01「アクティブ・ラーニング」
- ■ 教育業界に広がる“能動的学習”
- ■ 全国の教育機関で導入検討
「何を教えるか」ではなく、「何を考え、学ぶか」を主軸とする教育が広がりつつある。中でも注目を集めているのが、『アクティブ・ラーニング(能動的学習)』だ。
これは、学生や子供たちが自ら進んで、協力しながら学ぶ指導・学習方法のこと。具体的には、これまでの一方的に知識伝達を行う講義スタイルとは異なる、学生同士の討論やグループワークなどの体験型授業のことを指す。この体験を通し、生徒は「自ら考え、行動し、解決に導く」能力が高まるという。近年では、ハーバード大学教授・マイケル・サンデルによる、学生参加型の講義番組「白熱教室」や、アクティブ・ラーニング関連書籍などを通して知名度が上がったこともあり、全国の教育機関でアクティブ・ラーニングの導入が検討されているという。講義による“体験”を通して「考える力」を培った生徒たちは、日本の将来にどのような影響を与えるのだろうか。

02「低燃費タイヤ」
- ■ ラベリング制度の浸透により爆発的普及
- ■ エコであり高性能のタイヤ
エコ志向の高まる中、日本能率協会総合研究所が発表する「低燃費タイヤに関する調査」への関心が高まっている。これは、最近注目を集めている『低燃費タイヤ』の購入先ランキングを掲載したものだ。
低燃費タイヤは、一般社団法人 日本自動車タイヤ協会(JATMA)が制定したラベリング制度の基準に、転がり抵抗性能とウエットグリップ性能が達しているタイヤのこと。増税や燃料の価格不安定によって、タイヤにより“エコ”が求められていることが、市場高騰の要因のひとつだろう。また、それが結果的に地球環境の保護にも繋がることも挙げられる。低燃費タイヤ自体は少し前から販売されていたが、ラベリング制度の導入に際し、低燃費タイヤ専門店ができたことから認知度が向上し、販売数の増加に繋がったようだ。技術の進化によって、環境に優しく、高性能なタイヤが主流になっていくことは、今後の日本自動車市場にとっても大きな役割を果たすことになりそうだ。

03「田園回帰」
- ■ 地方創生の足がかりへ
- ■ 若者の農村への関心の高まり
少子高齢化の流れはとどまるところを知らず、人材は地方から都市部へ流出してしまうことが問題視されている今日。そんな日本に、最近、地方創生への兆しが見えてきた。
2014年度の内閣府の調査によると、若者の『田園回帰』へ関心が高まってきているという結果が出ている。田園回帰とは、都市部に住む若者が農村に興味を持ち、地方の農山漁村へ移り住むこと。こうした意識の変化には、東日本大震災の影響が大きいとの見方もある。復興支援などを通して、人と人とのつながりや絆を大切にする価値観が広まり、より人との触れ合いが実感できる農漁村への移住を決意する人が増えたのだ。2014年度に施行した農地バンクでの調査では、10年以上の耕作放棄地が約40万ヘクタールあり、今から農業を始めるにしても十分なスペースが見込める。IT文化に偏りつつある日本社会が、日本らしい魅力に気づくきっかけになり、元気のなくなっている地方に元気を与えることを期待したい。

04「ロボットタクシー」
- ■ ドライバー要らずの自動車
- ■ 自動車産業の革新となるか
あらゆる分野で無人化が取り入れられている現代、遂に車も無人で走る時代が来たようだ。その先駆けとなるのが『ロボットタクシー』である。これは、大手IT企業のDeNAとロボットベンチャー企業のZMPが共同で設立した会社のことで、無人タクシー実用化を目指している。
無人タクシーが実現すれば、運転者が居なくとも自動車の走行が可能になり、特に若い人のいない地域では高齢者の足として活躍する予定だ。また、従来の交通事故では居眠りや飲酒などの人為的ミスが大半のため、この技術が一般車へ普及することによる事故減少も期待されている。現在、東京オリンピックに向けて開発を進めており、すでに警察の協力を得て公道実験を始めているという。実現化に向けて法規制などの課題があるものの、飛行機や船では既に自動運転が採用されており、無人タクシーが一般的となる時代も近いのかもしれない。

05「災害弱者」
- ■ 助け合いで被害を少なく
- ■ 災害長期化による影響を受けやすい
東日本大震災の教訓を活かし、地域で協力し合う必要性が見直されている。特に注目されているのは『災害弱者』だ。これは災害時に他人からの援護を必要とする人のことで、要介護者や障害者、妊婦や乳幼児のほか、日本語が不自由な外国人や土地に不慣れな旅行者も含まれる。これらの人々は災害時に必要な情報を受け取って行動することが難しく、避難所生活でも不自由なことが多いため、体調への影響が大きいのだという。
そんな災害弱者に対して地域が行う主な取り組みには、災害弱者宅周辺のマップを制作したり、災害弱者自身があらかじめ災害マニュアルを制作したりするなどがある。しかし、全国的に対策が大きく進んでいるわけではなく、未だ認知度が低いのが問題だ。災害被害者を一人でも減らすため、地域一体となった防災対策はますます必要となるだろう。

06「株式投資型クラウドファンディング」
- ■ 資金調達の新たな選択肢として期待
- ■ 法改正となるが課題も多い
自ら実践したいアイデアのため、インターネット上で賛同者を集めることで不特定多数の人から小口の資金を募る、クラウドファンディング。既存の金融機関でカバーすることが難しい資金調達の手法として、世界中で広がりを見せている。そんな中、企業の創業期や、新規事業の立ち上げなどに用いられる資金調達の選択肢として使える『株式投資型クラウドファンディング』が話題だ。
施行自体は来年になる予定だが、未上場でも1億円を上限に公募増資ができるようになるため、資金調達の新たな希望として中小企業から期待を集めている。インターネットを通じて、誰もが未公開企業に株式の形態で投資ができるようになるが、すべての規制が緩和されたわけではなく、もちろん条件もある。果たして、新しい形のクラウドファインディングは日本で活性化するのか、今後の動向が注目されている。

07「小型無人機飛行禁止法」
- ■ ドローン技術発展に弊害も
- ■ 法的規制も導入される動き
最新技術の発展により、何かと話題にあがることが増えた小型無人飛行機、通称ドローン。火山活動の観測や、被災地の災害調査に用いられるなど、産業活用が世界でも活発になる反面、問題も多発している。最近では、首相官邸や国会議事堂などの上空でドローンが落下事故を起こすなど、セキュリティや使用者のモラルが問われているのだ。
これを受け、現在国会で発案されている『小型無人機飛行禁止法』では、小型無人機の運用ルールの策定を提案しているもので、国がドローン活用に法的規制を導入していく意向を表している。今後は、安全・安心な運航の確保等に向けたルール作り、そして製造者・輸入者・販売者それぞれの理解が不可欠になってくることは、想像に難くない。活用の便利さと共に、しっかりと規制を設けることが必要となってくるのではないだろうか。
