01「シネアド」
- ■ 大スクリーンに放映されるCM
- ■ 今までなかった新しい広告媒体
ポップコーンとジュースを買って本編が始まる前にリラックス…とスクリーンに映し出されたのは映画とは関係のないCMの数々! 近年、シネコン(大型映画施設)での映画予告放映時間が広告媒体となる、『シネアド』が注目されている。シネアドとは、本編開始10分前に流れる映画の予告の代わりに、一般企業のCMを流すというもの。本編開始前の暗い空間に大画面で映し出されるCMは、インパクトが大きく、同じ空間にいる観客で共有体験をすることで、広告効果が高まる。また、地域ごと、作品ごとに客層が違うので、ターゲットを絞った広告を低価格で展開できるのも魅力だ。さらに、多くのシネコンはショッピングセンターに隣接しているので、購買意欲向上も期待できる。今までありそうでなかったシネマ広告。隣接企業との相乗効果を生み出せるか注目したい。

02「第2次 香りつき柔軟剤ブーム」
- ■ 加速し続ける日本の柔軟剤市場
- ■ 香りづけに特化した製品も
2008年、各社が相次いで香りつき柔軟剤を発売して以来、勢いを増す柔軟剤市場。今では、香水感覚で香りを楽しむ人も多いのだとか。日本の柔軟剤市場が独特の盛り上がりを見せる中で、今年、初の“香りづけ専用製品”が発売された。香りをつけることに特化したこの製品は、それ自体に柔軟剤効果はない。完全に“いい香りをつけること”を目的としており、従来の柔軟剤にブレンドすることで何通りもの香りがつくり出せるというから驚きだ。「いろいろな香りを楽しみたい」という主婦層のニーズに応えたこの製品は、一時は出荷停止に陥るまで大ヒットしている。他社の製品では残香性の高さを売りにしているものもあり、もはや柔軟剤というよりフレグランス感覚で売り出しているといえるだろう。日本人は特に香りに敏感な民族といわれているが、今後の柔軟剤市場がどのような方向性に進んでいくのかは未知数だ。

03「コンセプト・ルーム」
- ■ カラオケ業界にアーティストやアニメ作品とのタイアップが浸透
- ■ 音楽業界にどのような効果をもたらすか!?
バブル経済後に急成長し、大衆文化として定着したカラオケ市場。近年、アーティストやアニメ・ゲームとタイアップしたカラオケルームが増えているという。内装に工夫を凝らし、タイアップしたアーティストや作品の世界観を表現しているのが特徴だ。今年3月には、ロックバンド・BOOWYとタイアップし、メンバーの写真やロゴ、特設ステージなど部屋全体をBOOWY一色に染め上げたコンセプト・ルームが、期間限定で有楽町にオープン。オフィス街が近いこともあり、30~40代のサラリーマンに好評だったそう。また、若者の集まる渋谷ではEXILE、ゲーム・アニメ文化の中心地である秋葉原では、人気ゲーム作品や初音ミクとのコラボレーションが話題を呼んだ。ターゲット層に応じた立地の選択が、成功のポイントといえるだろう。このところ低迷の続く音楽業界。コンセプト・ルームの普及は、音楽ビジネスを新たな分野へと導くだろうか。

04「ネット第一声」
- ■ 主戦場は、街頭から動画サイトに!?
- ■ 政治的無関心を払拭できるのか?
7月4日の参院選公示を受け、ついにインターネットを使った選挙運動が解禁された。動画サイトではさっそく9党の党首による『ネット第一声』が生放送され、大きな注目を集めている。従来の主戦場であった街頭演説は、その場にたまたま居合わせた人がターゲットだったが、ネットの動画サイトは有権者がいつでも何度でもメッセージを視聴できるのが特徴だ。今回の参院選では、自民党がどこまで躍進するかがポイントになっているが、こうした取り組みが民意にどのような影響を及ぼすだろうか。また、政治的無関心を払拭するという意味で、投票率の変化に注目したいところだ。

05「Rentry」
- ■ 家賃の負担を軽減する新サービス
- ■ プレゼン次第で家賃が減額!
今までの部屋決めは、設定された家賃を元に、自分のお財布と相談し…というのが相場。その常識を打ち破る新サービスが『Rentry』である。どんなところが斬新かというと、借主が自力で家賃を設定できる点だ。具体的には、オーナーや物件、もしくは世の中に対して借主がどんな影響を与えることができるのかをプレゼンし、オーナーが共感してくれると交渉が成立する。例えば、毎日物件の掃除をすれば、建物全体の管理費が減り、さらには入居者全体への好影響が期待できる。Web制作スキルがある人ならば、建物のサイトを作ってもいいかもしれない。こうした試みで、物件の価値を高め、何らかの社会性を生み出すことが狙いとなっている。夢や熱意によって、家賃面でのメリットのみならず貸主と借主のより良い関係を築いていくこのシステム。今後サービスが展開していくことで、物件探しがもっと楽しくなるのではないだろうか。

06「ファブレット」
- ■ ポイントは「5インチ以上7インチ未満」
- ■ Phone + Tablet = Phablet
大手電子メーカーのサムスンから出された『ファブレット』という製品が今、世界で注目されている。ファブレットとは、スマートフォンやタブレットと同じOSを搭載しながらも、両者の中間の大きさ「5インチ以上7インチ未満」のディスプレーを搭載した端末のことだ。現在、ファブレット人気が一番高いのは韓国と中国で、市場に力を入れているのも両国内のメーカーだ。この背景には、コンパクトさと片手での操作性を重要視する日本と違い、パソコンの代わりになるようなディスプレーの大きさ、見やすさへの需要が関係しているようだ。最近では日本でもファブレットが注目されているようで、これは、コンパクトなスマートフォンが一巡して、新しい要素“より大きい画面”を求める傾向になりつつあるからだという。まだまだ未知数のファブレット市場。日本がこれから受け入れるのはスマートフォンか、タブレットか、それともファブレットか。

07「送りつけ商法」
- ■ 注文していない商品が勝手に届く?
- ■ 相談件数5年で7倍!
「以前、お申込みいただいた商品を今から送ります」。近年、こんな電話が突然かかってきて、申込んだ覚えのない商品が強引に送りつけられる『送りつけ商法』の被害が増加している。別名『ネガティブオプション』とも呼ばれるこの商法は、悪質な業者が商品を一方的に送りつけ、「購入しなければならない」と勘違いした消費者に代金を支払わせようとするもの。主に、送られる商品は健康食品や医薬品が多く、他にもカニやホタテ貝といった海産物など様々。また、被害者は女性が全体の8割を占め、そのうち約7割が70歳以上のお年寄り。つまり、配送システムや不審物が届いた際の対処方法に疎い、高齢者が中心に被害にあっているのだ。既に、国民生活センターや警察に寄せられる相談件数は、4000件以上。高齢者が安心して暮らすためにも、早急に具体的な対策に取り組んでほしい。
