01「エネルギーミックス」
- ■ 安定した電力供給の考え方
- ■ 再生可能エネルギーへの転換が進む
東日本大震災の発生以降、原発などの今後の電力供給について議論が活発になっている。そんな中、経済産業省は2030年時の『エネルギーミックス』方針を明らかにした。
エネルギーミックスとは、電力需要を賄うために様々な発電方法を組み合わせること。電力会社は発電の特徴を考慮し組み合わせることで、一定の供給量を保ちながらコストや環境負担を改善できるとしている。例えば、燃料コストの低い原発は常に稼働させつつ、需要がピークになる昼間は、火力発電や再生可能エネルギーなども組み合わせて賄うといったものだ。エネルギーミックス自体は、以前から取り組まれていたが、震災後の原発の見直しにより、改めてこの言葉が注目を浴びるようになったという。2016年からは電力の小売りが自由化されることもあり、国だけでなく各家庭がエネルギーミックスを意識した電力選びをするようになるかもしれない。

02「ソーシャル署名」
- ■ 「変えたい」をカタチに
- ■ オンライン上の署名活動
街頭で、駅前で。多くの人の署名を集め、それによって法律や制度を変える――そのシステムが今、ソーシャルメディアで展開する署名活動『ソーシャル署名』にとって変わろうとしている。
著名なソーシャル署名サイトに、米国発のChange.orgがある。このサイトでは毎月大小15,000もの署名が展開され、有名企業の工場の雇用環境改善に役立ったことでも知られている。日本でもネット選挙解禁を求めるソーシャル署名One Voice Campaignに多くの人がSNS上で賛同を示し、世論形成の一端を担った。これらは、従来の「その場に居合わせなければできない」署名と異なり、SNSを通して拡散され、いつでも・どこにいても自分の意見を示すことができる。SNSに馴染みがない層を取り残すという課題はあるが、より多くの人が意思を表明する機会を得ることは間違いない。新たな署名方法の浸透は、社会にどのような影響をもたらすのか。ソーシャル署名の効力に注目だ。

03「EVERCUT」
- ■ 25年間研がなくても良い!?
- ■ フランス発のキッチンツールに世界が注目
料理をする際に欠かせない包丁。しかし、近年、包丁の“研ぎ”を煩わしく思い、切れ味の劣化に伴って買い替えてしまう人が増えてきているという。そんな人たちに向けて、フランスで開発されたのが『EVERCUT(エバーカット)』だ。
これは、頻繁な“研ぎ”を必要としない包丁のこと。炭化チタンと超綱材料を元に作られたエバーカットは、通常のステンレス包丁の300倍、セラミック包丁の5倍以上の耐久性を持つ。そのため、通常1ヶ月に1回程度必要な“研ぎ”を行わなくても、約25年間切れ味が変わらないという。すでに海外では話題になり、その高い技術と品質に注目が集まっているそうだ。かつて主流だった「壊れたら買い替える」という考えは、少しずつ「壊れないものを長く使う」という方へシフトチェンジしているのかもしれない。

04「ミレニアルズ世代」
- ■ 2000年以降の社会進出世代
- ■ 消費スタイルを変える存在?
買い物はインターネット、健康志向、そして自分だけで保有するよりも、多くの人と共有。これは、アメリカで『ミレニアルズ世代』と呼ばれる2000年以降、社会に進出してきた若い世代の特徴のことだ。
ミレニアルズ世代は、上の世代と異なる消費スタイルを確立しているため、その消費行動を捉えるのに苦戦している企業が多いようだ。いままでの販売方法では、ミレニアルズ世代のニーズと多少の差異が生じるため、アメリカの小売り業者やサービス業では、この世代に合わせた変革をしなければならない状況にある。若者も社会に適応していかなければならないが、同様に企業自体も変わらなければならないとして、現在アメリカでは最大の課題になっているようだ。日本でも世代が替わるにつれて、市場の動向に大きな変化を求められる時代が近づいているのかもしれない。

05「スロージューサー」
- ■ 新しいタイプのジューサー
- ■ 健康志向を背景に大ヒット
ジューサーといえば、金属製の刃が高速で回転し、果物や野菜を切り刻んでジュースにするもの。しかし、最近従来のジューサーより低速で回転する『スロージューサー』が話題になっている。
スロージューサーは、1分間に数十回ほどしか回転しない、圧搾タイプのジューサーだ。食材を押しつぶすように刃が回転することで、空気があまり入らず、食材に含まれるビタミンCなどの栄養素を壊すことがない。そのため、そのままでは摂りづらい野菜も、素材本来の美味しさと栄養価を多く残しながらジュースにできるのだ。また、通常のジューサーよりも騒音が抑えられているところも好評で、人気が集まっているという。値段は従来のジューサーより高めだが、近年の健康志向の高まりの影響により、市場は拡大しつつあるようだ。

06「勤労奨学金」
- ■ 返済不要の奨学金
- ■ 学校内でアルバイト
学生が勉学に専念するのを助ける奨学金制度が、時代の変容に伴って多様化している。その一例として『勤労奨学金』が注目されているそうだ。
これは、一定の資格を満たした奨学生が、学校内で勤労作業を行うことにより受けられる大学独自の返済不要な給付型奨学金制度のこと。最大の特徴は、学校内でのアルバイトのため、学業とのバランスを考慮してくれることと、平均時給額が一般のアルバイトより高額なことだ。勤労奨学金には学校側が定めた年間240時間働くことで36万円の奨学金が受け取れるという就労制限があるため、過度なアルバイトをコントロールすることが出来るメリットもある。こうした独自の奨学金も上手く利用していくことで、より質の高い学びを受けることができ、健全な学生生活を送る基盤になるのではないだろうか。

07「ヨーグリーナ」
- ■ 透明なのにヨーグルト味!?
- ■ レモンジーナに続き出荷停止
流通販売で、一躍人気商品と呼ばれるようになったものは世の中の流れを無視して爆発的に売れていくもの。その最たる例が『ヨ―グリーナ』だろう。
これは、サントリー食品インターナショナル(以下:サントリー)が発売したヨーグルト味に加工したミネラルウォーターのこと。一見、普通のミネラルウォーターだが、透明なのにヨーグルト味がするということで、物珍しさから人気に火がついたようだ。サントリーといえば、先日「レモンジーナ」が発売数日で出荷停止になったばかりなのだが、またしても新商品が発売後すぐに出荷停止となった。市場調査に優れているといわれていたサントリーがこれだけ出荷数を見誤ることになったと、各飲料メーカーがマーケティングの面で冷汗をかいているそうだ。原因の一端はSNSによる情報拡散ともいわれている。これからの時代、より何が売れるのかを見定めるのが難しくなりそうだ。
