01「PayPal」
- ■ プライバシーを守るネット決済
- ■ スピーディで安心、と利用広まる
ネットショッピングの際、クレジットカードの番号を打ち込みながら、ふと不安を感じたことはないだろうか。もしここから情報が洩れたら、自分のカード情報も世界中へ…。そんな心配が無用になるのが、全世界で2億アカウント以上が登録している『PayPal(ペイパル)』だ。口座を作り、カード情報を登録しておくと、そこからPayPalが支払を代行してくれる。従って、ショップにカード情報を知られる心配がなくなるのだ。また、万全のセキュリティ対策によってPayPalを利用する際に情報流出の可能性はごく低い。その一方で、商品の配達事故があった時は売り手が返金しなければならないという、PayPal独自の「買い手保護制度」が悪用されるというリスクもある。その結果、売り手が商品も代金もだまし取られたという事件も起こっているという。急速に日本でも広まりつつあるPayPalだが、利用には買い手のモラルも問われるのだ。

02「ロードプライシング」
- ■ 渋滞・大気汚染の解決策として期待される
- ■ すでに割引という形で導入も
激しい渋滞、大気汚染、それに伴うストレス。特定の道路に交通量が集中する以上仕方ないことと諦めている人が大半だろうが、それらの解決策の1つとして期待されるのが『ロードプライシング』だ。この施策は、特定の道路における自動車利用者に対して課金することで交通量の抑制を図るというもので、イギリスやシンガポールではすでに導入されている。現在、東京都でも導入を検討しているのだが、日本でも実は割引という形で実施されたことがある。首都高湾岸線など特定の道路を通る大型車の料金を割引することで、交通量をそちらに誘導し混雑区間の渋滞緩和を図ったものだ。しかし一般道の有料化となると、日本には有料の高速道路がすでにある以上、心理的な抵抗が大きい。渋滞の解決策として期待される一般道でのロードプライシングだが、具体的な効果については未知数の部分が多い。

03「小1の壁」
- ■ ワーキングマザーの悩みどころ
- ■ 子どもの孤独時間増の恐れ
最近ではますます共働き家庭が増え、託児問題が深刻化してきている。そこでどの家庭も直面するのが『小1の壁』だ。これは、子どもが保育園や幼稚園から小学校へ入学する際に起きる問題のこと。近所付き合いも希薄になりがちな今日では、安全面から学童保育に別途支払いをしてまで子どもを預ける家庭が増えている。しかし、預けることで出費がかさみ、その分親は働いて稼ぐ必要性がある。結果、親子で共有できる時間も減ってしまうのだ。親が面倒を見れなかったとしても、それまでは延長保育などで夜まで預かってもらえていた環境から一変し、小学校の授業終了時までしか大人の監視下に子どもを置いておけなくなってしまう。古き良き日本とまではいかなくとも、子どもが親や、家族と同じ時間を過ごしやすくすることが、これからの日本には必要なのではないだろうか。

04「MRAM」
- ■ 高性能メモリ誕生!
- ■ メモリから見る未来の生活とは
普段何気なく使っているスマートフォンやパソコンには、膨大な情報を記憶する「メモリ」と呼ばれる記憶装置があり、その中でも「RAM(Random Access Memory)」と呼ばれるメインメモリは、コンピュータの性能を大きく左右する重要な装置だ。近年、その新しいメインメモリとして『MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)』が登場し、IT界に革新を起こしている。MRAMとは、磁気によってデータを記憶するメモリのこと。従来のRAMは、回路が単純で扱いやすく安価なDRAM(Dynamic Random Access Memory)が主流だったが、時間による記憶内容の減少、コンピュータの電源を切ると記憶内容が消えてしまうなどの問題があった。しかし、MRAMはDRAMに比べ、低消費電力、記憶の高集積性の性能が5倍ほど向上している。これにより、数々のメモリに代わる次世代万能メモリとしての応用が期待され、日本も海外諸国と協力して製品化に向けて研究を進めているという。果たして、MRAMは未来のITと私たちの生活にどんな新しい可能性を生み出すのだろうか。

05「尖閣パンフ」
- ■ 領土問題に日本からの声明
- ■ 各国の理解と協力が解決の鍵
近年、中国との国際問題として度々ニュースに取り上げられている尖閣諸島。中国側の主張に対し、長い間日本は強い主張をしてこなかった。しかし最近、外務省が『尖閣パンフ』を作成したと発表した。これは、日本固有の領土である尖閣諸島(沖縄県石垣市)に関する、政府の見解や歴史的経緯をまとめたパンフレットのこと。資料や地図を多用して解説することで、パンフレットを通して、中国との間に領有権を巡る問題が存在しないことを主張している。今後は中国語をはじめ、ロシア語など10ヶ国語に翻訳したパンフレットも作成し、国際世論に訴える方針だという。互いの国の主張が異なる尖閣諸島問題。解決には世界各国の理解と協力が必要なため、パンフレットの効果に注目したい。

06「村上海賊の娘」
- ■ 14年度本屋大賞受賞作品
- ■ 例年以上にセールス伸ばし話題沸騰中
全国の書店員が“最も売りたい本”を投票で選ぶ、売り場発の文学賞「本屋大賞」。11回目となる今年度は、和田竜(わだ・りょう)の『村上海賊の娘』(新潮社)が大賞に輝いた。先日行われた発表会には、書店員をはじめ出版関係者はもちろん、多くの報道陣が集結。昨年、『海賊とよばれた男』で本屋大賞を手にした百田尚樹が、受賞後にテレビ露出が一気に増え、賞の認知を広げた効果もあり、マスコミ関係者は新聞や雑誌の記者以外にテレビやネットニュースなど多分野にも広がっていた。また、今回の受賞発表を受け、本屋大賞作品を含めたノミネート作品の大幅増刷が決定。消費者目線に近い書店員が選んだという信頼感から、例年以上にセールスも好調のようだ。電子書籍が注目され、「本離れ」がささやかれる昨今、「本屋大賞」がこれからの出版業界を支える上で、重要なキーワードになることは間違いなさそうだ。

07「超高速株取引」
- ■ コンピュータを使った株の自動取引
- ■ 日本の株価の乱高下の原因?
時間をかけずに、物事を効率化することが当たり前になっている世の中。そんな世相を表した問題が、株式市場にも存在する。それが『超高速株取引(HFT)』だ。これは、株の売買がコンピュータを使うことで1秒間に数千回も行われることが可能となり、自動的に売買が行われていることを意味している。つまり株式市場の大きな割合をこのHFT層が占めているため、株価の乱高下の原因のひとつになっているのだ。あまりの速さに、一般株主よりも早く未公表の情報を手に入れて、インサイダー取引をしているのでは? との疑いまで出てきている。結果として、一般株主にはその取引が不透明なものに見えてしまう。超高速株取引は市場の流れを活性化する一方で、特定の取引会社だけが、ハイテク化にするという格差を生じさせる問題もある。今後、すべての株主に平等なルールを設けることも、検討していかなくてはいけないだろう。
