、プロでも通用する知識と技術、そして一般消費者の視点を併せ持っている。さらに、目利きの消費者としてSNSなどで強い発信力を持っていることから、サロネーゼとコラボしたビジネスが今増えている。プロとアマの垣根を越え、自分らしく輝くサロネーゼたち。新しいビジネスモデルをつくるのは、彼女たちかもしれない。

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07「近代マグロ」

  • ■ 近畿大学水産研究所がマグロの完全養殖に成功
  • ■ “世界初”なマグロに世界が注目!

海外でのSUSHI(寿司)をはじめとする日本食ブームの熱がまだまだ冷めやらぬ昨今、同時に話題に上がるのは年々酷くなるマグロの乱獲の問題だ。その問題解決の鍵として『近大マグロ』に注目が集まっている。近大マグロとは、近畿大学水産研究所が世界で初めて完全養殖に成功したクロマグロのことだ。養殖魚においては通常、稚魚を買ってから育てる方法が主流だが、近大マグロは人工孵化から育った親魚が生んだ卵を再び孵化させてから育てる。成功するまで32年を要したそうだ。肝心の味はというと、大阪と銀座に近大マグロ専門の店舗を出店し、行列ができるほどの評判である。今後、安定してマグロを提供し続けることが可能となれば、乱獲問題の解決だけでなく、日本の新たなブランドとして世界にアピールすることができるかもしれない。

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