01「残薬」
- ■ 飲まずに溜まっていく薬
- ■ 一部では訪問アドバイスも
医療技術が世界トップレベルを誇る日本。しかし、高齢化が進む社会おける大きな問題に『残薬』の深刻化が挙げられている。
これは、医療施設から処方された薬の飲み残しのこと。高齢による認知能力の衰えで薬の管理が難しくなり、それによって症状が悪化し、薬が増えるという悪循環に陥るケースも多いという。こうした残薬は年総額が475億円にもなると言われており、厚生労働省は、問題解決のために各医療関係者と協力し、余分な処方薬の削減や、患者宅訪問による処方薬のアドバイスなどの取り組みを進めているという。これからは、薬を処方するだけでなく、患者の薬への理解を深める取り組みが重要視されそうだ。

02「レモンジーナ」
- ■ 発売2日間で出荷停止!?
- ■ 品薄商法と疑われるほど
清涼飲料水業界に新たな波が押し寄せてきた。サントリー食品インターナショナル株式会社(以下サントリー)が3月末に発売した『レモンジーナ』の出荷本数が、発売2日目で年間出荷予定本数を大きく上回ったと話題を集めている。これは、既に販売されているオランジーナの姉妹商品として発売されたレモン味の炭酸飲料のこと。オランジーナ・シュウェップス・グループと共同でアイデアを出し合う中で、商品コンセプトの地・フランスでなじみのあるレモン飲料「シトロネード」(※フランスの“家庭の味”)に着目し、その味わいを参考に開発したそうだ。
あまりの売れ行きにネットユーザーからは、品薄商法なのではないか?と疑問の声が出るほどで、入荷待ちの小売店があとを立たない幻のドリンクとなっている。今後どういった形で、定着していくのか、注目したい。

03「鹿の王」
- ■ 第12回本屋大賞選出作品
- ■ 上下巻合わせて発行数100万部突破!
今年も、全国の書店員が売りたい本のナンバーワンが決定した。第12回本屋大賞に上橋菜穂子氏の『鹿の王』が選ばれた。この作品は、犬に噛まれたことをきっかけに不思議な力を手に入れた奴隷の男と、ある疫病の謎を追う医師が故郷や愛おしい人たちを守ろうと奮闘する長編ファンタジー。現在、上下巻合わせて発行部数100万部を越えており、本賞受賞によって、売れ行きは加速する可能性が高い。
作者の上橋氏は、「精霊の守り人」や「獣の奏者」で人気を博し、児童文学の最高峰、国際アンデルセン賞作家賞を受賞したこともある実力者。本屋大賞に選出された書籍は毎年、様々な方面で注目を集めるため、これからの動向に目を向けたい。

04「朝型勤務」
- ■ 首相が国家公務員に指示
- ■ 仕事と私生活の両立を目指す
深夜までの残業が増え、私生活とのバランスが崩れがちになっている現代。フレックスタイム制も広がる中、働く時間の在り方が見直されている。『朝型勤務』は従来よりも1~2時間程度早く出社し、深夜の残業を前倒ししようという試み。始業前の朝は効率的に時間を使えるという声もあり、終電まで残業を続ける習慣や早く帰りにくい雰囲気を打破することができる。また、日照時間が長い夏季はアフターファイブが充実し、経済効果が生まれるとも言われている。
これを受け、安倍首相は朝方勤務を国家公務員に対して今夏から適用することを明言。まずは国家公務員が積極的に朝型勤務になることで、関係する民間企業への波及を狙っている。これを皮切りに、今後、更に自由な働き方が広まるか注目したい。

05「介護コンビニ」
- ■ 介護の拠点となるコンビニ
- ■ 地域密着施策のひとつ
多くの街で、高齢者を支えるデイケアなどの介護施設。しかし、高齢化が進む現在、需要に対して施設も人手も足りていないのが実情だ。そこで、コンビニ大手のローソンは介護を必要とする高齢者に向けたコンビニ『介護コンビニ』の展開を始めた。
全国に散らばるコンビニで介護サービスを行うことで、既存の施設でサービスを受けられない高齢者の受け皿になると共に、今までコンビニに馴染みがなかった高齢者を客層として開拓する狙いがある。ケアマネージャーが常駐する第一号店は埼玉を拠点とする会社との提携によるものだが、今後は全国で提携企業を探していくという。異業種の掛け合わせが、介護に大きな変革をもたらすことに期待だ。

06「楽天BOX」
- ■ 専用宅配ロッカー
- ■ 好きな時間、好きな場所で受け取れる
学校や仕事がある関係で、平日に宅配便を受け取ることが難しい。また、夜間の宅配を避けたい、そんな人々に嬉しいサービスである『楽天BOX』が試用運転された。
楽天BOXは、ユーザーが楽天市場で商品を注文する際、配送先に指定できる専用の宅配ロッカーのこと。
国内のEC事業者としては初の取り組みになり、取扱できる商品は要冷凍・冷蔵、危険物が含まれる商品や代金引換を除いたもの。お届け完了時に受け取ったメールに書かれたパスワードを入力することで、商品を受け取ることができる。自分の好きなタイミング・都合の良い場所で荷物を受け取ることを可能にした楽天BOX。日本初の試みが、今後実施に運ばれるきっかけとなるか、注目が集まっている。

07「子育て経験者枠」
- ■ 職員採用で子育て経験者を募集
- ■ 子育てを通じて得るアイデアに期待
子育てをきっかけに仕事からしばらく離れ、再度仕事に復帰したい人のため、埼玉県の東松山市役所が採用条件に『子育て経験者枠』を設けた。
子育て経験者枠とは、その名の通り、子育て経験のある人を積極的に募集する採用条件のこと。それに加え、年齢制限や民間企業で子育て支援業務経験、職務経験5年以上などを盛り込んでいる。子育て経験を条件に、自治体が正職員を採用するのは全国で初めての試み。
子育てが一段落し、かつてのキャリアを活かしたいと考える親たちがいる中、彼らへの再就職支援が広がりつつあるのかもしれない。
