01「団地暮らし」
- ■ “様々な世代の集合”が魅力
- ■ 新規子連れ家族からの支持大
核家族化・少子高齢化問題が度々話題になる中、様々な世代が同じ棟で生活する『団地暮らし』を選択する家族が増えているという。
かつては「昭和の団地暮らし」というイメージがあったが、老若男女さまざまな世代が同じ空間をシェア(共有)する暮らしは、現代における子連れの若い夫婦にとって魅力の一つになるという。というのも、近年ではカーシェアリングやシェアハウスなど“モノ・場所を所有せずにシェアする”という価値観が若い世代を中心に広がっているという背景がある。また、子育ても家族間で完結するのではなく、近隣家族と助け合い、地域ぐるみで育めるというメリットもあるという。最近では団地での暮らし方を特集した書籍が人気を集めるなど、メディアを通して団地暮らしの魅力を知る人も少なくなく、ますます人気が高まると予想されている。団地暮らしが持つ“近所付き合いの温かさ”の広がりに注目したい。

02「曲がる太陽電池」
- ■ 太陽電池製品に新風
- ■ 日本製太陽電池の復活なるか
開発当初は日本製品が市場を大きく占めていたものの、人件費の安さから中国などのアジア製が拡大している太陽電池。ところが三菱化学株式会社が新たに開発した『曲がる太陽電池』により、再び日本製の太陽電池が日の目を見ることになるかもしれない。これは薄さ1ミリ以下のシート状で、折り曲げられるのが特徴の太陽電池。さらに色をつけたり透明にすることも可能で、自由なデザイン表現が可能になりそうだ。
従来の太陽電池は場所をとることが課題の1つであったが、この電池なら車の上や建物の一部にも邪魔にならずに取り付けられる。そのため平地の少ない日本、さらには諸外国の都心での活躍が想定されている。現在の開発は実用化が見えてきた段階であるが、もし製品化されれば他国が技術的に追いつくのは難しいと関係者は語る。日本製太陽電池の復活に一役買うことが期待できそうだ。

03「農業に+d」
- ■ ITと農業のコラボレーション
- ■ 生産コストの削減に
少子高齢化に伴って農業の担い手が減少している。新たに農業に挑戦する人々はいるものの、経験が乏しいため広大な農地を管理することが難しいそうだ。このような社会問題を解決するべく、NTTドコモは『農業に+d(プラスディー)』の取り組みを行っている。これはNTTドコモが法人や企業に対してネットワークやクラウドの技術を提供し、農業の場で活用するというもの。
代表的な施策は新潟市と提携した水田管理システムで、水位、温湿度などを感知するセンサーを設置し、点在する水田を人が直接チェックする手間を省く。また、集計したデータを解析することで、今まで農家が経験や勘で判断していたものをデータで割り出すことが可能となった。これらによって、農業の経験が少ない人でも多くの農地を管理でき、農業における人手不足に貢献できるという。システム導入は農作物の品質向上、収穫量増加にもつながるとされ、農業のIT化は今までにない革新を生みそうだ。

04「JPN TAXI」
- ■ 日本に合ったタクシー専用車登場
- ■ これからの街の風景を変える
これまでも環境問題の対策として、ハイブリッド車の導入が行われてきたタクシー業界に新風が吹き込まれる。2013年の東京モーターショーでトヨタ自動車が発表した、タクシー専用のコンセプト車『JPN TAXI(ジャパンタクシー)』を本格的に導入することを東京ハイヤー・タクシー協会が表明。
このコンセプト車は室内空間が広く、大きい電動スライドドアから乗車できる上、地上と段差の少ない低フロアが採用されている。また環境性能も兼ね備え、経済面も考慮されたLPG(液化天然ガス)を燃費とするハイブリッドシステムだ。現在、東京を走るタクシー車両は古いモデルが殆どを占めるが、2020年の東京五輪に向け、日本向けの次世代タクシーとして、車両転換が成される予定となっている。このコンセプト車が普及することで、日本のタクシーによって街の風景を変えていくことが目指される。東京五輪だけではなく、超高齢化社会や観光面に対応できる新しいビジネスモデルが、これからのタクシー業界に登場するかもしれない。

05「超高齢ペットビジネス」
- ■ 10歳以上の超高齢ペットがターゲット
- ■ 飼育環境の向上が要因か
一般的に10歳前後が高齢と見なされていた犬猫などのペット。しかし近年では日本の犬猫の平均寿命が伸び、それと同時に『超高齢ペットビジネス』が発展しているという。これは、10歳以上のペットを対象に展開するビジネスのこと。具体的には、老犬を預かって世話をする施設「老犬ホーム」をはじめ、栄養素を工夫した老猫向けペットフードや、ペット専用の運動施設まで登場し、人気を集めているという。また、超高齢ペットの増加の理由としては、ペットを取り巻く環境の向上が挙げられる。ペットフードの充実や室内飼いの一般化などで、ペットの生活の質は、昔よりはるかによくなっている。また、動物病院の普及やペットの保険の登場により、医療の恩恵がペットの間に行き渡ったことも要因の一つだ。
現在日本で飼育されている犬猫のうち、30%ほどが10歳以上の高齢だというデータもあり、超高齢ペットは増え続けて行くことが予想されている。今後も、超高齢ペットビジネスはまだまだ進化していきそうだ。さらなる発展に期待したい。

06「Apple TV」
- ■ リモコンボタンに代わるスワイプ機能
- ■ iPhone機能をテレビでも楽しめる
新製品を発表する度に、世界的なムーブメントを起こしてきたApple社。iPhoneが世界的に定着してきた今、またも画期的な新製品『Apple TV』を発売した。
これは、iPhone上で使っているアプリケーションや専用の映画や映像などを、家にあるテレビ画面で手軽に見たり、使えたりできる新しいタイプのテレビのこと。最大の特徴は、iPhoneの機能の一つである、音声認識システム「Siri」を使った操作だろう。Apple TVは、テレビゲームのように、専用のコードをテレビにつないで使用するのだが、付属のリモコンが極めて小さく簡単なつくりになっている。従来のテレビは複雑なボタン操作を要したが、Apple TVでは、リモコンのタッチパネルをスワイプしたり、声で好きな番組やメニューを伝えたりして起動させるようになっている。Apple TVの登場により、リモコンすら必要としないテレビが出てくる可能性も十分あるだろう。

07「女性活躍推進法」
- ■ 日本経済の決め手は女性?
- ■ 法案による具体化に期待
“女性が活躍できる社会の実現”を掲げる安倍政権だが、世界の先進国の中でも、日本は女性の活躍度が低いことが指摘され続けている。これは、企業幹部への女性登用、長期的なキャリアプランを持っている女性労働者の少なさが原因のひとつと言われている。
そんな中、2016年4月から、『女性活躍推進法』が施行されるという。これは、10年間限定で301人以上の組織に対し、女性活躍に関する状況を把握し、一人一人の行動計画を策定・公表することを求めるもの。この中には企業だけではなく国や自治体・学校組織も含まれる。あらゆる組織に計画策定を義務付けることで、社会全体での女性活用を進めようというものだ。政府は、2020年までに女性管理職比率30%を目指す「202030」を掲げるなど、女性の活躍施策に努めていたが、企業に具体的な行動を義務づけたのはこれが初めて。数値目標が先行し、なかなか具体化が伴わなかった日本の女性活用に、転機が訪れるか。10年後の未来に期待したい。
