01「世代間ルームシェア」
- ■ 住む場所がない若者と部屋が余る高齢者
- ■ 世代を超えたマッチングで苦境を打開
ルームシェアというと同世代の友人や職場の同僚などをイメージするが、アメリカでは、Z世代やミレニアル世代が、自身の祖父母に近い年齢層の人と同居する『世代間ルームシェア』が増えている。インフレが続くアメリカでは特に都市圏を中心に家賃の値上がりが激しく、子どもが独立して部屋が余った世帯と住まいを探す若者のマッチングサービスなども登場している。シンクタンクの調査によると、アメリカ人の約18%は世代間ルームシェアを行っており、その数は50年前から4倍、現在6,000万人にのぼる。スタートは家賃を抑えるための共同生活だが、高齢者からの人生の助言、若者からの生活支援などによる交流の結果、両者にメンタルヘルス問題の減少や幸福感の向上傾向も見られるという。こういった取り組みは今後日本でも求められていきそうだ。
【参考URL】
https://www.businessinsider.jp/post-256878

02「令和版ラジカセ」
- ■ 見た目は完全に古き良きラジカセ
- ■ 機能は最先端の昭和レトロデバイス
1980年代にあった、無骨な外見でラジオとカセットテープ機能のみのいわゆるラジカセ。それが、見た目はそのままに、USBメモリやSDカード、Bluetoothで接続したスマホからの音楽再生などに対応、さらにはカセットテープをMP3にダビングする機能までついた『令和版ラジカセ』として復活した。
この流れはラジカセだけでなく、実際は液晶テレビだが木枠ブラウン管テレビ風な外見の商品など、人気の再熱を受けた昭和レトログッズが近年数多く登場。昭和レトロを懐かしいと感じる世代だけでなく、Z世代などの若年層にも「斬新でかわいいデザイン」と受け入れられなど、幅広い層に支持されている。一過性のブームではなくミッドセンチュリーインテリアのように、昭和レトロもデザインのスタイルとして定着していくのかもしれない。
【参考URL】
https://www.goodspress.jp/news/419141/

03「クラフトサケ」
- ■ 苦肉の策か革命か
- ■ 業界の変革を狙うオリジナル日本酒
日本酒は、定期的にブームが来ることはあるが、若年層でのアルコール離れもあり消費が落ち続けている。そんな日本酒市場に新たに登場したのが「クラフトサケ」だ。小規模な醸造所で作られる日本酒である。ホップを加えるなどオリジナルの製造法で、フルーティーで爽やかな味わいの日本酒が生まれている。
じつは、日本酒の製造業免許はここ70年間で新規交付が行われておらず、既存酒蔵以外では、事実上参入できない状態となっている。そこで、日本酒にはない副原料を入れて発酵させる工程を入れることで、法制上は日本酒ではなく「その他の醸造酒」に分類されるクラフトサケを作り出した。
現在の業界を守るだけではなく、新規参入者のアイデアが新たな消費者を獲得し業界全体の活性化にもつながる事例になるか注目したい。
【参考URL】
https://www3.nhk.or.jp/news/contents/ohabiz/articles/2022_0729.html

04「メタバース留学」
- ■ メタバースを活用した英語学習
- ■ 国際交流などの疑似体験が手軽に
インターネット上に構築された仮想空間であるメタバース。娯楽やビジネスだけでなく、教育の場にも影響を与えつつある。VRを活用し、仮想空間上で英語学習を行う『メタバース留学』もそのひとつだ。
株式会社CURIOUS WORLDが運営する「メタバース留学」では、空港でのチェックインやホームステイ先でのコミュニケーションなど、実社会の疑似体験。さらには、外国人英語講師との英語学習、現地の学生と交流をしたりと、多くのプログラムが組み込まれている。また、英会話学習で有名な株式会社ECCでも、VRを活用した新サービスを提供開始。他にもスマートフォン向けの、英会話学習に特化したメタバースアプリ「fondi」も人気を集めているという。このように手軽に学べる機会が増えることで、よりよい学習環境に整備されていくことに期待したい。
【参考URL】
https://vr.curious-world.co.jp/

05「スモ休」
- ■ 非喫煙者の保護制度
- ■ 喫煙者のタバコ休憩との不公平感を解消
近年、望まない受動喫煙の防止を目的とする改正健康増進法が成立し、飲食店・職場などでの原則屋内禁煙が義務づけられた。屋外喫煙所も縮小傾向で、至るところで禁煙制度は拡大しつつある。そんな中、マーケティング支援会社「ピアラ」が導入した、非喫煙者を保護するための制度『スモ休』が話題を呼んでいるという。
「スモーク休暇」の略称である「スモ休」。具体的には、非喫煙者に有給休暇を付与することで、喫煙者のタバコ休憩との不公平感を解消し、健康を推奨するという内容だ。IT企業を中心に取り入れつつあるこの制度だが、実際には「喫煙者への差別」「そもそも休暇が取りずらい」など言った、マイナスの声も上がっている。いずれにせよ、喫煙者と非喫煙者の平等を考える機会は、どの企業も積極的に取り入れる必要がありそうだ。
【参考URL】
https://www.mapion.co.jp/news/column/lbq51942917-all/

06「ブティックホテル」
- ■ 唯一無二のコンセプトを持つホテル
- ■ T&Gが国内に出店を加速中
欧米では一定の知名度を持ちつつある、ホテル業界のカテゴリーがある。それは、高価格帯で唯一無二のコンセプトを突き詰めたホテル『ブティックホテル』だ。
ハウスウエディングを広めたテイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)は、国内で「ブティックホテル」の新たな市場を創ろうと、出店を加速予定だという。その皮切りとなったのが、17年に東京・渋谷に開業したトランクホテル。コンセプトは「ソーシャライジング」で、どのプロダクトも地域の生産者と共創した逸品かつ、社会貢献できる仕組みとなっている。また、東京・神楽坂にある店舗は、1泊1室50万円超で客室は1室のみ。 T&Gは、このようなコンセプトホテルを31年までに28店舗に増やすと表明している。多店舗化を成功させれば、他社の参入を促していけるのだろう。今後の動向も注視していきたい。
【参考URL】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC255B20V20C22A7000000/?unlock=1

07「新経連(新経済連盟)」
- ■ デジタルを軸とした経済団体
- ■ 10周年を迎え、新たに書籍を出版
経済団体の中でも、影響力の大きい「経団連」。2011年、三木谷社長率いる楽天が「経団連」を脱退し、翌2012年にデジタルを軸とした経済改革に向け、整備に取り組む経済団体『新経連(新経済連盟)』を発足させた。当初、新興企業を中心にスタートするも、現在では大手企業も参画するようになり、今や500社程の企業数となっている。この「新経連」が10周年を迎えた2022年、新たに「ジャパン・トランスフォーメーション(JX)」を掲げた活動を開始。そして、その戦略を提言する書籍「JAPAN TRANSFORMATION 日本の未来戦略」を出版した。誰しもが新時代のチャンスに気づき、掴み、未来を変えられるというメッセージが込められた一冊で、日本社会を活気づける内容が盛り込まれている。常にアグレッシブに経済を牽引してくれる彼らの存在は、今後さらに重要となっていきそうだ。
【参考URL】
https://jane.or.jp/
