01「青色LED」
- ■ ノーベル物理学賞受賞
- ■ 低消費電力の灯り
日本では既に周知のことであるが、先日ノーベル物理学賞を赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏の3名が受賞した。発明内容は『青色LED』。これは青い光を放つ発光ダイオードのこと。受賞のポイントは、中村修二氏が青色LEDを実用化したことだと言われている。光の3原色(赤、緑、青)が揃い、LEDでフルカラーを再現できるようになったからだ。しかし、ノーベル委員会が最も評価している点はそこではなく「低消費電力の灯り」の開発による、地球全体規模での省電力への貢献だという。蛍光灯の寿命が1年前後だったのに対し、LEDは10年前後の寿命を持ち、消費電力は激減した。これにより、発展途上国でもLEDが普及しつつあるという。この環境にやさしい発明が未来を照らす光になることを願う。

02「フェアサプライチェーン」
- ■ 労働者に配慮した生産システム
- ■ 生活者が求める企業のあり方へ
生活者の中に、環境保全や社会貢献をテーマとした「エシカル消費」や「サスティナブル」といった考えが広がりつつある中、新たな生産方法のあり方として『フェアサプライチェーン』が注目されている。
これは、生産現場での人権や労働環境に配慮し、環境負荷の低減に配慮したものづくりを行って商品を提供する仕組みのこと。たとえば、近年注目を集めている「KOE(コエ)」というファッションブランドでは、動物の毛皮を使わない商品展開をしている。また、労働者側の視点から見た労働基準を満たす工場の選定や、現地での品質管理と倫理面の監査も行っているという。すでに海外では、低価格を追及するだけの企業への批判が高まっており、客離れが起きているという。今後、フェアサプライチェーンは、生活者が企業を選ぶ理由のひとつになりそうだ。

03「雨傘革命」
- ■ 普通選挙を求めた香港の抗議デモ
- ■ 催涙弾よけの雨傘から命名
香港に真の普通選挙を。そんな声から始まった『雨傘革命』が、今香港政府を動揺させている。きっかけは、2017年から導入される予定の一般有権者による直接選挙=普通選挙が、名ばかりのものだったことだ。普通選挙と名付けておきながら、香港政府は予め中国共産党が立候補者を絞り込むと発表。学生たちがこれに抗議デモを行ったところ、政府は参加者らに催涙弾を多数発砲したのだ。
催涙弾をよけるため、多くの学生らが雨傘を差してデモに参加したところから、一連の抗議デモは「雨傘革命」と命名された。学生たちが普通選挙を求めて始めた雨傘革命だが、現在は一般市民も参加し、中国共産党への批判を含んだものになっている。参加者の声は政府に届くのか。今後の顛末に注目だ。

04「マルチコプター」
- ■ 無線で遠隔操作して使用される
- ■ 趣味だけではなく業務使用も
無線の遠隔操作で使用できる『マルチコプター』 が、さまざまな場所で活躍を見せている。マルチコプターとは、複数のローターを同時にバランスよく回転させることによって飛行するマルチローターヘリコプターのことで、無人航空機またはラジコン模型航空機の一種。
カメラを搭載したマルチコプターは、上空や水面をあらゆる視点から縦横無尽に撮影出来るため、空撮を趣味にする人に重宝されていた。しかし、近年ではオリンピック競技での空撮や計測機器を積んでの飛行など、趣味ばかりだけではなく業務での利用が進んでいる。正確な位置と高度を維持した飛行が可能なので、人が立ち入ることの出来ない場所への調査も可能で、実際に火山観測での実験が行われている。新しい活用方法として、災害現場での使用も検討されているマルチコプターは、私たちの生活の中で大きな役割を担うアイテムになるのではないだろうか。

05「院内交番」
- ■ 病院施設内に交番を設置
- ■ 近年増加している高齢者によるトラブル対策
近年、医療従事者に対する患者の暴力・暴言が深刻な問題となっている。こういった院内トラブルを防ぐため『院内交番』を設ける病院が増えている。
院内交番とは、病院内に警察OBを採用し、危機管理や院内暴力の対応にあたる機関のこと。現在、全国の90%以上の大学病院がこの院内交番を設置している。病院内でトラブルを起こすのは圧倒的に高齢者層が多く、人との関わりが希薄となった現代で、不安感や疎外感を感じる高齢者は攻撃的な衝動の制御ができなくなっている傾向がある。しかし、院内交番を設置してからトラブルは減少しつつあり、効果が発揮されている病院もあるようだ。人の命と健康を託されている医療従事者が仕事をしやすい環境づくりと、患者の安全とモラル向上のためにも、院内交番は今後も増え続けていくのではないだろうか。

06「中古スマホ」
- ■ 安価に購入できる中古のスマホ
- ■ 個人情報の流出には注意
単価が高く、それを抑えるため各通信社に2年間の契約期間が存在するスマホ。買い替えたくても、なかなかできないというのが本音だろう。しかし、『中古スマホ』なら安価に、いつでも買い替えが可能だ。
一般的に、中古スマホは通話・通信を行うSIMカードを入れ替え、それまでのメモリを消去した形で販売されている。そのため、ほぼ新品と同じものが、1万円程度で購入できるそうだ。ただし、まれに分割払いが残っている端末が販売されているので要注意。また、自分がスマホを売却する際も、個人情報を守るため、メモリの消去は念入りに確認しなければいけない。それさえ気を付ければ、安価にきれいなスマホが手に入る中古スマホ。次の買い替えの際、検討してみてはいかがだろうか。

07「バイオマス燃料」
- ■ バイオ燃料の総称
- ■ クリーンなエネルギー生産
世界的にクリーンエネルギーを模索し続ける中、現在最も注目を集めているエネルギー資源が『バイオマス燃料』だ。これは、植物や家畜の糞尿などを加工して作る燃料のこと。具体的な搾取方法は、木くずや廃材、トウモロコシ、サトウキビ・ビートの絞りかすなどを発酵させてエタノールを精製したり、糞尿などを発酵させることでメタンを発生させるなどがある。化石燃料に比べ二酸化炭素の排出量が少なく、地球温暖化対策としての効果が期待されている。現段階では、自動車などのエンジンを動かす燃料として注目されているが、今後は発電など別の用途にも活用していくことだろう。近い将来、有限な資源から、再生可能な資源への移行が世界的に見込まれる。
