01「必ず座れる電車」
- ■ 朝の通勤ラッシュも快適
- ■ 割高料金でも需要は高い
日本の朝のラッシュ時の乗車率は世界でもトップクラスと言われており、通勤だけで疲弊してしまう人も多いだろう。そんな人々のために、12月7日から京浜急行で『必ず座れる電車』のサービスが始まった。
これは座席数分のチケットを販売することで、朝のラッシュ時でも必ず座れる通勤電車のこと。新幹線やグリーン車ほどの豪華な設備はないが、通常の乗車賃のほか300円ほどの着席整理券を購入するだけで利用可能だ。この定期券は、販売されると早々に完売してしまったそうで、サービスの人気の高さが伺える。利用者の中には「乗車時間を仕事に活用したい」「ゆっくり睡眠をとりたい」などの思いがあり、多少値段が高くても時間と快適さを選ぶ人が増えているようだ。他の鉄道会社でも続々と同じようなサービスが発表されており、人々の不満を解消するビジネスは今後も広がりを見せそうだ。

02「ランサムウェア」
- ■ 身代金要求型のウイルス
- ■ 個々のリスクヘッジが重要
先日、SNSに「vvvウイルス」というコンピューターウイルスの被害が投稿され、インターネット上で話題になった。これは、感染したコンピューターのデータを勝手に暗号化してしまうというもので、こうした自らアクセスできなくしたデータの復元と引換に、金銭を要求するコンピューターウイルスを『ランサムウェア』と呼ぶ。
ランサムウェアは、元々は海外を中心に広がっているウィルスで、主にメールに添付されたファイルやURLを開くことによってウイルスがコンピューター内に侵入し、感染する。一度感染すればパソコン内のデータが事実上破壊されたことになるため、企業・個人両者において注意するべきウイルスの1つともいわれている。近年は多くの情報をコンピューターで扱うのが一般的となり、その内容も機密性を保持しなければならないものが多くなってきた。コンピューターの発達や用途に伴い、脅威に対する個々の意識向上も求められる時代となったようだ。

03「同性パートナーシップ」
- ■ 同性カップルを法的に認める
- ■ 反発の声も根強い
今年11月5日、東京都渋谷区と世田谷区で、『同性パートナーシップ』を認める制度がそれぞれ始まった。これは、同性同士のカップルを結婚に相当する関係と認め、その証明書を発行するというもの。これまでは、異性のカップルであれば、同棲などといった婚姻状態にある場合に「婚姻に準ずる関係」と認められ、書類上の婚姻関係になくても家族として扱われていた。しかし、同性のカップルには、それらがまったく認められない状態にあったという。
そこで、渋谷区・世田谷区ではそれぞれ区内の事業者に向けて、証明書を持つカップルに対する最大限配慮を求めているという。具体的には、家族以外の面会が認められない入院時にパートナーの面会を許可することや、家族割引などの各種サービスの適応などだ。一方で、伝統的な家族の形態を壊すなどの反発の声も上がっているという。今回の制度が日本国内でどれほど広がり、どのような影響をもたらすのか、注目したい。

04「乳和食」
- ■ 和食の欠点を補う
- ■ 「乳」と「NEW」とかけた新しい和食
世界でも広く認知され日本が誇る文化のひとつである「和食」。和食は米を主食に、主菜や副菜に魚介類・野菜類を多く使うことから健康的な食事だと考えられている。しかし、味噌やしょう油といった保存性の高い伝統的調味料を使用するために塩分をとりすぎてしまうという問題があった。そんな中、この問題点をカバーする新しい和食スタイル『乳和食』が注目されている。
乳和食とは、食塩や出汁を減らす代わりに牛乳を使うことで減塩・カルシウム摂取をかなえる調理法のこと。乳和食では、「コク」や「旨味」を有している牛乳を組み合わせるため、味付けが控えめでも満足度の高い味になり、牛乳が持つカルシウムによって骨や筋肉の健康も保てるのだ。美味しいだけでなく、高血圧を予防するといった健康面でのメリットが高く、ネット上でレシピも公開されているという。伝統的な食文化も、時代の移り変わりと共に変化を遂げている。今後の変化に注目だ。

05「Wikia」
- ■ Wikiを使ったコミュニティサイト
- ■ 複数のユーザーと一緒にコンテンツをつくる
あらゆる物事が検索できるとも称される「Wikipedia(ウィキペディア)」。これはブラウザで編集・更新できるコンテンツ管理システム「Wiki(ウィキ)」を使ったネット上の百科事典だ。その創始者が2006年に設立したWikiを使用したコミュニティサイト『Wikia(ウィキア)』が話題になっている。
ここではゲームや音楽、映画、ライフスタイルなどの幅広いテーマについてファンがテキストや動画を追加したり、交流したりすることができる。SNSのコミュニティのように「個人の好き勝手に投稿する」のではなく、間違った情報は他のユーザーによって修正されるといった「複数のユーザーと一緒にコンテンツの精度の高める」ことで良質なコンテンツを提供している。すでに世界では30万件以上のコミュニティがあり、近年では日本語版のサービスもスタートした。日本の様々なコンテンツを世界各国へ発信することができるため、拡散性の高いコミュニティサイトとしてますます注目されそうだ。

06「青天の霹靂」
- ■ 青森産の新米が特A認定
- ■ お米のブランド競争過熱
「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「つや姫」…などなど、数多くのブランドがある日本のお米。そんな中、今年デビューした青森県産米の新品種『青天の霹靂(へきれき)』が話題を呼んでいる。
“青天の霹靂”とは「予想外の事件が突然起こること」という意味のことわざで、「驚くほどおいしい、鮮烈な存在になりたい」という想いが込められている。宮城県のブランド米「ひとめぼれ」の系統で、粘りと硬さのバランスがよく、もちもちとした食感と上品な甘みが特徴だ。今年2月に日本穀物検定協会による、コメの食味ランキングの最上位「特A」を青森県産で初めて取得。新潟県の「魚沼産コシヒカリ」などと肩を並べ、最高評価の銘柄に加えられた。斬新なネーミングと青で統一されたパッケージのインパクトさも相まって発売前から話題となり、現在は品薄状態が続いているという。日本のお米ブランドは多数あるが、新たなブランドの登場でますます競争は過熱しそうだ。

07「未来食堂」
- ■ オーダーメイドの定食屋
- ■ 感動体験を提供
『未来食堂』をご存知だろうか。これは、東京・神保町にオープンした“あつらえ(オーダーメイド)”をコンセプトとしている定食屋のこと。「誰にとっても拠り所となる場所」を目指し、オールターゲットに向けて展開している。
未来食堂には「あつらえ(来店客の要望に沿っておかずを作る)」、「まかない(約1時間の手伝いで1食分を無料で提供する)」、「おすそ分け(持ち込んだ飲み物を半分お店におすそ分けする)」という3つのシステムがある。「あつらえ」でオーダーメイドしたおかずは特別感が高く、「まかない」は来店客にとって感動体験にもつながるため、リピーターが多いという。「おすそ分け」では来店客同士の交流のきっかけにもなるという。従来の飲食店では提供するメニューの品目が多いことが顧客満足につながっていたが、未来食堂では“特別な体験”によって店のファンを増やしている。飲食業界の定説を覆す活気的なビジネスモデルとして注目されている未来食堂の今後の広がりに期待したい。
