01「蓄電池電車」
- ■ ついに電車も電池化?
- ■ エコと利便性の両立に成功
エコ活動の1つで話題になった燃料電池自動車につづき、電車にも“電池化”が進んでいる。そして今年、JR東日本は営業用車両として国内で初めて『蓄電池電車』を公開した。これは、大容量のリチウムイオン電池を搭載した、電化区間と非電化区間の走行が可能な電車のこと。電化区間がほとんどの都内に比べ、地方では非電化区間が多く、電車に代わってディーゼルエンジン(軽油)で走る車両が利用されていた。しかし、排ガスによる二酸化炭素の排出の多さなどの環境面での問題も少なくなかった。そこで、ディーゼル車両を蓄電池電車に変えたところ、二酸化炭素排出量の大幅削減につながったという。また、両区間が混在して乗り換え乗車が必要だった場所も、電化区間で充電した蓄電池電車で走ることで、直通運行が可能となったのだ。まさに、エコ活動と利便性の両方を兼ね備えたこの電車。地域の貴重な移動手段であるローカル鉄道の希望の光となるか注目である。

02「グリーンスクール」
- ■ 地球上で最もグリーンな学校
- ■ エコ魂を世界に発信!
地球温暖化、海洋汚染問題。いま地球は様々な環境問題に晒されている。そんな背景から人々のエコ意識やエコビジネスは、ここ数年で徐々に増加したと言えるだろう。そこから生まれたのが、インドネシアのバリ島にある『グリーンスクール』だ。グリーンスクールとは、自然と人との共存を掲げた学校のこと。世界中の環境意識の高い子ども達を対象に、未来のグリーン・リーダーを育てるために創立されたという。また、校舎は全て竹で作られ、電気は太陽光発電で賄われているという自然空間の中で学ぶことができる。「世界を変えるにはまず教育だ」という創始者の考えで作られたこの取り組みは、次世代を担う子供達に新しい教育方針を提供している。エコへの意識は、これから更に高まり続けていくだろう。

03「細胞医薬品」
- ■ ヒトの細胞から作る医薬品
- ■ 免疫系難病の救世主として期待
兵庫県の医薬品メーカーが、日本で初めて『細胞医薬品』を申請した。細胞医薬品とは、健康な人から採取した幹細胞を培養し、医薬品として使用するもの。今回の申請では、骨髄から採取した細胞を骨髄や臍帯血移植の副作用として起こるGVHD(移植片対宿主病)の治療薬として使うそうだ。細胞の医療利用は将来有望な産業分野として、今年秋の改正薬事法でも推進されているが、この申請がiPS細胞を始めとする再生医療製品の先駆けとなるのは間違いない。また、細胞医薬品は、細胞そのものを投与することによって、特に免疫系の病気に効果を発揮するという。さらに従来使われていたステロイド剤などは強い副作用があったが、細胞医薬品は、より身体への負担が少ない。したがって体力のない患者にも投与が可能なのだ。今回の細胞医薬品が成功すれば、より幅広く技術が応用されていくことになるだろう。病気と薬の副作用、双方に悩まされる難病患者の救世主となるか。効果が注目される。

04「Yelp(イェルプ)」
- ■ 世界最大級の口コミサイトが日本上陸
- ■ 日本市場で定着なるか!?
食べログ、ホットペッパーなど、既に日本ではさまざまな飲食店の口コミサイトが定着しつつある。気になるレストランのチェックや、予約で使用したことがある人も多いのではないだろうか。そんな中、世界最大級の口コミサイトとも言われる『Yelp(イェルプ)』がついに日本に上陸。Yelpとは、グルメや美容といったジャンルの分け方ではなく、あらゆる施設を全般的に口コミ出来るサービスのこと。大きな特徴は、利用者の信憑性をはかるため、実名推奨をしているところである。また、現在では米国をはじめ、諸外国ではツイッターに並ぶ普及率と言われている。インターネットでの口コミを実名で行うという新しいネット情報の在り方。これが今後どのように日本国内で浸透していくか、興味深いところである。

05「高齢社」
- ■ 高齢「者」しかいない会社
- ■ 働き手に生きがいを与える
働き手は60歳以上、人によっては週休6日、利益ではなく「働く人のため」にある会社――。こんな会社が今注目されている。それが、人材派遣会社『高齢社』だ。ガスの保守サービスを中心に、事務なども請け負うこの会社では、「社員≧顧客≧株主」をモットーに、定年後の人生に「生きがい」と「働く場」を提供している。また、2人1組のワークシェアリング制を導入することで1人分の労働を軽くし、働く日数も好きなように選べるのも特長。現役の時ほど働くのは難しいが、仕事をしていたいという高齢者にピッタリなのだ。顧客側にとっても経験の必要な仕事を任せられること、時給を抑えられることなどメリットが多い。何よりも高齢者を有益な働き手として活用するという社会的意義が認められ、会社の業績は右肩上がりだという。働き手・顧客・経営者すべてにメリットがあるこの会社。高齢化時代の新たなビジネスモデルとして今後の成長が期待される。

06「スマートフォンforジュニア」
- ■ 子どもに安全と利便に配慮したスマホ
- ■ 防犯対策にも効果的
より便利に、より安全に、そしてより格好よく。そんな感覚が、今や小学生にまでも適用する中、満を持して登場した、『スマートフォンforジュニア』をご存知だろうか。これは、SNSやインターネットの爆発的な普及に伴い、子どもが危険に巻き込まれにくくなるように、アクセス制限などをほどこしたスマートフォンのこと。昨今の携帯電話は、ゲームやアプリも充実したスマホが主流であり、機能的にはPCと遜色なく使うことができる。その魅力から、スマホ限定アプリなどで遊びたいと思う小学生が増えてきているという。また、親心から子どもが間違って変なサイトにアクセスしないためにという理由で、いかにもお子さま用携帯電話を持たされるのは、小学生でも自尊心が傷つくようだ。さらに、このデバイスではスマホ機能以外に防犯ブザーも搭載されている。護身という点からも子どもに持たせるメリットは十分ありそうだ。まだまだ発売キャリアは限定されているが、これからの主流には十分なりうるだろう。

07「女性手帳」
- ■ 本年度実施のはずが賛同得られず廃案に
- ■ 改めて問われる数値目標
財政出動、金融緩和、成長戦略…もはや言わずと知れたアベノミクス。その一大政策と共に昨年、一時世間を驚かせた政策『女性手帳』問題を覚えているだろうか? これは、森まさこ内閣府特命担当大臣が昨年提案した、女性の出産時期や知識などのモデルケースを掲載した手帳のこと。最終的に世間からのバッシングにより廃案となったのだが、本来なら今年の今頃交付予定だった。そんなことも忘れ去られてきた今、経済財政諮問会議で民間議員が「合計特殊出生率を人口維持の限界値である2.07%にすることを目標にすべき」と先日発言したのだ。「産む、産まないは強制されるものではないし、目標として掲げるものではない」と他の大臣も言っての通り極めてデリケートな問題だが、悠長にしている訳にもいかない。これからの人口減少を抑えるための、最善の策は一体どこに記されているのだろうか。
