01「グロースハッカー」
- ■ ネット全盛期の時代に登場
- ■ ユーザー獲得のスペシャリスト!
人と人との間に、FacebookやTwitterなどのSNSが深く関わっている現代では、たった数年で億単位のユーザーを獲得する企業も出現している。そういった企業の躍進を支えているのが『グロースハッカー』だ。これは、サービスを大きく成長させるという意味を持つ“グロース”と、高いコンピューター知識を駆使し、ビジネス上の課題を解決することを意味する“ハッカー”を組み合わせた言葉。その役割とは、広告費やマーケティング予算をかけずに、ユーザーを獲得したり、エンゲージメント(顧客がサービスに感じる愛着の度合い)を高めたりすることだ。また、世界的なICT企業の一大拠点であるシリコンバレーでは、ビッグデータを扱う「データサイエンティスト」と並んで今、最もホットな職業といわれている。日本での認知度はまだそれほど高くないが、企業の要として、今後必要とされる人材になっていくのではないだろうか。

02「UTme!」
- ■ ユニクロTシャツの新機軸
- ■ アプリで加工、発注できる新しいサービス
常に新しい試みにチャレンジするアパレルブランドのユニクロ。そのユニクロが、斬新なサービスを開始した。スマホアプリの『UTme! (ユーティーミー)』だ。このアプリは、スマホの画面上で作ったオリジナルのグラフィックを、ユニクロのTシャツにプリントすることができるというものだ。最大のセールスポイントは、加工パターンが多彩なこと。アプリに初期設定で入っている既存素材を組み合わせるだけなく、自由なペイント、文字の配置、画像の貼り付けが可能である。さらに、デザインをしたユーザーにそのデザインの知的財産権が認められたことも、このサービスの優位性だろう。価格は1,990円(税別、送料別途)と一律で、購入しやすいこの新サービス。デザインをすることの敷居を下げ、ユーザーの意見を尊重する取組みは、今後アパレル市場にどのような影響をもたらすのか注目だ。

03「吉田調書」
- ■ 故・東京電力福島第一原発所長 吉田昌朗氏の調書
- ■ 唯一の公式調書が、非公開にされた理由とは
福島第一原発事故当時に現場指揮を務めていた元所長、故・吉田昌朗(よしだ・まさお)氏の、政府事故調査委員会の聴取をまとめた『吉田調書』。その存在が、5月20日に明らかにされた。福島第一原発事故から3年が経過したが、事故前後の状況については未だ分っていない部分も多い。その理由の1つとして、作業を指示していた政府・東電と、現場の福島との間に情報の多寡による混乱が数多く発生したことが挙げられる。吉田調書には、本来ならこの2つの間を埋めるはずだった情報が多く含まれていた。吉田氏の公式な調書はこれが唯一のものであり、原発事故の再発を防ぐため、世界的にも重要な資料となる。しかし、政府の事故調査委員会は現在に至るまでその存在すら明らかにしていなかった。吉田氏が最後に述べた「個人的な視点から言ってしまった。できることなら公開しないでほしい」という要望を受け入れたものかもしれないが、重大な資料を非公開にした理由として、一般市民にはやや受け入れがたい。今後、調書のさらなる調査が待たれている。

04「ありのママ採用」
- ■ ママたちのチカラを企業の戦力に!
- ■ 子育ての経験を仕事に活かす試み
時代の流れやアベノミクスの成長戦略の影響によって、ますます注目を集めている女性の活躍。しかし、現実には約半数の女性が“出産”というライフイベントで仕事を辞めている状況がある。そんな中で、状況をポジティブにとらえる試みが行われている。それが『ありのママ採用』だ。現代の日本社会では、女性が出産・子育てで仕事を離れていた時期は、ブランクとしてマイナスに捉えられる傾向がある。しかし、普段から家事や育児をこなしている、ありのままの“ママ経験”を仕事に活かしてもらうため、そんなママたちを積極的に採用しようとする企業が増えているのだ。こうした動きは、これからの日本経済や女性の社会進出に、明るい未来をもたらしてくれるのかもしれない。

05「LOHACO」
- ■ ASKUL個人向け通販
- ■ ASKULとYahoo! のいいとこどり
重くかさばる買い物にうんざりしたことはないだろうか。そんな人には、「早く、お得に、確実に」生活用品を中心にネット購入できるサイト『LOHACO(ロハコ)』がおすすめだ。これは、検索エンジンYahoo! と企業向け通販サイトASKULの協力通販サイトのこと。購入するには、サイト登録をしなくてもYahoo! JAPAN IDがあれば可能。また、宅配サービス面でも、ASKULのネットワークを駆使して、一部地域を除き、当日または翌日届けてくれる上に、購入金額1,900円以上で送料無料になる。そのため、瓶類やペーパー類など、重い物やかさばるものをまとめ買いする人に重宝されている。さらに、一度サイトで買い物をすると、ユーザーの購入履歴がサイト内で反映されて、次回以降の利用時に各ユーザーにおすすめの商品がインデックス表示される。ネットを中心に、こうした生活雑貨の通販サービスが普及していくことで、今後の生活雑貨市場にどのような販売競争が生まれていくのか注目だ。

06「ヘルスツーリズム」
- ■ おいしく、楽しく、健康的な旅行!
- ■ 日本の健康を支える事業へ発展なるか
近年、日本を訪れる海外の観光客の中には、世界的にも水準の高い医療技術を目当てに来日する人も多いという。そんな中、いま注目されているのが『ヘルスツーリズム』だ。これは、医学的根拠をもとに健康の増進や回復などを目的とした旅行のこと。旅行者は、観光地で温泉やフィットネスを楽しめるだけでなく、その土地の産物を使った健康メニューや、専門家を招いたヘルスチェックを受けることもできる。まさに、おいしく、楽しく、ヘルスケアを行うことができるのだ。すでに、全国規模で多くの企業がヘルスツーリズムをテーマにした旅行プランを展開しており、日本人のみならず外国人観光客にも好評だという。「健康」をテーマに新たな可能性を見出した観光事業。日本の未来を健康的に支える重要な役割を担いそうだ。

07「父子手帳」
- ■ 父親向けの育児手引き
- ■ 各自治体の発行で特色豊かに
“イクメン”という言葉はすっかり定着したが、現実的には初めて父親になる男性にとって、出産も育児も未知の領域だろう。出産前の母子教室や母子手帳がある母親に比べ、父親へのサポートはまだ手薄なのが実情である。しかし近年、そんな父親たちのための『父子手帳』が各自治体から発行されている。この父子手帳には子供の成長過程、母親の気遣い方、育児への関わり方などが記されており、悩める父親の手引き書となっているのだ。厚生労働省が内容を定める母子手帳とは違い、地方色が豊かに反映されているのが特長だ。また、冊子のタイトルも、仙台市では「伊達なパパ本」、
千葉県では「育男手帳(イクメンハンドブック)」などとバラエティに富む。少子化対策の一環として厚生労働省も後押しする「父子手帳」。父と子のきずなを深めるツールとして、広がりが期待される。
