これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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01「寄付ハック」

  • ■ 個人発ユニークな寄付方法
  • ■ 寄付をした人に自腹でプレゼント贈呈

4月の熊本地震をきっかけに、寄付による支援が活発化している。中でも注目を浴びているのは、個人のアプリ作家が展開しているユニークな寄付方法だ。それが、被災地に一定額以上の募金をしてくれた人へiPadを自腹でプレゼントする『寄付ハック』だ。
『寄付ハック』では、任意の団体への募金を証明できるレシートやスクリーンショット画像をこの企画主へ送りSNSで拡散すると、iPadもしくは10万円相当のプレゼントが1名に贈られる。今回がはじめての試みではなく、第1回では約71万円、第2回には約72万円が集まった。発案者曰く、個人が10万円を募金するより、その同額で寄付啓蒙キャンペーンを行ったほうが寄付総額は増えるのではないかという社会実験とのことで、募金は現在も募集中だ。ユニークな提案が、寄付への心的距離を縮め大成功を収めた好例としてはもちろん、従来どおりの方法にひと工夫くわえることが大きな相乗効果を産んだ例としても、着目すべき企画だろう。

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02「負けエンブレム展」

  • ■ 落選案を募って個人が開催
  • ■ 400案以上が集まる

2020年に開催される東京オリンピックの新エンブレムがついに決定し、エンブレムに再び注目が集まっている。そんな中、お笑い芸人の西野亮廣氏によって主催された、オリンピック公式エンブレムの落選作品から優秀作を選び表彰する企画『負けエンブレム展』が話題を呼んでいる。
この企画は西野氏個人の発案によるものだが、400点以上の作品が集まり各種メディアでも取り上げられるなどの反響を呼んだ。その背景には、不透明な選出方法からくるオリンピック運営組織に対する不信感があるという。一連のオリンピックエンブレム問題が噴出するまで、デザインはデザイナーが作りあげ選ぶものであり、素人が立ち入る領域ではないという認識が一般的だった。しかし、今回の『負けエンブレム展』は、一般の人々のあいだでも、デザインを身近なものとして捉えるきっかけが生まれてきたことを象徴しているのかもしれない。

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03「井山裕太」

  • ■ 史上初の七冠を達成した囲碁の棋士
  • ■ 東大阪市の名誉市民を受賞

若き囲碁の棋士『井山裕太(いやま・ゆうた)』氏が、前人未到の快挙を達成し、話題となった。
井山氏は、たった26歳で、囲碁の世界では史上初の七冠を手にした棋士だ。七冠とは「棋聖」「名人」「本因坊」など、7つの囲碁大会を全て制覇することを指す。井山氏は5歳の時、囲碁のテレビゲームをきっかけに囲碁を始めると、すぐに頭角を現し、師の石井邦夫九段からはパソコンの囲碁ゲームを通じて約1,000局対戦して、技を体得したという。七冠達成の快挙を受け、東大阪市は井山氏に名誉市民の称号を贈ることを発表した。また、井山氏が注目されることで囲碁ブームが再熱し、囲碁を打つ女性「囲碁ガール」が増加し、女性限定の囲碁大会が開催された。さらに、お酒を楽しみながら囲碁が打てる囲碁バーなども登場しているという。ブームの再熱を受け、囲碁ビジネスのさらなる拡大に注目したい。

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04「企業版ふるさと納税」

  • ■ 企業も自治体への寄付が可能に
  • ■ 地元を支えるイメージアップにも

家具製造販売の大手であるニトリは、この度『企業版ふるさと納税』を通じて、北海道夕張市に5億円を寄付することを発表した。企業版ふるさと納税は、それまで個人が自治体へ寄付をしていた「ふるさと納税」を、企業も寄付ができるように改正し、今年中の制定を目指している。
企業がふるさと納税を通じて寄付を行うと、法人税などの税金が合わせて30%が免除となり、さらに現行の寄付税制で約30%が還付されるため、合計で約60%の税金を軽減することができる。しかし、企業と自治体の癒着を避けるため、自治体から企業への見返りを与えることは禁止する規定を設けるそうだ。冒頭のように、北海道で創業されたニトリが夕張市へ寄付をすることで、地元を支えながら税金対策ができるだけでなく、「北海道を応援する企業」としてのイメージアップも図れるのだ。地域密着企業だけでなく、多くの企業による実施を期待したい。

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05「ご当地カレー」

  • ■ 地域活性に一役
  • ■ 食材とよく合う万能さが人気

老若男女を問わず人気があるカレー。この料理にご当地の食材や特色を盛り込んだ、『ご当地カレー』が続々と全国へ広がっている。
カレーといえば、肉・野菜・シーフードなどの具材をはじめ、ルーも幅広い色や味があるのが特長だ。様々な食材と合わせても美味しいカレーは、ご当地の食材をアピールしやすいそうだ。そして中身だけでなく、レトルトカレーのパッケージも地域を活かしたデザインにすることで、お土産としての需要が高くなるという。お土産として販売する場合はパック詰めが必要だが、ほかの商品を生産する場合に比べ、初期投資が比較的安価に済むそうだ。このように、中小企業でも開発しやすいことが、ご当地カレーブームの背景にある。近年はご当地カレーを集めたイベントなども開催されており、ご当地カレーをきっかけとした地域活性化に期待がかかっている。

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06「自分史」

  • ■ IT活用で安価に制作
  • ■ サービスが徐々に充実

自分の人生を書籍などの形でまとめた『自分史』。以前から自費出版で取り組む人が多かったが、高価な上に制作のフォローを行うサービスは少なかった。ところが近年はITを活用した安価なサービスが出始め、誰でも手軽に人生の記録をまとめられるようになったという。
ITを活用した例としては、半生を語った映像を撮影してDVDを制作したり、インターネットの動画投稿サイトに公開したりすることなどが挙げられる。従来の主流であった自費出版と比べ、安価に制作できる点が人気だという。そのため、現在は自身の趣味や家族の紹介をまとめた自分史が増えているようだ。また、制作のフォローを行うサービスもあり、プロの編集者と校正士がチェックを行い、ホテルに宿泊しながら作家気分を味わえるオプションもある。価格帯と制作のフォローが充実したことで、自分史が一般的になる将来も近いのかもしれない。

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07「ジョガーパンツ」

  • ■ スニーカーブームから生まれたヒット商品
  • ■ 生活者によるオシャレの発見

男女共にスニーカーブームとなっている今、その流れを受けて次の大ヒット商品と呼ばれているのが『ジョガーパンツ』だ。
ジョガーパンツとは、ジョギングしやすいよう裾にゴムがついたパンツのこと。本来はジョギングするためのパンツとして作られたのだが、若者を中心にファッションアイテムとしてヒットしている。裾が絞られているためスニーカーを綺麗に見せられ、どんなスニーカーにも合わせることが出来る。これにより、オシャレな男性に支持され、2014年頃から流行りはじめた。その後、裾が絞られていることで足が綺麗に見せられるといった理由で、女性からも支持されるようになったことにより、ユニクロなどでも女性向けのジョガーパンツが登場するまでになったという。このように最初は機能性が目的で開発された商品が、生活者によって新たなファッションアイテムとして変貌する流れは今後も続きそうだ。

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