01「二毛作社員」
- ■ 働き方の自由度高まる
- ■ 仕事以外の活動も充実させる
『二毛作社員』という言葉をご存知だろうか。二毛作とは、同じ土地で異なる作物を栽培することを指すが、二毛作社員は仕事と他の活動を両立しながら働く社員のこと。二毛作をするように、人生を1つの企業だけに注力するのではなく、他の分野の仕事や活動も両立したいと願う人々が増えているという。
二毛作社員の特徴は、単に時短勤務などを考慮することだけでなく、同時に複数の企業に所属したり、一年のうちの労働期間を自分で定めて数ヶ月間で集中的に働いたりするなど様々だ。従来の働き方よりも労働時間・雇用条件が自由なことから、労働への価値観の変化が見て取れる。このような働き方を希望する人が多いため、優秀な人材を確保するために二毛作社員を許容する企業も増えており、今後はさらにこの働き方が拡大すると予想されているようだ。企業にとって、自由な働き方をアピールして多様な社員を獲得することが、今後の主流になるのかもしれない。

02「ダブルケア」
- ■ 子育てと介護の両立
- ■ 将来的には社会問題にも
「女性の社会進出」と「子育て」の両立は、これまでも重要な問題として議論されてきた。そんな中、少子高齢化によってさらに女性の負担が増え、新たな問題が起きている。それが、子育てと親の介護を同時にしなければならない状況『ダブルケア』だ。
近年、女性の社会進出によって晩婚化が進み、出産年齢も高齢化の一途をたどっている。そのため、女性が子育てに忙しい時期に親世代の介護が発生する事態に陥っているのだ。さらに核家族化の影響や“子育て・介護は女性の仕事”という世間の意識が根強いこともあり、誰かに助けを求めることができない人も多いという。このことを受け、NPO法人では現在、対象者への相談・アドバイスの場の提供といった活動が行われているそうだ。企業にとっても重要な存在である女性労働者のためにも、国の支援を待つだけでなく積極的な関わり方が求められてくるだろう。

03「パーソナルモビリティ」
- ■ 各社で開発競争高まる
- ■ 観光業界からも注目
近年、技術の進化は公道での移動手段をも変えそうだ。中でも、一人乗りの移動機器を指す『パーソナルモビリティ』の開発やそれを活用したビジネスが注目されている。
有名なのは、2001年に発表され話題になった電動立ち乗り二輪車「セグウェイ」だろう。セグウェイは日本において走行場所が規制されていたが、最近規制が緩和されことを受け、観光業界ではセグウェイを使った観光案内やプラン開発が考案されているという。他にも、一人乗り三輪電気自動車「i-ROAD(アイロード)」は、街中にある普通のコンセントで気軽に充電できるのが特徴のため、都市部での新たな移動手段やシェアリングビジネスでの活用が期待されている。さらに、このようなパーソナルモビリティの開発は、各企業で活発に行われ、様々な試作機が発表されている。公道での移動手段に自動車や自転車が当たり前だった時代が、過去のものになる日も近いかもしれない。

04「MRJ」
- ■ 国産初のジェット旅客機
- ■ 航空各社導入検討
今年11月、ついに国産初のジェット旅客機『MRJ(三菱リージョナルジェット)』が初の飛行テストを終えた。
結果は成功に終わり、国内外からその性能の高さが評価されることとなった。MRJは、三菱航空機が2017年の商用化を目指して開発を進めていたもので、従来の同型機に比べて2割以上燃費性能が高く、かつ騒音が小さいことなどが特徴となっている。そのため、燃油コストが各社の収益に直結する航空業界では、MRJの高い燃費効率に注目が集まった。また、航続距離は3,300kmで、東京からはグアム、台北、上海、北京をカバーできるとされている。そのため、世界各国の大都市におけるハブ空港と地方空港を結ぶ「リージョナルジェット」としても期待されているという。日本航空は2020年からMRJを導入する方針を固め、ANAやJALグループも導入を検討していると発表。日本の技術者たちの想いを乗せたMRJが日本の空を飛び交う日もそう遠くないだろう。

05「文庫レーベル」
- ■ 老舗出版社から続々新レーベル登場
- ■ 出版不況に新風吹き込めるか
出版不況が叫ばれる中でも、単行本よりも単価の安い文庫本の売れ行きは比較的良いと言われてきた。しかし、ここ数年はその売上もじりじりと下がりつつあり、出版業界は新たな活路を探しているという。
そんな中、新たな試みとして『文庫レーベル』が続々と登場していることをご存知だろうか。講談社の「講談社タイガ」、新潮社の「新潮文庫nex」など、老舗出版社が若者向け文庫レーベルを次々に創刊しているのだ。こうした文庫レーベルは、「ライト文芸」と括られる若者向け小説を集めたものや、近代文学の表紙がアニメ調のイラストで描かれたものなど、若者向けにハードルを下げる工夫が凝らされているのが特徴だ。レーベルの増加は今のところ全体の売上向上には結びついていないようだが、こうした試み自体が読書する層の増加を狙ったものとも言えるだろう。出版社の試行錯誤は、まだまだ続いていきそうだ。

06「おやじの会」
- ■ 全国的に増えつつある学校団体
- ■ 父親を中心とした地域組織
学校において、保護者たちが学校のサポートとして義務的に加入していたPTA(Parent-Teacher Association)。PTAとは、学校に通う子どもの保護者と教職員からなる団体のことだが、近年、それとは似て非なる存在の『おやじの会』が増えてきている。
これは、児童・生徒たちの父親を中心とした組織のことで、保護者にとって義務的な要素が多いPTAと違い、加入者は全て希望制なのが特徴だ。「父親の会」「パパの会」というように、その名称の多くは“父”を意味する単語が使われているが、母親も参加可能だという。活動内容は多岐に渡り、運動会や学校行事の手伝いや独自のイベント、地域のパトロールや見守りなど、主にイベントの手伝い・主催などが行われている。主に平日に活動するPTAと比べ、休日に活動するおやじの会は、参加のしやすさからその数を徐々に増やしているという。共働きが浸透しつつある現代において、このような希望制の組織はの需要は今後ますます高まりそうだ。

07「イケメンチップス」
- ■ イケメンカード付きポテトチップス
- ■ 採用活動や営業のツールとして
世界的なおやつとして知られているポテトチップス。その中でも株式会社ESSPRIDE(エスプライド)が企画・販売をしている、おまけ付きポテトチップスが話題を呼んでいる。
その名も『イケメンチップス』だ。これは日本全国の企業から選抜された男性を“イケメン”と称してトレーディングカード化し、ポテトチップスのおまけにした商品のこと。おまけのカードでは、「プロ野球チップス」の選手カードのようにイケメンが紹介され、顔写真や名前はもちろん企業名や役職、プライベート情報まで記載されている。元々は企業向けの商材として開発されたもので、企業側は社員が参加しているイケメンチップスを採用活動や営業先で配り、企業PRに活用していた。その後、商品への問い合わせが増えたため一般向けにも販売されるようになったという。近年、様々なものが広告媒体として扱われるようになったが、今後も新しい表現手法が増えていくことに期待したい。
