01「らくらく通販」
- ■ シニアや初心者向けの通販アプリ
- ■ 誰でも簡単に買い物ができる工夫が満載
昨今、インターネットやスマートフォンの普及が広まり、それとともにシニア層のネット通販の利用も増えている。そんな中話題になっているのが『らくらく通販』だ。らくらく通販とは、ヤフー株式会社が運営している「yahoo!ショッピング」をネット通販に不慣れなシニア層や初心者が使いやすいように開発したアプリのこと。
らくらく通販では大きな文字と丁寧でわかりやすい文章を使用し、タップするためのボタンもわかりやすい配色となっているのが特徴だ。また、上下のスクロールのみで閲覧することに特化しており、シンプルなつくりと操作性で快適にネットショッピングをすることができる。このようにターゲットを定め、それに対して最適化されたアプリは高齢化社会が深刻化する中で、さらに必要になってくるだろう。今後は同じアプリでも「ヤング向け」「シニア向け」など、ターゲット別のデザイン展開が当たり前となる未来がくるかもしれない。

02「ホステス心得帖」
- ■ 大阪・北新地のおもてなし教本
- ■ どのビジネス業界にも通じると話題に
五輪招致で話題となった「おもてなし」という言葉。よく耳にはするものの、実際にその日本独特の接待作法を、身をもって知る機会は少ないかもしれない。そんな中、大阪の歓楽街である北新地のおもてなし教本『ホステス心得帖』が35年ぶりに復刊し話題となっている。
これは、バブル景気の頃、当時の北新地の飲食店経営者の「他店より抜き出た接客術でおもてなしをしたい」という気持ちから、ホステスの新人研修のために作られたもの。その内容は接客ノウハウだけではなく、「他のお客様の悪口や陰口を言うな。聞いたお客様は、自分も言われると必ず思う」というような人間関係の本質に迫る言葉も書かれている。他の業界からの反響も大きく、「社員研修で是非使いたい」と全国から問い合わせが相次いでいるという。「おもてなし」とはどういうものなのか。五輪開催を前にそれを改めて知ることが、どの業界においても必要なのではないだろうか。

03「ポケットドクター」
- ■ スマホで受診
- ■ 高齢化社会に対応
高齢化による体力の低下や病気の悪化に伴い、医療機関へ通うことが難しい人々が増えている。そんな問題を解決するため、株式会社オプティムとMRT株式会社がスマートフォンやタブレットなどを利用した遠隔診療サービス『ポケットドクター』を発表した。
これは離れた場所に居ても診察が受けられるというもので、全国の医療機関1300ヶ所ほどの協力を得て実現された。従来の遠隔診療は電話のみだったが、スマートフォンやタブレットを使用することで患部の撮影し、それをリアルタイムで確認しながら診断することができる。移動が大変な高齢者をはじめ、忙しくて時間がとれない社会人や病院に行くか迷っている人が気軽に相談できる窓口として需要があるそうだ。医療機関にとっても、空き時間に診察ができたり、院外の専門医に診てもらえたりするなどメリットが多いという。日本初の遠隔診療サービスとしてどれほどの広がりを見せるか、期待が高まっている。

04「反ダンピング関税」
- ■ 国内市場保護のため
- ■ 乱用はNG
3月15日、日本政府は韓国政府が課している、ある関税の撤回を求めたことが話題となった。これは『反ダンピング関税』と呼ばれるもので、不当廉売された輸入品に対し、国内市場を守るために課せられる関税だ。「ダンピング」とは日本語で不当廉売を指し、市場の価格競争を阻害するほど低価格で商品を販売することを指す。
安値の輸入品が出回ると国内市場はダメージを受けるため、被害を受けた企業が製品の値引き分を通常の関税に上乗せすることができる。これはWTO(世界貿易機関)が認めている措置で、国内産業を守るうえで大切な権利だ。ただし乱用すると貿易相手国の負担が膨大になり、貿易そのものを阻害する原因になるため、日本では諸外国よりも厳しいルールが適用されているという。今や輸入品を買うことは珍しくない時代だが、こういった問題が裏にあることを周知させることが大切ではないだろうか。

05「バイナリー発電」
- ■ 地熱エネルギーに注目
- ■ 地域活性化にも一役
全国一位の温泉の湧出量で「日本一のおんせん県」として有名な大分県。いま、その温泉を使った『バイナリー発電』に注目が集まっている。
バイナリー発電とは、地熱発電の発電方法のひとつ。発電用のタービンと熱水の間に低沸点の液体(媒体)を介することで、タービンを回すのに必要な蒸気を発生させるというものだ。そのため、従来の地熱発電では難しかった中低温の温泉でも発電することができる上に、温泉の湯量にも影響も少ない。また、従来の発電所よりも比較的低予算で施設を建てられるため、地方などが導入しやすいのも特徴だ。現在、大分県では3か所の発電所が建設・運航しており、周辺の世帯数以上をカバーできる発電量が確保できたそうで、電力会社への売電も視野に入れているという。電気自由化の動きから地方の「発電」による地域活性化に注目が集まる中、バイナリー発電への取り組みは全国に広がりそうだ。

06「アルファ碁」
- ■ プロ棋士 VS コンピューター
- ■ 「学習」する人工知能に注目
コンピューターが人間の脳に追いつく時代が訪れるかもしれない。3月に行われた実験で、グーグルの研究チームが開発した囲碁を打つコンピューター『アルファ碁』が、初めてプロ棋士を負かし話題になっている。
これまでにもチェスや将棋などで、コンピューターがプロを負かすことはあった。しかし、シンプルなルールながら複雑な展開が特徴の囲碁は、盤面の広さや対局の展開パターンの膨大さゆえに計算が追い付かず、コンピューターがプロに勝つことは難しいとされていた。そこで研究チームは、アルファ碁に経験から最適な方法を見つけ出す「学習」の技術を組み合わせて訓練させ、勝利につなげたという。まだまだ改善点も多いが、将来的にはこの技術を使った製品展開が期待されており、人間と同じように「学習」するコンピューターが活躍する日はそう遠くなさそうだ。

07「Kiddle(キッドル)」
- ■ 子ども向けサーチエンジン
- ■ 害のないサイトのみを表示する
インターネットは今や大人だけではなく、子どもにとっても身近な時代となった。しかし、その情報の中には、子どもが観覧するのに不適切なものも多いのが現状だ。そんな背景を受けてか、世界中で展開されているサーチエンジン「Google(グーグル)」の子ども版ともいえる、子ども向けサーチエンジン『kiddle(キッドル)』が登場した。
Googleの機能を活用しており、特にユーザーが特別な設定をしなくても、子どもに害がないと判断されたサイトしか検索結果として表示されない。実はGoogleの運営ではなく、Googleの機能を活用して第三者が提供しているサービスである。上位3番目までに現れる検索結果は、運営スタッフが安全を確認したサイトであり、それ以降は子どもにも理解しやすいものやGoogleのセーフサーチ機能を使って選別された無害なサイトになっている。子どものインターネット使用が今後ますます増えていくことが予想される中、新たな試みとして注目を集めている。
