01「LGBT」
- ■ 性的マイノリティーへの理解が高まる
- ■ ビジネスにも影響
今年4月に渋谷区にて、同性同士の結婚に相当する関係が認められる「パートナーシップ証明書」の発行にまつわる条例が施行され話題を呼んだ。これだけでなく、最近、このような『LGBT』を意識した活動やビジネスを行う企業が増えてきているという。
これは、女性同性愛者(Lesbian)、男性同性愛者(Gay)、両性愛者(Bisexual)、性転換者(Transgender)の人々を意味する頭字語のこと。例えば、あるブライダル企業では、性別に縛られないよう“新郎・新婦”という言葉を控えた接客や、LGBTに向けた案内パンフレットを制作し、好評だという。また、LGBTをテーマにしたイベントも度々開催され、どれも反響が大きいそうだ。時代の変化と共に、LGBTへの理解は高まっており、彼らへの理解あるサービスを提供できるかが、今後のビジネスにも影響しそうだ。

02「産業革命遺産」
- ■ 明治日本の産業革命施設を世界遺産へ
- ■ 富岡製糸場に続き近代化遺産が話題
日本の産業の姿を後世に遺そうと、鉱山や工場などを世界遺産に登録する動きがある。その1つとして、ユネスコの諮問機関であるイコモスは日本の産業革命を支えた施設の登録を勧告した。『産業革命遺産』とは日本の近代化に貢献した産業遺産群のことで、主に九州や山口の造船所、炭坑やその他重工業施設を指す。イコモスの登録勧告は事実上の世界遺産登録であり、登録が拒否された例は無いという。
遺産群の中でも有名な軍艦島は2009年に上陸が解禁されたばかり。世間から注目されたのはここ10年ほどの話で、建物などの老朽化が非常に進んでいる。古い施設は危険性や治安面から壊されることが多いが、産業革命遺産は日本近代化の原点として評価された。外観の美しさだけでなく、歴史的価値まで考慮し保存する姿勢が強まっていると言える。国際的な機関から認められることで、自国の魅力を再確認する機会が訪れているようだ。

03「ボルダリング」
- ■ エクササイズとしても人気
- ■ 運動が苦手な女性ものめり込む
欧米ではワールドカップが開かれる程の人気スポーツ『ボルダリング』。近年は日本でも注目を浴び、家族連れからカップル、社会人に至るまで競技人口が急増している。ボルダリングは滑り止めのシューズと粉だけ(最低限の道具)を使って岩の壁を登るスポーツで、室内に人口壁が設けられたジムを利用することが多い。道具の少なさや施設利用料の安さに加え、一人でも複数人でも楽しめることが人気の理由だ。それほど基礎体力を必要としないので、社会人の運動不足解消やダイエットの手段としても話題になっている。
ボルダリングは体だけでなく、適切なルート判断や体勢選びに頭を使うことが特徴。エクササイズのつもりで始めたはずがスポーツとしてのめり込み、玄人向けの難しい壁に挑む人も少なくないという。他にも、ストレス解消や出会いの場など人気の理由は数多く、スポーツの多面的な可能性が見直されているのではないだろうか。

04「ASEAN標準時」
- ■ 東南アジア諸国の標準時を一つに?
- ■ 経済効果に期待
東南アジア諸国連合(以下ASEAN)に加盟する10カ国で、共通の“時刻”を採用したらーー。こんな議論が、いま本格的に行われていることをご存知だろうか。
各国が経線に沿って設定している「標準時」。これによって時差が生じるため、取引ができない時間が発生し、経済的損失を生むと言われている。『ASEAN標準時』とは、ASEAN加盟国内の時差をなくすことで、各国間の取引をより円滑にしようとするもの。今年末のASEAN経済統合のシンボルとして、導入が検討されている。ただし、ASEAN加盟国内の時差は最大で2時間半。これを統一してしまうことで、市民生活への大きな影響が懸念される。また、現在は加盟国との関わりが深い中国と同じ標準時設定を予定しているが、これに対する各加盟国から反発の声も上がっている。果たして実現はできるのか。また、それによって世界経済にどのような影響があるのか。今後、ASEANとの経済関係が重要になる日本にとっても、要注目のトピックだ。

05「ニューリッチ」
- ■ バブル期の“成金”とは違う高所得者
- ■ 一代で財を成した一点豪華主義者
経済二極化が進んでいるとされている現代で、新たな富裕層が誕生した。『ニューリッチ』という言葉を聞きピンとくる方もいるだろう。ニューリッチ自体は1980年代の好景気と共に出現し、一発当てて高級外車や高級ブランドを買い漁った“成金”族として存在していた。
しかし、最近になって注目されているニューリッチは、従来のものとは違う。一代で財を成しつつも、私生活の水準はほどほどに、得た利益を運用したり、限られた分野に多額の費用をつぎ込む一点豪華主義な高所得者
のこと。こうした現代のニューリッチが誕生した背景には、IT化やグローバル化が進み、以前よりも資産形成のチャンスとスピードが向上したことが挙げられる。安倍内閣が掲げるアベノミクスにあるように、財政出動が急務の日本には、各市場でこうした高額運用者をどのように取り込めるかが鍵になってくるかもしれない。

06「ネット断食」
- ■ ネット依存症対策として
- ■ ネット先進国として早期対策を?
爆発的なスマートフォンや高速通信回線の普及によって、インターネットの利用が便利になった現代。その反面、ネットにのめり込むあまり、体調を崩したり、生活リズムの乱れをうったえたりするなどの問題を抱える人が若者を中心に増えているようだ。そこで注目されているのが『ネット断食』だ。
ネット断食とは、ネット依存の人をスマホやパソコンから引き離そうと、文部科学省が実施した合宿のこと。アメリカや韓国など、国外ではすでにこのネット依存に対する対策は行われているようだ。合宿では、強制的にネットから断絶する環境の中で過ごし、
それによって症状が改善されたケースもあるという。しかし、元の生活で再度ネット依存に戻ってしまう参加者も多いのが現状だ。今後は、自宅で取り組めるプログラムを充実させるとして、文科省は改善策を普及していくようだ。

07「子どもNISA」
- ■ 若年層の利用促進に向けて
- ■ 子どものための投資システム
イギリス発祥の個人貯蓄口座を参考とし、日本で2014年より個人投資家のための税制優遇制度として発足したNISA(ニーサ)。ユーザーは主に50代以上が占める中、若年層の投資を促すため、2016年には新たに『子どもNISA』の設置が発表された。
これは、未成年を対象にした小額投資非課税制度(NISA)のこと。通常、株や投資信託などは資産運用で利益が出ると税がかかるが、NISAを利用すると一定額内の税がかからない。この特徴から、子どもNISAでは祖父母や両親からの相続税対策、学資運用としてのメリットが期待されている。しかし、学費として使用したくとも引き出す時期が制限されていることや、子どものためのお金を投資で失ってしまうかもしれないなど、リスク面も懸念されている。実質的な運用者が大人だとしても、投資の理解をしていない子どもを対象とした、子どもNISAの今後の動向が注目される。
