01「通貨同盟」
- ■ 同盟国間の通貨統一
- ■ エネルギー情勢にも影響か
EU加盟国間でエネルギーを流通し、取引することを目的とした「エネルギー同盟」の発足が話題になる中、EUがエネルギー依存をしてきたロシアによる『通貨同盟』の提案が注目されている。
これは、経済統合を目指す「ユーラシア経済同盟」に参加しているロシアとベラルーシ、カザフスタンが単一通貨を共有するもの。通貨が単一にされることで、為替相場の変化に関するリスクが減り、経済が安定しやすいという。しかし、各国の金融政策の独自性が失われ、制限されるなどのデメリットもある。メインの収入源がエネルギー事業であるロシアにとって、エネルギー同盟による今後の経済見通しが悪い中で、同盟国による経済的な結束を目的としているようだ。同盟国の対応によるエネルギー情勢の変化に注目したい。

02「小規模保育施設」
- ■ 待機児童問題解決の一策
- ■ 課題も多く、発展途上
深刻化する待機児童問題。「産んでも預けられない」ことが少子化の一因とも言われる中、定員19人以下の小規模な保育施設『小規模保育施設』が広がっている。これは、4月1日から施行された「子ども・子育て支援法」によるものだ。
ある程度以上の規模が求められる認定保育施設は、補助金が出るため保育料が安価だが、未認可の保育施設の保育料は高額になってしまう。そこで、「子ども・子育て支援法」によって一定の基準を満たせば、少人数保育でも公式な保育施設と認め、補助金を出すようになったのだ。ただし、保育されるのは原則3歳児まで。その年齢を超えてしまうと再び預け先を探さなければいけない。まだまだ課題は多いが、少子化問題解決のため、さらなる進化を期待したい。

03「パスワード難民」
- ■ 肝心なときに思い出せない人が続出?
- ■ ネット上の迷子が増えている現状
あらゆるSNSサービス、銀行口座、携帯電話のパスワード。テクノロジーの進化とともに、個人情報を守るための情報セキュリティーもますます複雑に発展してきた。そんな状況により、管理しなければならないパスワードが増えすぎたことによる『パスワード難民』が続出している。
パスワード難民とは、いざというときにパスワードが思い出せず、ログインできない人のことを指す。こうした人は、どこかにメモをして残さなければパスワードを使えないため、そこにもセキュリティーが必要になり本末転倒になりやすいそうだ。さらに、多くのIDやパスワードを管理することによって“パスワード疲れ”する人まで増えているという。近年では多くの人々が「生体認証」による一括管理を希望していることもあり、これからのパスワードの在り方も発展していくのかもしれない。

04「ノンシリコンシャンプー」
- ■ シリコーン剤不使用のシャンプー
- ■ 大手化粧品会社も発売
近年、大手化粧品会社からの発売が相次ぐ『ノンシリコンシャンプー』。文字通り、多くのシャンプーに含まれるシリコーン由来の成分を排除したシャンプーだ。数年前までは自然派の一部消費者の需要に留まっていたのだが、ここ最近、一般消費者にもノンシリコンの概念が広まったことが、相次ぐ新商品発売の背景となっている。シリコーンには髪の手触りを滑らかにする一方、髪をコーティングしてしまうためパーマやカラーが入りにくいなどのデメリットが存在するという。
ただし、デメリットについても賛否両論の状態にあり、ノンシリコンだから必ずしも安心とは言えない。いずれにせよ、ヘアケアの新たなトレンドとなりつつあるノンシリコンシャンプー。数十年後の生き残りに期待したい。

05「金銭解決」
- ■ 不当解雇をお金で解決
- ■ 問われるモラル
不当解雇だった、と確かに裁判で認められたのに職場復帰ができない。そんな未来が現実のものになろうとしている。不当解雇と認められた場合でも、企業がお金を払えば退職させることができる『金銭解決』が、制度として導入される見込みだ。現在、会社から解雇を言い渡された働き手には、裁判で不当解雇と認められれば職場に復帰することができる。だが実際には企業側が職場復帰を拒み、お金で解決することも多いという。
しかし先月末、政府内の規制改革会議からの提言により、厚生労働省が金銭解決導入の検討に入ったのだ。背景には、政府の企業優先の経済対策姿勢が存在している。働く人の権利はどうなるのか。国・企業のモラルが問われる時代がやってくる。

06「手ぶら観光」
- ■ 便利で快適な旅のサービスに
- ■ 訪日向けに英語でロゴマーク
旅行に付き物といえば、移動に不便となるたくさんの荷物。年々日本を訪れる外国人観光客が増えている中、旅行者からはコインロッカーなどが少なく、荷物を持って移動することが大変だという声が寄せられている。そこで『手ぶら観光』と英語で書かれた、便利なサービスを知らせるロゴマークが誕生した。
このロゴマークは、荷物の一時預かり所や宅配サービスの受付などを英語で対応可能な宅配業者の窓口を示すもの。手ぶらで目的地や観光地に移動しやすい環境を整えると共に、さらなる外国人観光客増加を政府が推奨しているため、ロゴマークの普及が望まれている。すでにある便利なサービスの認知度向上、そして観光業界のさらなる発展の一歩となるのか、注目が集まっている。

07「外国人技能実習制度」
- ■ 後継者不足の解消法?
- ■ 国内の多くの企業が注目する制度
少子高齢化により、あらゆる産業文化においての働き手と後継者不足が叫ばれている現代。活力ある働き手の増員確保として、また発展途上国の経済発展の担い手を育成するため、近年日本では『外国人技能実習生制度』を推進している。
外国人技能実習制度とは、ある一定の期間内において、外国人技能実習生が、日本の産業・職業上の技能習得を試みる制度のこと。最終的には日本での実習後、母国の経済発展に活かす能力を持ち帰ってもらうことが目的だが、安いコストで外国人労働者を雇用し、悪用される例が後を絶たないという問題も抱えている。先進国、そして国際社会の一員として、制度の根本的改革が望まれている。
