01「まるたろう」
- ■ 笑顔を届ける柴犬
- ■ Instagramで大人気
写真に特化したSNSであるInstagram(インスタグラム)でフォロワー数ランキングを見ると、上位に可愛い柴犬のアイコンが特徴的な「Shinjiro Ono」というアカウントが目に入る。インスタグラムで国内外から絶大な人気を得ている柴犬『まるたろう』の飼い主である、小野慎二郎氏のものだ。
小野氏は、東日本大震災をきっかけに「かわいい写真でみんなを元気付けたい」と思い、まるたろうの写真を1日3枚インスタグラムに投稿し続けている。人気の理由は写真のこだわりにある。日本の美しい自然や日常風景を写真に入れ込むことで、日本の景色と共にまるたろうの愛らしい姿を楽しめるのだ。人気に火がついたことで、写真集を発売した他、写真展の開催など、まるたろうの人気は多方面へ広がりをみせているという。テーマやこだわりを追求した写真が様々な分野に相乗効果を生み出す様は、ビジネスにおいてもヒントになりそうだ。

02「おそ松さん」
- ■ 赤塚不二夫氏の生誕80年記念アニメ
- ■ 伝説の6つ子が27年ぶりに復活
漫画における、昭和の一世代を築いてきた漫画家のひとりである故・赤塚不二夫氏。2014年で生誕80周年を迎え、展示会が開催されたり関連書籍が発売されたりと話題になった。そんな中、最も注目されたといっても過言ではないのはアニメ『おそ松さん』だろう。
このアニメは、1962年に連載がスタートした赤塚氏による、6つ子のドタバタな日常を描いたギャグ漫画「おそ松くん」が成長して大人になった姿を描いたもの。「おそ松くん」の連載当時も個性豊かなキャラクターたちに加え、その内のひとりである「イヤミ」が叫ぶ「シエー!」などのギャグが有名になったが、「おそ松さん」となった今回のアニメも盛り上がりをみせているという。昔の作品にもかかわらず、現代の若者からの支持が大きく、関連商品の売上も好調のようだ。名作と呼ばれ親しまれていたものは、時代の変化と共に発信方法を変えても人々の心に残り続けるのかもしれない。

03「READING CHALLENGE」
- ■ ゲーム感覚で読書にチャレンジ
- ■ 新たな本との出会い
インターネットの普及や電子書籍の発展と共に、若者を中心に深刻化しているという読書離れ。その流れを止めるべく、ゲーム感覚で読書を楽しむイベント『READING CHALLENGE(読書チャレンジ)』が注目を集めている。
これは、テーマに沿って読書量を競うゲームのこと。各図書館や自治体で開催されていることが多く、「500ページ以上の本」や「有名小説家の最初の本」といった細かいテーマもあり、幅広い世代が楽しめるようになっている。元々は海外を中心に人気が高かったが、「普段読まないジャンルの本と出会える」「読書を習慣化できる」などの理由から日本でもじわじわと広がりを見せている。ネットの活字ばかりを読んでいる人も、最近読書をする機会が減ってしまった人も、このゲームをきっかけに今まで読んだことのないジャンルの読書に挑戦してみてはいかがだろう。

04「無資格保育士」
- ■ 待機児童解消の決め手?
- ■ 根本的解決となるか疑問の声も
待機児童問題の原因の一つに、保育士不足があるという。2015年12月5日、厚生労働省は待機児童問題解消のため、これまでの規制を緩めて無資格でも認可保育所での保育ができる保育士、『無資格保育士』の本格導入を決めた。これまで、認可保育所で勤務できるのは資格保育士に限られていた上、1つの施設に対して2人以上の資格保育士がいなければいけなかったという。
その基準を緩めることで保育従事者を増やそうとした今回の試みに対し、現役の保育士からは不満の声が上がっている。そもそも、保育士不足の原因は、重労働の割に低賃金な保育士の待遇にあるというのだ。そこに無資格の人材が流入してくると、相対的に資格保育士の価値が下がり、さらに待遇が悪くなるのでないか。また、そのことで資格保育士不足が加速するのではないかというものだ。このような不安を抱えたまま、来年度から無資格保育士は導入される。待機児童数は改善されるのか、見守る必要がありそうだ。

05「JK Morning」
- ■ 現役女子高校生がモーニングコール
- ■ サービス内容に賛否両論
女子高校生(JK)がマッサージをしてくれる「JKリフレ」、女子高校生とデートをする「JKお散歩」…などなど、JKにまつわるサービス「JKビジネス」は数多く存在する。そんな中、最近登場した『JK Morning(モーニング)』が話題になっている。
これは、現役女子高校生がモーニングコールしてくれるサービスのこと。事前登録をすることで、定期的なモーニングコールも可能だという。これまでの「JKビジネス」では、従業員と顧客が直接会ってサービスするため、ストーカーや児童買春の温床になっているなどの問題があった。しかし、「JK Morning」は電話をかけるだけなので直接会うこともなく、安全性の高さがウリになっている。サービスが発表されると様々なメディアで取り上げられたが、内容に対しては賛否両論で、これまでのJKビジネスの二の舞になるのではとの意見もある。まだまだ本格的なリリースには至っていないが、サービスが開始後にどのような反響が出るのか注目だ。

06「軽減税率」
- ■ 消費税値上げに伴う措置
- ■ その効果は不透明か
2017年に消費税が10%に引き上げられることが決まり、政府は低所得者への救済措置として『軽減税率』の導入を決定した。軽減税率とは、標準的な税率よりも低く設定された税率のこと。多くは生活必需品などに設けられ、EU(欧州連合)では約半数の国が取り入れており、日本でも税率の引き上げに伴って制度の実施が決まった。
低所得者の負担軽減を目的としている軽減税率だが、既に実施している国々からは問題点が挙げられている。軽減税率が導入される“生活必需品”の認識には個人差があるため、国が一括で対象品目を指定することが難しいのだ。また、高所得者の方が恩恵を受けるとの調査結果もあり、その効果が疑問視されている。企業にとっては提出書類作成などの管理コストが増え、管理しきれずに起きたミスの対応でさらに人手が必要になるとも指摘されているようだ。多くの人が納得するような制度となるのか、今後の進展に注目である。

07「coconala」
- ■ 知識・スキルを売る
- ■ 個人間の取引サービス
インターネットの普及により、オークションやフリーマーケットなどの個人間取引が活気を見せている。その中でも近年話題となっているのが、知識・スキル・経験などを売り買いできるオンラインマーケット『coconala(ココナラ)』だ。
売買されているものには、画像制作や翻訳などの専門的な知識を要するものから、旅行のアドバイスや悩み相談などのくだけたものまで幅広い。売買できるサービスはインターネット上で完結できるもののみという制限があり、値段も500円からと低価格なため、購入者にはその手軽さが人気となっているようだ。明朗なシステムは購入者を出品者にする後押しになっており、5人に1人以上が継続的にサービスを利用している。出品者にとっては新たな仕事に繋がる出会いの場であり、自分の能力を提供し、評価されることで満足感も得られるという。このように単なる売買サイトの枠組みを超えたことが、サービス拡大に繋がったのかもしれない。
