01「クールシェア」
- ■ 涼しい場所を“シェア”する取り組み
- ■ 「エアコン1人1台」の発想はもう終わり!?
一時の猛暑は落ち着きながらも、まだ暑さの残るこの頃。自宅はもちろん、店舗や公共施設でもしばらくエアコンは稼働するだろう。実は1日に使用される電力の大半は、エアコンが占めているといわれている。そんな状況を踏まえて2012年から取り組まれているのが『クールシェア』。クールシェアとは、公共施設や地元の店舗、緑地など涼しく過ごせる場所にみんなで集まることで節電しようという取り組みだ。協力を仰いだうえで、涼しく過ごせる「クールシェアスポット」として登録された施設や店舗は、エアコンの過度な使用を控え、ゆっくりと落ち着いた時間を過ごせる場所としてWeb上のマップでも公開されている。年々、暑さが厳しくなっていく昨今。環境にも配慮したうえで、暑さと上手に付き合っていく方法が求められてくるかもしれない。

02「ホット炭酸」
- ■ 世界初! “温かい”炭酸飲料!?
- ■ 新ジャンルは受け入れられるか
“炭酸飲料=冷たい飲み物”。そんな今までの常識を覆した、奇抜な商品が誕生した。世界でも初めてとなる、“温かい”炭酸飲料『ホット炭酸』だ。日本コカ・コーラからは「カナダドライホットジンジャーエール」、キリンビバレッジからも「キリンの泡 ホット芳醇アップル&ホップ」がそれぞれ発売予定。これまでにない新ジャンルの商品を投入した2社に共通する狙いは、炭酸飲料カテゴリーのさらなる底上げと、ホット飲料の分野で、コーヒーやお茶に次ぐ新しい顧客をつかむことだとか。しかし、前例のない珍しい商品なだけに、「一発屋」で終わってしまうリスクも否めない。炭酸飲料の売り上げが落ち込む冬に、新たなカテゴリーで需要を拡大することができるのか。“ホット炭酸市場”の今後の動向に注目が集まっている。

03「バーチャルエージェント」
- ■ まるで人と会話しているよう?
- ■ 24時間いつでも質問に答えます!
カスタマーセンターへの電話での問い合わせは、事前に企業のウェブサイトを見ても、知りたい情報にたどり着けなかったユーザーで占められているそうだ。そこで最近注目されているのが『バーチャルエージェント』。これは、ウェブサイト内の専用フォームに知りたいことをテキストで入力すると、人工知能が会話のようなやりとりで適切な回答や案内をしてくれるサービスのこと。特筆すべきは、その人工知能の成長。サイト訪問者と人工知能とのやりとりは、蓄積され、まるで人間が経験によって学習するように成長していき、より快適な回答を導き出せるようになるのだ。また、営業時間内でしか受け付けできないカスタマーセンターに比べ、こちらは24時間対応できるメリットも。すでに銀行や保険会社を中心に導入に踏み切った企業もあるようだ。はたしてこの人工知能の窓口は、今後サービス向上を影で支える存在となり得るのだろうか。

04「羽田特区」
- ■ 海外へのアピールが中小製造企業の生命線!?
- ■ 空港隣接地の強みを生かしたプラン
自社の技術や製品をいかに海外に向けてアピールするか。それは中小企業のビジネスにとって重要な課題の1つといえる。そんななかで期待を寄せられているのが、羽田空港の跡地を国家戦略特区として活用する羽田特区構想である。その目玉は、中小製造業支援、クールジャパン、先端医療の3つ。とくに空港隣接地に産業交流拠点を設置し、保税特区として関税手続きを簡略化することで、アジアを中心に対日投資を呼び込み、中小企業が得意とするハイテク製品や精密加工品をアピールする試みがポイントだ。かつて世界の市場を席巻した日本の大手電機メーカーは、サムスンやLGなどの韓国勢に押され、苦しい戦いを強いられている。そんな状況だからこそ、日本のものづくりを支えてきた町工場が元気を取り戻すことが、景気回復の実感に繋がっていくのではないだろうか。

05「デジタルファースト」
- ■ 書籍で出版する前にウェブ上で公開!
- ■ 紙と電子の新たな共存方法?
雑誌や書籍など紙の本を出版する前に、先に作品を電子書籍だけで配信したり、ウェブ上で公開したりする『デジタルファースト』と呼ばれる取り組みが注目されている。これは、紙の本に比べコストが安い電子書籍を先に販売することで、販売リスクを減らせるのが特徴だ。また、ウェブ上で先行販売することで本の知名度アップを図り、反響を確認してから書籍化して販売することもできる。まさに電子と紙の違いを上手く活用した販売戦略といえる。更に、少ない文字量でも出版できるため、長編を書けない人でも短い連載を続けた後に、一冊にまとめることができるので取り入れる出版社も多いようだ。電子書籍が普及することで、紙媒体の書籍が衰退するといわれていた昨今、両者の良い部分を共存させた新しい取り組みは、出版業界にどう影響していくのか注目していきたい。

06「日の丸油田」
- ■ 原発停止により重要度が増す火力エネルギー
- ■ 新たな日本の自主開発油田が原油の生産を開始
東日本大震災の後、原発の危険性が問題視されたことにより、太陽光やLNG(液化天然ガス)といった新エネルギーに注目が集まっている。しかし、コストの問題もあり、すべての電力をまかなうことは現実的ではない。やはり現状では、火力エネルギーに依るところが大きいわけだが、そこで期待されているのが日本の自主開発油田である『日の丸油田』だ。この度、イラク南部で原油の生産を開始した「ガラフ油田」がそれにあたり、さらにイラク国内の「日の丸油田」が原油を生産するのは、イラク戦争後では初となる。そして、このガラフ油田からは、2014年には日本に原油が輸出される見通しとなっているという。エネルギーの安定供給には、自国の手による生産が必要不可欠。何があるかわからないからこそ、今後もこのような自前のエネルギーが重要となってくるのではないだろうか。

07「バカッター」
- ■ 悪びれた様子もなく連日投稿される犯罪行為!
- ■ まず必要なのはモラルでは?
線路への立ち入りやコンビニの冷凍庫への侵入…。このところ、犯罪行為を悪びれもせずTwitter上に報告する投稿が目立つ。特に多いのは、飲食店従業員が店内の設備にいたずらをしたり、お客さまに出す食材を粗末に扱ったりする様子。そのモラルの低さと、似たような騒動が絶えず起こる現状に驚かされるばかりだ。某レストランは、騒動を起こしたアルバイト店員に損害賠償を請求するという措置をとり、大きな話題を呼んだ。こうした愚行が写真と共に頻繁に投稿されることから、Twitterはかねてより『バカッター』と揶揄されることも。スマホの普及によりSNSが身近になり、誰もが自分の情報を気軽に公開できてしまう時代になった。その気軽さから、モラルやインターネットリテラシーが十分でないまま、仲間への報告のような感覚で犯罪を暴露してしまうのだろう。ツールの使い方を覚える前に、まずは社会のモラルを身につけることを優先すべきではないだろうか。
